相原コージのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ギャグ漫画家が描くシリアスというのは、なんと言うか抑圧されていたものをブチ撒けるように鬱で凄惨なものになる傾向にある気がする。幸せな人間に喜劇は書けないと聞いたことがあるが、そのとおりなのかもしれない。このムジナという作品もそうだ。下ネタとギャグ要素と漫画的実験を大いに取り込んでいるおかげで何とか挫けずに読みきることが出来たけれど、そのストーリーはつくづく救いもなく重苦しい。最終回の一コマを見たときにあったのは安堵感でも爽快感でもなく、ただこれからの行く末を想像して悲しくなるばかりだった。それでも好きな人と一緒に生きていければ幸せなのかなぁ。