あらすじ
14歳で史上初の中学生プロ棋士となった著者。
この記録は半世紀以上たった今も破られていない。
さらに18歳で棋士の最高クラスであるA級8段に昇格する
という偉業を成し遂げ、
「神武以来の天才」と呼ばれた。
10段戦で大山康晴名人を下し、
初タイトルを獲得。
その後も名人、王位、棋王、王将など、
数々のタイトルを獲得している。
棋士生活は60年をこえ、
現在、75歳の現役プロ棋士最年長。
通算対局数・敗戦数は歴代トップで更新中、
通算勝利数は現役最多(歴代2位)。
1950年代から2000年代まで、
A級に在籍した唯一無二の“将棋界のレジェンド”だ。
著者が対戦した最古参のプロ棋士は、
1897年生まれの故・村上真一八段。
一方、あと何年かすれば
21世紀生まれのプロ棋士が誕生する。
その時まで現役でいれば
19世紀、20世紀、21世紀生まれの棋士と対戦する
という快記録が生まれるかもしれない。
世襲制が廃止され、
実力名人制が導入されてから名人になった棋士は12人。 著者は自身を除く11人全員と対戦し、
あらゆる世代のトップ棋士の実力を知る唯一の現役プロ棋士。
最近ではバラエティ番組に数多く出演し、
「ひふみん」の愛称でお茶の間の人気者になっている著者が、
60年以上の棋士生活を振り返り、
歴代の名人たちと対局した唯一無二の存在として、
天才たちの知られざる一面を独特の語り口で綴る。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
バラエティでも有名なヒフミンこと加藤一二三。彼は18歳でA級八段となった《神武以来の天才》《秒読みの神様》と称された将棋界のレジェンドです。
本書は将棋の歴史がコンパクトにまとめられた良書です。
以下は、私の備忘録。
・一世名人 大橋宗桂(1612年)
・三世名人 伊藤宗看
・以降、大橋家と伊藤家の子孫が名人を世襲
・九世名人 大橋宗英は江戸時代最強
・実力11段 天野宗歩
・13世名人関根金次郎と阪田三吉のライバル関係
・関根の東京将棋連盟設立(1925年)と実力制名人の導入(1935年)
・将棋界を二分した神田事件(神田辰之助)
・初代実力制名人は木村義雄
・現代の棋士系譜は、関根系列門下(中原誠、加藤一二三、藤井聡太)と阪田系列田門下(内藤國雄、森安秀光、谷川浩司、久保利明)が主流
・その他、木見金次郎系列門下(升田幸三、大山康晴、村山聖、佐藤康光)、井上義雄系列門下(丸田祐三、森けい二、郷田真隆、福間香奈)、川井房郷系列門下(米長邦雄、渡辺明、丸山忠久、藤井猛)、神田辰之助系列門下(灘蓮照、桐山清澄、豊島将之、西山朋佳)
・木村義雄名人による順位戦創設(1946年)
・王将戦の3番手直り(三勝した方が香車を落とす)升田幸三が木村名人相手に実現、1965年に廃止
・将棋界のタイトル独占(升田幸三3冠、大山康晴5冠、羽生善治7冠、藤井聡太8冠)
・順位戦で毎年昇段したのは、加藤一二三と中原誠のみ
・丸田祐三理事は棋士の給与体系を確立した功労者、彼の名言「何かを決めるときは、決めた人間が損をするようにしろ」は今の私利私欲まみれな政治家への提言ともなっていますよね~
・山田道夫が棋士同士の研究会を最初に始めた
・大山康晴は69歳でガンと戦いながらA級在位のまま亡くなった超人
・他にも、木村義雄、塚田正夫、大山康晴、升田幸三、中原誠、加藤一二三、谷川浩司、米長邦雄、羽生善治、佐藤康光、丸山忠久、森内俊之、(佐藤天彦、豊島将之、渡辺明、藤井聡太)などの名人位系譜や当時のライバルたちのエピソードも満載
タイトルの「求道心」は、著者のクリスチャンとしての矜持と願いが込められています。
Posted by ブクログ
ひふみんこと加藤一二三が、将棋界の歴史とその時代のトップランナーを綴った一冊。
本人もかつての第一人者であるのに加え、19世紀生まれから21世紀生まれまで公式戦で戦ったことのある著者だからこそ知りえる含蓄のある情報が知れて面白かった。
Posted by ブクログ
将棋の歴史から歴代の棋士たち(著者含む)の特徴や将棋に取り組む姿勢など、著者とのエピソードを交えて解説している。ひふみん、こと加藤九段の柔和な話ぶりそのままに記されていて、とても読みやすかったです。継続は力なり、とはよく言うけれど、情熱をもって、有力なライバル達と高め合うことが大切な要素なのだろうなぁ。