日高敏隆のレビュー一覧

  • 世界を、こんなふうに見てごらん

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    初めて日高先生の著書を読みました。
    「面白い」より「興味深い」という言葉がぴったりな本でした。
    10のエッセイと御退官時の講演を読み、考えることができます。

    意味が深すぎたのか一度では私の理解が追いつかず、何度も読み返す文がありました。それでも噛み締めるうちにじんわり染み渡ってくる、そんな内容です。
    イマジネーションとイリュージョン、自然の中での人間についてなど
    多くのことを考えさせられました。
    色々な問題が生じている現代だからこそ、日高先生の考え方やものの見方を
    あらゆる価値観の中の1つとして1人でも多くの人が共有できていると
    もう少し世の中に柔軟さが生まれるのかなと思います。
    私もいつか

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    2023年06月22日
  • 世界を、こんなふうに見てごらん

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    ・5度と30度?の気温の高低差の中で実験が成立するということ。両方が必要なんだ、という話が感動的だった。
    ・論理的に筋道立ててあとから説明することはいくらでもできる。人前で発表するならそうなるかもしれない。でも実際はふとした思いつきから入ってやっていく。それの方が自然だなと自分の感覚として思った。
    ・おまえはどこにいくの。その素朴な問いが、心を打つ。

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    2023年05月19日
  • チョウはなぜ飛ぶか

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    題名から飛び方とか仕組みの本なのかなと思って読んだが想像とはちょっと違ってた
    チョウ道のことは知らなかったのでおもしろかった
    うちにもベランダにレモンの木があって、数年前から春にアゲハの芋虫がつくようになったのだけど、屏より背の低いレモンの木にどうやって気がつくんだろう?ととても疑問だったので、そういうチョウ道から見えたか若葉の匂いがしたのかなと読んでてすこし納得できた

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    2023年01月24日
  • 世界を、こんなふうに見てごらん

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    生き方はひとつじゃない、自分にとって生きやすい生き方でいい。
    そのために、色んな生物の生き方から学んでみる。

    人間以外の生き物の視点を参考に、人生の選択肢を広げてみる。
    〝こんなふうに見てごらん〟

    生きるって大変なこと、だから、つい人間はなにかに頼ってしまう。
    科学とか、神とか、宗教とか、時には他者への過大な期待とか…。

    そんな不安定さを、支えてくれるのが、知性なのだ。
    知性とは、何もにも縛られない、やわらかな、生き物の持つ本当の力なのだ。

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    2023年01月11日
  • チョウはなぜ飛ぶか

    購入済み

    蝶は飛び、ヒトは歩く

    子どもの頃、ぼくはいわゆる昆虫少年で、昆虫採集に明け暮れていた。小学校の高学年になる頃には、蝶ばかり、それもアゲハ科の蝶ばかり追いかけていた。ちょうどその頃、この本が出版され、ぼくの本棚にやって来て図鑑の隣に収まった。
    残念なことに当時のぼくは、この本の面白さを十分に読みとって味わうことはできなかった。ただ蝶の美しさに魅せられていただけだったし、蝶がぼくの目の前を飛んでいたから追いかけていたのに過ぎなかった。
    しかし、なぜ蝶はそこを飛んでいたのか。飛びながら何をしていたのか、なぜそのような飛び方をしていたのか……?
    この本は、明らかにされた情報を知識として紹介する図鑑や解説書のような本と

    #タメになる #アツい #深い

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    2022年08月22日
  • 世界を、こんなふうに見てごらん

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    とても読みやすく、内容も共感できるところが多かった。自分の頭で考えること。なぜを大切にすること。自分の子供たちに読んで欲しい一冊。

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    2021年09月28日
  • 世界を、こんなふうに見てごらん

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    物事の見方、考え方の習慣を一新してくれる可能性のある本です。気になったところを転記します。◆「宙(そら)に浮くすすめ」人間は理屈に従ってものを考えるので、理屈が通ると実証されなくても信じてしまう。実は人間の信じているものの大部分はそういうことではないだろうか。いつもぼくが思っていたのは、科学的に物を見るということも、そういうたぐいのことで、そう信じているからそう思うだけなのではないかということだ。何が科学的かということとは別に、まず人間は論理が通れば正しいと考えるほどバカであるという、そのことを知っていることが大事だと思う。そこをカバーするには、自分の中に複数の視点を持つこと、一つのことを違っ

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    2021年06月23日
  • 世界を、こんなふうに見てごらん

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    良質な本という感じがぷんぷんするよ。ひと頃、「〇〇しなさい」調のタイトルをつけたビジネス・自己啓発書がたくさんあったけど、この本は「〇〇してごらん。ぼくはそういうふうにしてきたよ、こういうふうに考えているよ」と、動物行動学の第一人者でありながら独立独歩であった著者がやさしく示唆してくれる自己啓発書。「示唆」としたとおり答えがそのまま載っているわけじゃなくヒントをくれるような感じだけど、そのぶん広く適用できる知のヒントが書かれていると思う。
    響いたのは「正しく見えることと、ほんとうに正しいかどうかは関係ない」(p.47)とか「自分の精神のよって立つところに、いっさい、これは絶対というところはない

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    2021年05月08日
  • ソロモンの指環 動物行動学入門

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    1900年代前半に、ほぼ野生状態の動物と共に過ごしたすごい動物行動学を成立した人の自伝的なやつ。
    実際にその人が体験したエピソードがてんこ盛りでとてもおもしろい。ガンの鳴き声を把握して会話できてるのがもはやおとぎ話かのよう。

    そこらの沼から水をひとすくいしてアクアリウムを作るという話を読んで自分もやりたくなったが、今はそんな池や沼なさそうなんだよなぁ…

    肉食動物は、うなり合うだけで実際に殺し合ったり、弱い相手を殺すまで戦うということはなく、勝敗が決まった段階でもう争いは止まるものだが、ハトなど、相手を傷つける力を持たず、逃げ出す力を持つ動物を檻の中など「逃げられない環境」に置くと、弱いほう

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    2021年02月14日
  • ソロモンの指環 動物行動学入門

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    副題にある通り、動物行動学入門としての名著中の名著。
    学者らしく教養深く、かつ、自然動物への愛にあふれた文章に満ちている。
    科学的な姿勢と、ユーモアあふれる詩情豊かな表現が両立する事を教えてくれる。

    科学者のエッセイや文章というと、高度に知的である人の書くものでとっつき難いかもと思ってしまう。でも、この本はとても読みやすい。愛情深く自然と生き物に寄り添い、その自然のままの姿を愛するローレンツの文章は、特に泣かせにかかっているわけでもないのに、自然と涙が浮かんできた。ハイイロガンのマルティナの話は、とくに。

    ソロモン王の指環が無くても、動物を理解する事は出来るのだ。

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    2020年12月21日
  • 人間はどういう動物か

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    利己的な遺伝子、ホトトギスはどうやってホーホケキョ と鳴くのか。他のホトトギスから話して育てた鳥に、カラスの鳴き声を聞かせても興味を示さないが、ホトトギスの声には耳を傾け、学習する。環境か、遺伝か、というが学ぶべき内容が遺伝で決まっているのだ。

    その他、textureや倫理の話が印象的。
    視覚から触覚を感じる、texture. それを彼は冬から春の山に見出す。なんとも言えない、ふっくらとした春の色。

    青砂浜辺の美しさは、偶然により創り出されたもの。自然の倫理、人間の倫理、建築の倫理様々のものがあるが、どれかを通すのではなく、そのやりとりの中、共生の中で新しい美しさが生まれるのではないだろう

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    2020年12月17日
  • 世界を、こんなふうに見てごらん

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    私の気持ちを全肯定してくれる優しい本でした。
    幼い子に、読み聞かせてあげたい。
    なにより、リカちゃん人形にもふわふわのドレスにも興味がなくて、周りの女の子たちとの違いに、不安を抱いていた小学生の頃の私に読ませてあげたい。
    日高さんの他の著書も読んでみよう。

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    2020年10月14日
  • 日高敏隆 ネコの時間

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    猫と暮らして7年ちょっと、猫には自意識があるものと思っています(^-^) いったい、ネコは人間のことをどう思っているのだろう。人間の存在を気にかけていないようで、あきらかに人間になつき、そしてまったく依存しきっている(^-^) 動物行動学者、日高敏隆さん(1930~2009)「ネコの時間」、2017.10発行。動物は「死」の認識がなく、人間は「死の存在」を知り、人生の意味という美学に届いたとか・・・。でも、それぞれの生き物、人間には及びもつかないような、それぞれの世界で生を全うしてるんですね!

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    2020年08月26日
  • チョウはなぜ飛ぶか

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    どうやったら「なぜ」を解き明かせるのか。
    「なぜ」から「発見」までの試行錯誤の実験の様子がありありと描かれている。
    戦時中という厳しい環境の中でも、「好き」を貫き、担任の先生の「昆虫学をやるからといって虫ばかりを見ていてはだめだよ。まず本を読まなくちゃ。それには国語がいる。この虫は世界のどこにいるんだろう?それには地理がいる。いつから日本にいるんだろう?それには歴史がいる…」という言葉を受け、広く勉強し、「知る」ことを楽しんだ著者を見習いたい。

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    2020年08月11日
  • 世界を、こんなふうに見てごらん

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    ヤンデルさんのヨンデル選書にて購入。科学リテラシーなんて言葉すら吹っ飛んじゃう、本質的なものの見方。若い人向けかもしれないが、50過ぎのオッサンにもグサグサ刺さりました。
    解説が素晴らしい、それ以上の感想がないくらい。

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    2020年07月18日
  • ソロモンの指環 動物行動学入門

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    『はだかになり野生に帰って、野生のガンたちの群れの社会に溶け込み、ドナウの堤であるきまわったり泳いだりするのが、私の研究の本質的な部分を占めていた。なんと幸福な科学だろう』(P170)

    著者のコンラート・ローレンツは、オーストリアの動物行動学者。
    動物とともに生活し、刷り込みなどの研究を行い、ノーベル生理学・医学賞を受賞する。近代動物行動学を学問としての基礎を築いた。

    題名である「ソロモンの指輪」は、旧約聖書のソロモン王が「魔法の指輪をもち、獣、魚、鳥たちと語った」と(※これは誤訳で、正しくは「大変な博識で、獣、魚、鳥たちについて語った」なのだが)いう記述からとっている。
    読んでいる印象で

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    2020年05月14日
  • ソロモンの指環 動物行動学入門

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    高校生の時に、生物の先生に薦められて読みました。
    動物の行動学とか全く興味なかったし、そんな内容の本とは知らずに手に取りましたが、とても面白い内容でした。

    研究者とはいかなるものか、観察とはどうするものかが分かります。
    お勉強の本ではなく、タイトルの通り、動物と対話するため本です。
    作者の動物を観察するときのワクワク感や
    家のなかで動物を放し飼いにするために子どもを檻に入れたりなどちょっぴりクレイジーなところが楽しいです。

    昨今、ろうそくの科学が有名になりましたが、
    個人的には生物ばんのろうそくの科学的な位置にある本だと思います。

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    2020年02月14日
  • ソロモンの指環 動物行動学入門

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    すごく面白かった、特に魚の話が最高。
    ハトは衝撃的だった。
    人間だけがある種の感情や理性を持っているなんて考えは、おこがましいんだなと再認識させられた。
    人間だって結局動物でしかないんだあ。

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    2018年07月17日
  • ソロモンの指環 動物行動学入門

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    【動物と過ごす喜びと犠牲】
    動物と暮らすという覚悟とはこういうことだ! ということがひしひし伝わるエッセイ。

    動物学者の著者の目を通した動物行動の面白さは言うまでもなく、動物を観察するための狂気じみてるような努力も読みごたえあり。思わぬものに夜中叩き起こされる羽目になったり、ご近所からヤバい目で見られたりする悲喜こもごも。

    何度読んでも電車を乗り過ごすくらい、内容は折り紙つき。

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    2018年04月06日
  • ソロモンの指環 動物行動学入門

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    コンラート・ローレンツ(1903~1989年)は、オーストリアの動物行動学者。近代動物行動学を確立した人物のひとりといわれ、1973年にノーベル生理学医学賞も受賞している。
    本書は、研究エッセイをまとめたローレンツ博士の代表作のひとつで、1987年に邦訳が出版されている。
    題名は、偽典(旧約聖書の正典・外典に含まれないユダヤ教・キリスト教の文書)のひとつとされる『ソロモン書』に記された、あらゆる動植物の声までも聞く力を与えると言われる「ソロモンの指輪」の伝説を踏まえて、その指輪がなくても多少は動物の気持ちがわかるものだという意味を込めて付けられたのだという。
    本書には、ハイイロガン、コクマルガ

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    2018年01月27日