野口武彦のレビュー一覧
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封建社会存続のための最後の砦として、持ち前の政治能力とカリスマ性を駆使して針の穴に糸を通すようなギリギリの勝負を仕掛けたが、時の運に見放されて敗れ去った慶喜公の前半生を評した本。幕府内の有力者にも味方はほとんどおらず、無責任な期待をただ押し付けられるだけ、という状況の中、数少ない身内を固めて、一会桑(一橋・会津・桑名)だけで途中までは互角の勝負をしたのは天晴、というのが正直な印象。そもそも、徳川将軍でありながら、数百人の護衛兵の調達に苦慮している時点で、時の運に見放されているとしか言いようがない。(結局、水戸藩の浪人や農民で護衛隊を急造した)
14代将軍・徳川家茂の後見人として、政治の表舞台に -
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「歴史にイフはない」なんて誰が言ったのか――幕府の命運を決した慶応四年(一八六八)一月三日から六日にかけての四日間の戦いは、さまざまな偶然に満ちている。なぜ幕府歩兵隊の銃は装弾していなかったか、吹きつける北風は幕府軍にどう影響したのか、そして慶喜の判断はなぜ揺れ動いたのか――誰もがその名を知っているけれど、詳しくは知らないこの戦いをドキュメンタリータッチでたどる。(2010年刊)
プロローグ 鳥羽伏見の墓碑銘
第一章 開戦前夜
第二章 伝習歩兵隊とシャスポー銃
第三章 鳥羽街道の開戦 戦闘第一日目
第四章 俵陣地と酒樽陣地 戦闘第二日目
第五章 千両松の激戦 戦闘 -
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ネタバレ江戸幕府に終焉を告げた最期の戦いであり、戊辰戦争の始まりを告げたまさに時代の転換期ど真ん中、鳥羽伏見の戦い。
意外なことに、この本が出るまで、この戦について体系だって書かれた文献はなかったそうです。
旧幕側の敗因はなんだったのか、もし旧幕側が勝つとしたら、勝っていたらどうなっていたのか、そういった歴史の「イフ」にも踏み込みながら、鳥羽伏見の4日間の戦争を、数々の史料の読み下し文と共に時間単位でドキュメンタリーのように綴っています。
内容はどちらかというと旧幕側寄りですが、薩長の官軍側に寄ったものが今まで多かったこと、それを裏付けたり覆したりする意図があることを踏まえれば妥当かと思いま -
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[ 内容 ]
ペリーに抱きついたマジメ学者、アメリカ女性にもてた少年通訳、先祖の悪名が気になる大名、殺しを愛した勤王家、机上作戦では必勝の指揮官、銃弾に散った旗本、クリカラモンモンの歩兵差図役…など三十八人。
歴史変動は万人が避けられぬ巨大災害だ。
切羽詰まった現場のナリフリ構わぬ姿にこそ人の器が出る。
いかに土壇場を切り抜けたか、あるいは切り抜け損なったか。
目が離せない幕末ドタバタ人物誌。
[ 目次 ]
第1章 急転(ことわられた密航―吉田松陰;ペリーに抱きついた男―松崎純倹;能ある鷹は爪を剥がす―岩瀬忠震 ほか)
第2章 狂乱(殺しのライセンス―岡田以蔵;昔はテロを辞さず―伊藤博文;幕 -
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[ 内容 ]
出世になりふり構わなかった学者、イヌを食えといった町奉行、文化のパトロンになった汚職官僚、江戸城内のイジメ、ぶらぶら遊び暮らす幕末のパラサイト、災害速報で売り出した男…など四十五人。
太平の世にもリスクはある。
当人たちが大まじめに生きる姿は、傍目にはコミカルで、かつ物悲しい。
歴史の素顔はゴシップに宿る。
江戸時代二百五十年を“陰の声”で綴った無類に面白い人物誌。
[ 目次 ]
第1章 黎明(大学教授の元祖―林羅山;島原に死す―板倉重昌;将軍機関説―酒井忠清 ほか)
第2章 爛漫(世直し大明神―佐野政言;老中直属情報網―松平定信;スカトロ宴会―水上美濃守 ほか)
第3章 風雲 -
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[ 内容 ]
黒船到来という外患が内憂に転じ、動乱期が始まった―。
激動期には、誰が政治権力を握るかが決定的な重要を帯びる。
本書で扱う安政期のキーパーソンは、部屋住みの庶子から幕府権力の絶頂、大老にまで駆け上がった井伊掃部頭直弼だ。
条約勅許、将軍継嗣問題、地震、インフレ、コレラなど難問が山積する中、京都朝廷の意向を無視して調印を強行し、反対派を弾圧することで自ら墓穴を掘ることになる…。
[ 目次 ]
第1部 安政内憂録(下田開港;便利屋役人;ひるがえる日の丸;伊豆の大津波;海上の遊牧民;爆発事故;お台場崩壊;水戸と彦根;日本橋と深川;江戸大風水害;講武所始まる;お茶坊主;井伊の赤鬼;スト -
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ネタバレ[ 内容 ]
「歴史にイフはない」なんて誰が言ったのか―幕府の命運を決した慶応四年(一八六八)一月三日から六日にかけての四日間の戦いは、さまざまな偶然に満ちている。
なぜ幕府歩兵隊の銃は装弾していなかったか、吹きつける北風は幕府軍にどう影響したのか、そして慶喜の判断はなぜ揺れ動いたのか―。
誰もがその名を知っているけれど、詳しくは知らないこの戦いをドキュメンタリータッチでたどる。
[ 目次 ]
プロローグ 鳥羽伏見の墓碑銘
第1章 開戦前夜
第2章 伝習歩兵隊とシャスポー銃
第3章 鳥羽街道の開戦―戦闘第一日目一月三日
第4章 俵陣地と酒樽陣地―戦闘第二日目一月四日
第5章 千両松の激戦―戦 -
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ネタバレ[ 内容 ]
どんな戦争も後世へのメッセージを残している。
長州戦争は徳川幕府の命取りとなった戦争である。
勝利した長州藩は、後に『防長回天史』を編纂し、この戦争を明治維新への大きな一歩と位置づけた。
しかし、幕府側はこの敗戦を総括するに至らず、敗戦の責任者すら明確ではない。
幕府はなぜ戦争に踏み切り、どう戦って負けたのか。
開戦前夜から敗戦処理までを克明に描き、長州戦争が現代に残したメッセージを読む。
[ 目次 ]
プロローグ 兵は凶器なり(長州戦争とは何か;長州戦争の開戦事情 ほか)
第1章 長州が朝敵になるまで(航海遠略策と公武周旋;尊攘激派の擡頭 ほか)
第2章 第一次征長―幕府の威 -
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[ 内容 ]
徳川幕府の生き残りを懸けたイチかバチかの天保改革が、幕末の幕を切って落とした―。
改革失敗、経済混乱、飢饉に火事に異国船、未曾有の事件が頻発する中、虚々実々の駆け引きに翻弄される幕府首脳の姿は、青雲の大志と権力欲が渾然一体となった政治の現実を教えてくれる。
尊王攘夷・倒幕開国のうねりが押し寄せる直前、黒船来航までを、さまざまな名珍場面でたどる、既成史観ではわからない幕末政界権力争奪史。
[ 目次 ]
第1部 天保政怪録(老中願望 セクハラ大名 三方領知替え 怪盗日本左衛門 ほか)第2部 嘉永外患録(大江戸金融事情 火元争い ワンポイントリリーフ イケメン宰相 ほか)
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