日高敏隆のレビュー一覧

  • カエルの目だま
    本書は、動物行動学の第一人者である日高氏の半世紀前に寄稿した文章をもとに作られている。
    カエル、オニヤンマ、ミズスマシが自分の目だまが一番だと自慢するおはなしであり、文章はリズミカルで読みやすい。
    科学絵本として読んでも面白いのだが、一人ひとりの良いところを見つけて大切に育てるという本書のテーマに共...続きを読む
  • 日高敏隆 ネコの時間
    やはり、この方の文章は読みやすい。そして楽しい。
    専門の昆虫についてのものが多いが、その他の動物についてのものも、どれも、着眼点が面白い。
    言われてみれば、確かにどうしてだろうと思うことを取り上げてくれる。
    また、他人の研究でも、知り得たことを素直に考察し、エールを送る。飽くなき好奇心を持ち続けてい...続きを読む
  • ソロモンの指環 動物行動学入門
    ジャッカル系とオオカミ系
    ジャッカル系はどんな人にでもなつくが、オオカミ系は最初に主人だと思った人にしかなつかない。
  • なぜ飼い犬に手をかまれるのか 動物たちの言い分
    日高敏隆さんの「なぜ飼い犬に手をかまれるか」、2009.10発行です。タイトルの名前は本の内容を表していないと思います。いろんな動物たちの生態が面白く描かれています。日頃目にしている様々な生き物をとても身近に感じることが出来ました。これから寒い冬、「越冬」、大変なことですね。「食物」と「安全」、生き...続きを読む
  • 人間についての寓話
    岸田秀の雑文集のようなものに収録されていた本書の解説に紹介されて読んだ。代理本能論について書かれているところは意外と少なくちょっとあてがはずれた感じであったが、しかしながら著者の専門であるとこのチョウについての生態など興味深い話も多数ありもう四十年前のものなので、本人も書いているように現代の事情とは...続きを読む
  • 人間についての寓話
    著者40歳前後の作品。後年の落ち着いた丸みのある文章ではなく、挑戦的な尖った文章が面白い。他の動物から切り離して人間が特別だとする見方の無意味さを指摘している。その意見に賛成。
    蝶のサナギの保護色に影響する要因を調べるために、何百匹もの幼虫を捕えて体の節単位に糸を結んだり、神経節を取り除いたりする作...続きを読む
  • 動物の言い分 人間の言い分
    古本で購入。

    動物行動学の専門家である著者が語る動物エッセイ集。
    動物も人間も“今そうなっている”のにはちゃんと理由があるんだよ、という動物と人間の「論理」がテーマになってます。

    小ネタが満載でなかなかおもしろい。
    「左ヒラメの右カレイ」とは言うが、ヌマガレイはカレイ科なのに左側、シタビラメはヒ...続きを読む
  • もっとウソを! 男と女と科学の悦楽
    いきなり性の話で、しかも表紙がこんな感じなので、借りるのが若干恥ずかしかったけど…
    生殖の話は生物学的に必ず通る道だし、女として生きていても大体通る道だし、やっぱり面白い。
    遺伝的に適応してきた多様性の話も興味深い。

    科学とは「その時点におけるもっともレヴェルの高いウソである」という見解もなるほど...続きを読む
  • カエルの目だま
    文章は、4、4、5や、7、5になっていて、音がいい。絵も綺麗でいい。あとがきにもあるが、トンボの複眼を人間の目が集まったように描いてあるのをどうとらえるか。という問題はある。実際は違うんだよ。と一言いってあげればよいだけなのだが。
  • なぜ飼い犬に手をかまれるのか 動物たちの言い分
    新聞に連載したエッセイを集めた本。
    短いので、気楽に読める。

    虫の越冬のしかた、ヤモリがなぜ壁を這うことができるか、美形のサギが万葉集に登場しない理由の日高流解釈などが面白かった。


    『チョウはなぜ飛ぶか』『ネコはどうしてわがままか』の著者だけに、今回も疑問文タイトル。
    でも、「なぜ飼い犬に手を...続きを読む
  • もっとウソを! 男と女と科学の悦楽
    はじめの掴み方がよいです。
    下ネタってか性の話って、やっぱり男女問わず興味のあることなんじゃないですかね?笑

    もともと日高さんの研究分野も好きだし、本も読みやすいのでファンだったんです。
    で、この本は日高さんとその教え子の竹内さんとの対談なんですね。
    やっぱりお話も面白いと思ったし、考え方も素敵だ...続きを読む
  • ファーブル植物記 上
    子供たちに書いたというだけあって、興味深くわかりやすい比喩表現が満載。それにしても、人間が最上位だなんて、絶対にいえない気がする。確かに心の存在は大きいけれど、でも、この、植物達の驚くべき智恵、忍耐、献身、根気のレベルの高さはどうだろう。感動で幾度も胸が詰まりそうになった。
  • なぜ飼い犬に手をかまれるのか 動物たちの言い分
    [ 内容 ]
    大雪渓の雪の上を一生けんめい歩いている小さな黒い虫たち。
    彼らはどこからきて、どこへいこうというのか。
    雪の上に食べものはあるのか。
    日本を代表する動物行動学者である著者は、少年のころより生きものや自然とふれあいながら、じつにたくさんの疑問を胸のうちにためてきた。
    身近な犬や猫の行動か...続きを読む
  • もっとウソを! 男と女と科学の悦楽
    購入済み

    内容(「BOOK」データベースより)
    あなたはどこまで信じるか?ダイエットの本当の理由、精子と卵の隠れた闘い、戦略としてのファッション、天才科学者の仰天エピソード等々、京大動物行動学の師弟コンビが科学の本当の面白さについて徹底的に語り合った、知のエンターテインメント。
  • 生物から見た世界
    これは、相当に面白い本だった。
    コウモリやイルカは、超音波のソナーによって、人間には感知出来ない形で、周りの状況を三次元的に把握する。これは、人間にわからない感覚を、他の動物が感知出来る場合だけれど、その逆に、人間に感知出来るほとんどのものを、まったく感知出来ない生物もたくさん存在する。
    だから、生...続きを読む
  • 生物から見た世界
    僕は写真を撮る。写真撮影をやっていると、何を撮ったらよいものか、わからないという話を見聞きすることがある。写真撮影はカメラを構えてシャッターを切りさえすれば写真は撮れる。「何を撮れば?」その回答は「撮りたいものを撮れ」としか言いようがない。写真の内容そのものには主体性が必要ないから、写真撮影において...続きを読む
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    想像したほどは面白くない。「なぜ」を続けろ!?当たり前ではないか。それが許されなかった学問の世界があったとは信じられない。
    論文の書き方の話は面白い。思いつきからデータを取り、分かったとしても、推論から始めてデータを取ったと書かなければならない。しかしこれも無意識にやっていたかも。要するに私はこの著...続きを読む
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    動物行動学者のエッセイ。
    動物行動学は、動物を観察してその行動についてを研究する学問。モンシロチョウは下を飛ぶのに、アゲハチョウはなぜ高いところをとぶのか。花、メスに、どうたどりつくのか。

    正しい見方とはなにか、いろいろな立場からみてごらん。相対的にみてごらんと。

    とにかく読みやすい。軽い文体な...続きを読む
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    感想
    人間は何をしてきたのか。自然はいつでもそこにあり微笑む。人間が誕生するその前から。きっと受け入れてくれている。だから恩返しも必要。
  • 生物から見た世界
    ユクスキュル。生物を取り巻く主観的な環境を環世界と名付け、さまざまな生物達の環世界を例をあげながら解説する科学の古典。生き物それぞれ違った捉えかたというある意味当然のことを科学的に解説した名著です