あらすじ
将棋名人四〇〇年を迎える将棋界。伝統ある名人のすべてを紹介すると同時に著者自ら「変人名人」として話題になった。歴代名人の知られざる一面が分かる。
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グーグルで「5二銀」という三文字を検索すると、そこにズラッと並ぶのは、羽生善治が五段時代の1988年にNHK杯で加藤一二三と対戦した時の「伝説の鬼手」5二銀の話である(動画も多々あり)。
しかし本書「将棋名人血風録」において著者の加藤は言う、この手は確かに妙手ではあるが奨励会の二・三段でもちょっと考えれば思いつく、したがってあの5二銀をもって羽生を天才と呼んでは羽生が可哀想である、と。
この加藤の指摘が負惜しみではないことは、本書全体に一貫している加藤の謙虚な生真面目さから分かる。とにかく真面目な人である。
その一方で、加藤のその生真面目さ・愚直さに起因する天然ボケ?ぶりも、本書中に遺憾なく発揮されている。まさに「ひふみん」という愛称にピッタリの、意図せぬユーモアが随所にあふれている。
本書のテーマはもちろん歴代の将棋実力制名人12名(加藤自身を含む)にまつわる諸々のエピソードと加藤の考えである。この12名の時系列での紹介により、名人世襲制廃止以降のプロ将棋界の歴史が私のような素人の頭にもスーッと入るところが素晴らしい。
なお本書には、東京地裁平成20年(ワ)第2785号猫への餌やり禁止等請求事件において加藤が敗訴した件に関する記載は当然ながら無いが、この事件にも、本書から窺える加藤の人柄そのものが出ていると思う。
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昔の将棋の世界には変わった人が多いが、その中でも加藤一二三九段は、トップクラスの変人の一人である。滝を止めたとか、対局相手に向かってストーブを全開にしたとか、うな重しか食べないとか、ネクタイが長すぎるとか、対局者の後ろに回り込んで独り言をつぶやきながら検討を始めるとか、アレなエピソードを並べ始めると、もうどうにも止まらない。いくつかについては、本人にも自覚はあるらしく、本著の中で釈明していたりもするのだが、それがなんとも腑に落ちない。明かされた理由が、本人以外にわかる理由になっていないのである。
そんな一二三九段は、有名な棒銀原理主義者でもある。本書にも、棒銀について述べた箇所がいくつかあるので、引用しよう。
「私が棒銀を好むのは、銀という駒が好きだからである。金が守りの要であるとすれば、銀は攻めの駒だといえる。だから棒銀はすごく緊張感があるし、うまくいけば解消できる。それで飽きずに棒銀をさし続けているわけだ」
「タイトル戦で激突した多くの棋士が大山さんに勝てなかったのは、いま思うと大山流の振り飛車に対して、棒銀を指さなかったからである」
「羽生さんには、『羽生の頭脳』シリーズという名著の数々がある。棒銀の本を読んだが、大変有益だった」
引用箇所から、何かを感じ取っていただければ幸いである。本書は、加藤一二三九段という不世出の天才のエッセンスが凝縮された、まぎれもない名エッセイだ。
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加藤九段の熱い想いを時折挟みながらの名人戦の歴史を学べます。サブタイトルを見たとき、思わず吹き出しそうになりましたが、あまりにも面白い内容だったので、一気に読み終えてしまいました。
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勝負師は何事においても勝負の場で譲ってはならない。そして、自分の実力以上の力は信仰によって得る。自らが同じ形の将棋を指し続けるのは芸術作品を作るため、だが、多くの棋士は色々な形でドラマを作ってきた。それを「対戦相手」として分析している。ひふみんが「自分語り」を極力抑えて、かつ、たくさんの棋士仲間・先輩・後輩への敬意を表現した至高の一冊。3時間あれば読み切れます。
とりあえず、「あと何分?」
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ゴミ、ハエと口喧嘩をする名人、対局室の冷房の温度を譲らない名人、将棋の強さは疑いようのない名人たちの、ほんとかな?と疑ってしまうような人間味のあるエピソードが詰まっている。
しかしその信念を貫く姿勢や勝負絵の執念が、名人たる所以なのだと納得してしまう。
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将棋における名人誕生400年を記念し、実力名人制になってから名人位を射止めた人たちについて、全員と対局した加藤一二三が書き綴った本。
一人ひとりについて、とても丁寧に、尊敬の意を込めて書かれていて、とても面白かった。
基本的には真摯に書かれているけど、時々見え隠れする加藤一二三の変な主張もまた面白いw
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この本の1年後に出た「羽生善治論」ではいかに自分が天才かを訴え続けたひふみんこと加藤一二三氏だがこの本は普通に面白い。ひふみんも世間で自分が変わり者だと言われていることは知っている。しかし某新聞社の社長が昔ひふみんにインタビューをして「加藤先生ほど常識的な人はいません」といったそうなのでひふみんが「変わり者」だとしたらここに登場する歴代名人は一体どれほどのものなのか。
1935年に実力制名人制がはじまってから名人位についたものはこれまでわずか12人。木村義雄、塚田正夫、大山康晴、升田幸三、中原誠、加藤一二三、谷川浩司、米長邦夫、羽生善治、佐藤康光、丸山忠久、森内俊之。この内木村、大山、中原、谷川、森内、羽生が永世名人の資格を持っている。そしてひふみんはこの自分以外全員と対局したことがあるのだからまことにこの本を書くにはふさわしい。江戸幕府の元で大橋宗桂が名人になってから400年、囲碁界では同じく一世名人の本因坊算砂に対し織田信長が「そちはまことの名人なり」と称したのが語源とされているがそこはスルー。将棋の最古の棋譜が宗桂ー算砂のものと書いてるのだからこの話は当然知ってるはずだが。
囲碁の方では名人は1962年に始まり15人、もう少し早く1941年に始まった本因坊も17人で永世本因坊が4人。C級2組からA級に上がるのにどんなに早くても4年かかりA級10名、B級13名は昇級、降級とも2名であり挑戦までの道のりが長い。
第一期名人木村義雄とリーグ戦でトップを走る木村を追いかける花田長太郎は「王将」で有名な自称名人坂田三吉と対局することになる。第一期の名人選は当時7人の八段のリーグ戦で決めることになったがうち6名が東京におり大阪期界は当時関西ナンバーワンの神田七段を参加させようとする。朝日新聞が神田七段と東京の7−8段7名との対抗戦を開催し神田は7人の八段相手に全勝するも七段相手に3−4と負け越す。そして日本将棋連盟は神田の参加を拒否、花田を筆頭に神田支持派が脱退し革新協会を立ち上げ、残った木村らは新たにもう一人を八段に昇段させ名人戦を続行。結局名人位を返上した十三世名人関根金次郎が間に入って手打ちを行い神田を含めた9名での第一期名人戦リーグが始まった。こうなると坂田三吉も黙っていない。読売が坂田を担ぎ出し木村、花田との2番勝負が始まった。坂田三吉66才、既にピークは過ぎていたが木村も花田も坂田を無視して名人とは名乗れないと考えたのだろう。反対する連盟を抑えて先ず南禅寺で木村ー坂田戦が始まる。後手の坂田はなんと9四端歩突きでこの局は木村の完勝に終わる。一ヶ月後の天竜寺の花田戦でも1四端歩。風邪の花田は坂田の粘りを許すがこれも花田が勝った。「もしあの勝負に負けていたら、私は名人戦に勝っても『名人位」にはつけなかったろう」と後に木村が語った。もはやプロレス進行だ。坂田の端歩突きは能條純一の月下の棋士で氷室将介が受け継いでいる。
木村に挑戦した升田幸三とはゴミ・ハエ論争が勃発、「名人なんてゴミみたいなもんだ」「名人がゴミならきみはなんだ!」「まあ、ゴミにたかるハエですかね」タバコを加えて盤面を見つめる升田の写真がしぶい。ライバル大山とのプレイオフでは決戦の高野山対決で必勝態勢の升田が何と大ポカで頓死する。「錯覚いけない、よく見るよろし」は大道詰め将棋の香具師のセリフだった。大山は5年後の昭和27年に3度目の挑戦でついに名人位につき、肝臓病で低迷した升田は同じく昭和27年に王将戦で木村を香落ちに打ち込む。そして31年に大山を破り三冠制覇をはたした。しかしこの升田の2期を挟んで大山名人時代は計18期20年に及んだ。
続く中原は連続9期を含む計15期これまた20年、谷川が名人位についたのが83年で計5期、94年羽生善治が登場する。羽生は計8期ながら登場から20年、同年代の森内が96年の初挑戦では羽生に破れたが02年以降同じく8期と、過去の名人と違い羽生世代はライバルが多く羽生ー森内はこれで4期連続対決とまだまだ続きそう。しかし羽生さんももう44になってたんだ。羽生らぶのひふみんは森内さんのこともべたぼめで、小学生名人戦のエピソードを紹介している。準決勝に進出した森内少年はカメラテストでリハーサル対局を行うと相手も早くリハが終わるまでに中盤まで進み森内やや不利となった。そして本番では「本番もリハーサル通りお願いします」をそのまま真に受け手順を再現した。ひふみん自身も対局中「後何分?」を繰り返し、「見ればわかるんだから、答えなくていい!」と相手を怒らしたこともあるのだが森内さんは同じ場面で吹き出したと人柄を紹介している。これが谷川さんになるとひふみんもライバル視しているからか少しきつめのことも書く。
まあひふみんも悪気はないし、正直に書いてるだけで基本的には人を誉めてもけなしはしないいい人なのだ。みんないい人でゴミ・ハエ論争は起こりそうもなくなってしまったのか。
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将棋界を描いた本は、どれも面白く読める。
登場人物も、書いている人も、それぞれ「普通」の人達ではないからだと思う。
中でも加藤一二三さんは相当有名な「変わった人」で、実際テレビで拝見するのが物凄く楽しみなのだが、意外と言っては失礼だが、本は「普通」だった。
しかし、実力制名人の全てと指したことがあるって言うのは、やっぱりそれだけで凄いよ。
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破天荒な行動、言行で知られる棋士・加藤一二三氏の著書。
さぞかし破天荒な内容の…と思いましたら非常にオーソドックスな作りの棋界回顧録という感じの本になっています。
羽生名人が自分の著作で「直感で指す一手は良手が多いが悩んだ末に指す一手は悪手が多い」と書いていますがこの本にも同じような表現が出てきます。
密室で一体一で行われる将棋。
考えるための体力、過去の棋譜研究などに加え勝負を左右するのは自分の心。メンタル。
羽生名人が7冠を達成した後、森内名人など同世代の棋士が伸び悩んだのは、
「羽生を意識しすぎ、自分の棋風を見失ったから」。
また、名人20年周期説も、「名人?強いかどうかよくわかりません」というくらい年代が離れないと戦う前の心理戦で負けからでは?としています。
「大量にみかんを頼む」「対局中の食事は何があってもうな重」「庭の滝の音がうるさいので『止めろ』と言った」など一二三エピソードを自分のふでで語って欲しかった感じはあります。
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将棋に関しては無知もいいところだったが、かなり面白かった。副タイトルに「奇人・変人・超人」とあるだけあって棋士の人柄に焦点が当てられており、著者の推察の鋭さも相まってノンストップで読んだ。著者加藤一二三の変人っぷりも面白く、読んでいて突っ込みたくなるところもたくさん。
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将棋の名人戦について加藤先生がエピソードを交えて語ってくれる一冊。実力制名人戦が始まってからの名人経験者全員と実際に対局したことがあるってのがすごいとしか言いようがないし、加藤先生の記憶力のよさというかエピソードの詳細さがたまらない。
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将棋を知らない人でも知ってる、「変人」加藤一二三。非常に大好きな棋士である。
独特の語り口で、大山康晴から羽生善治はもちろん渡辺明まで語る本。エピソードが経験した人間にしか書けないもので、貴重。特に渡辺明が、著者の三十年前の妙手を記憶していて質問してくるシーンは、非常にいい。それに対する答えも著者らしくていい。
とにかく五十年以上将棋に情熱をもやし続けて、引退に追い込まれもしていない強さを維持しているのは異常。
升田、大山康晴、中原誠、谷川の本も読んでみたい。
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若干14才にして将棋プロになり「神武以来の天才」と言われ、名人位を一期獲得している加藤一二三九段。御歳72にして未だに現役棋士として活躍しているが、そのせっかちな話しぶりと対照的に序盤から長考を繰り返す対局姿勢、将棋会館での対局時の食事メニューは昼食・夕食ともにうな重(最近は握り寿司)一本やりと、と話題に事欠かない棋士でファンも多い。
最近ではニコニコ生動画で将棋名人戦の対局開始から終局までの生放送をやっているが、今季の森内対羽生の名人戦の放送で加藤九段が登場した際には「ヒフミン」と視聴者に呼ばれ悦に入っている姿がなんとも好ましいものだった。(参考までにニコナマは名人戦の視聴率が極めて高く平日昼間でも30万人超が観戦しており、一般では視聴ができないほどの賑わいだ。登録会員でもプレミアではないとPC経由での視聴は厳しい。が一方でiPhone経由だと何故か比較的余裕があるみたいだ。)
そんな加藤九段だが、名人位が実力制になった昭和10年以来誕生した名人は此処まで僅かに12名で加藤もその一人なのだが、残る11人と実際に対局経験のあるのは恐らく加藤一人であろうと言う。その貴重な盤を挟んだ生身で感じた夫々の名人の特徴をまとめたのが本書で、まさに加藤で無くては書けない貴重な書だ。
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「神武以来の天才」と呼ばれたヒフミンこと加藤一二三氏の書いた名人戦にまつわるエピソード。世襲制から実力制へと提唱したのは13世名人だった関根金次郎、そして初代実力制名人が木村義雄。それ以降、通算5期の資格獲得が必要な永世名人には、大山康晴、中原誠、谷川浩司、森内俊之、羽生善治と5名を数えるのみ。
初代名人の大橋宗桂が1612年徳川家康公から扶持を与えられてからはや411年。本書は名人生誕400年を記念して書かれた「名人血風録」です。将棋を生業とする奇人、変人、超人のエピソードが楽しめます。
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本書は「将棋名人」が誕生して400年目を迎えた2013年に発行され
た作品だ。でも、私は将棋が好きって訳じゃないんだな。本書の著者
が将棋界のレジェンド「ひふみん」なので購入した。
まるっきり将棋の知識はないけれど、「名人」となった棋士の名前な
ら何人か知っている。それでも、江戸時代に生まれた「将棋名人」
が世襲制だったなんてまるっきり知らなかったよ。
本書では世襲制名人から実力名人制になってからの、12人の名人
について、その棋風や人物を「ひふみん」が解説している。
それぞれの棋士との対戦の回想や、指し手に対しての分析もある
けれど、木村義雄から森内俊之まで、自分を除く11人の名人と
対戦している「ひふみん」は本当にレジェンドなんだわ。
将棋が分からないので勿論、本書の中に出て来る指し手もまったく
分からない。それでも「名人20年周期説」なんて面白かったな。
名人位を奪う新世代との年齢差が、大体20歳くらいなのだそうだ。
そうやって将棋界の時代が移り変わっているとか。
しかしな、このサブタイトルは内容に登場する名人たちよりも書いた
ご本人に一番ふさわしいのじゃないかな。いや、ご本人は非常に
真面目だし、心底将棋が好きなのだ。それでも、やっぱり「ひふみん」
伝説は語りたい。将棋を知らぬ私だって知っているのだもの。
本書でご本人も書いているが、対局中の昼食はうな重と決めている
「ひふみん」だが、まれに違った食事を注文すると将棋会館に衝撃
が走る。
師匠を逆破門したのも「ひふみん」。タイトル戦で旅館の滝の音が
うるさいからと止めさせたり、1分将棋でトイレ休憩を取ったり、
敬虔なクリスチャンで対局中に讃美歌を口ずさんだり。
う~ん…本の感想っていうより「ひふみん」伝説になってしまった。
「神武以来の天才」と言われた「ひふみん」。ヴァチカンから「騎士
勲章」を授与されて、以下の言葉。
「私は棋士ですが、このたびは騎士にもなりました。ヴァチカンに事件
でも起きれば白馬にまたがってはせ参じなければいけません。」
ああ、白馬に跨った「ひふみん」、見てみたいような。
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最近バラエティ番組でもおなじみのひふみんこと加藤一二三九段が、歴代の名人を分析した一冊。
木村14世から羽生・森内・佐藤まで対戦したことのある棋士は彼しかいないということもあり、その分析は正鵠を射てるように感じた。
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さすがに現在73歳の老棋士の著作だけあって話が古い・・・^^;
でも物言いがはっきりとしているし、将棋を愛する気持ちがひしひしと伝わって来て読んでいて心地良い。
度々自画自賛をする描写があるのは誰よりも長く深く将棋の道を追求して来た自負があるからだろう。
その求道心において、自分に勝るとも劣らない歴々の棋士(升田、大山、中原、谷川、羽生、渡辺ら・・・)に対する敬意も感じられて益々心地良さを感じた。
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神武以来の天才と謳われる加藤一二三九段渾身の書き下ろし。
中学生プロ棋士はこれまで4人しかいない。
著者加藤一二三九段、谷川浩司九段、羽生さん、渡辺明竜王である。
その筆頭格の加藤九段が棋界のスーパースターを語るのだから
興味深いのである。
Posted by ブクログ
将棋の名人位は、徳川家康が大橋宗桂に俸禄を与えたのが始まりで、名人が誕生して400年になるのだそうです。世襲制であった名人制度が、実力制にかわったのが昭和10年のこと。以来、実力制名人の座についた棋士は12名いらっしゃるそうです。著者自身、第6代名人であったわけですが、すべての名人と対戦経験をもつのは、おそらく著者ただひとりだそうです。本書はそんな著者の回想と、当時見聞きした将棋界の出来事を綴ったものです。タイトルに〝奇人・変人・超人〟とありますが、勝負師として生きる人たちの執念や気概が、そうでない一般世間の人々の目には、奇妙に映るのでしょうネ。自分は将棋を指しませんが、勝負師としての棋士の生き様には興味津々、心惹かれるものがあります。中にはもはや伝説と化した有名なお話もありますが、これから伝説になるであろう事柄などにもふれられていて、とても面白かったです。
Posted by ブクログ
加藤九段が見た、歴代名人の姿。本人を除く11人の名人すべてと対戦経験があるとは、加藤九段こそ将棋界の生き字引ではないか。
それにしても、11人のうちでの升田幸三の存在感が圧倒的だ。さすが、名人に香車を引いた男。93ページの写真も大迫力。