日高敏隆のレビュー一覧

  • ソロモンの指環 動物行動学入門

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    品が良くて楽しく読める動物エッセイ。ノーベル賞までもらった学者さんなのだが、鳥だネズミだアクアリウムだとそれはもう種々雑多な動物たちと暮らしており、ほとんどムツゴロウっぽい。昔のおおらかさがいい感じ。

    最近の動物に関する研究でローレンツの系列に繋がりうるのはここらへんかな、と思い、本棚にあったテンプル・グランディンの「動物感覚」を読み始めた。

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    2021年05月22日
  • チョウはなぜ飛ぶか

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    学ぶことは、本来楽しいものである。ということを生き生きと語ってくれる本。
    小中高のつまらない授業とは全く違う、本物の実験が学べます!

    必ず答えがある学校の実験とは異なり、何度も何度も失敗と発見を繰り返しながらも、答えに辿り着かないまま終わる本の中の実験には衝撃を受けました。

    チョウには決まった道があるのではないか?という1つの仮説が多岐にわたる実験と、思いもよらぬ発見を生み出していく様は、人間の知りたいという気持ちにどれだけのエネルギーが込められているかということをまざまざと感じさせてくれます。

    時に学校に反発しながらも、学ぶことの楽しさを見失わず、自学を続けた著者。
    その姿を倣って、自

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    2021年02月16日
  • ソロモンの指環 動物行動学入門

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    ここまで動物と語り合える、信頼しあえるって素晴らしい。
    動物を飼うっていうより動物とともに暮らす。
    動物がなぜ人の心や動きがわかるか、それは人間が知らず知らずに教えているから。
    人は動物ほどには人のことがわからない気がしてきた。

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    2021年01月19日
  • 人間はどういう動物か

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    「人間はどう生きるべきか」ではなく、「人間とはどういう動物か」という視点で自然科学、動物行動学、哲学を描いた本。詳細を端折って丸めてしまっているところは読んでいてもやもやしたけど、ローレンツからドーキンスへの変遷はコンパクトにまとまっており、さらっと読むのにちょうどよかった。

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    2021年01月02日
  • 世界を、こんなふうに見てごらん

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    動物行動学者の本。“科学的”と表現することへの過剰な信用、見つめ直すようなエッセイ。日高先生の世界の見方は、ワクワクする見方だ。「なぜ?」を大切にしたい。

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    2020年06月29日
  • ソロモンの指環 動物行動学入門

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    研究者というのは、こんなにも観察するものなんだなと。
    さまざまな動物と一緒にくらし、自分の快適な生活と引き換えにしてまで観察、研究。それが研究者にとっては喜びなのでしょうかね。ともかく、動物に対する愛情がとても感じられた。私には自分の生活を脅かされてまでの愛情はないから、こうやって本で読ませてもらってありがたいなと思った。
    楽して動物の事を知れるので笑

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    2020年05月15日
  • 世界を、こんなふうに見てごらん

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    「ネコはどうしてわがままか」「犬とぼくの微妙な関係」などの著者、動物行動学者、日高敏隆さん(1930.2.26~2009.11.14)著「世界を、こんなふうに見てごらん」、2010.1発行です。人間と人間以外の動物のたったひとつの大きな違いは「自分の死を考えないこと(知らないこと)」だと。人間だけが「死」を知っているんですね。母猫が死んでも、子猫はそばにじっといる。「星守る犬」の犬も同じでしたね。お父さんが死んでもずっと自分が死ぬまでお父さんのそばに。「死」と「美」の意識は人間だけのようです。

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    2020年05月14日
  • 世界を、こんなふうに見てごらん

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    良かった。著者の考え方を伝えるエッセイ。
    文体が自然で柔らかく、部屋で目の前にいる著者の話をうなずきながら聞いてるかのような感じだった。水々しく世界の不思議に目を向ける姿勢を失わないようにしたいと思った。

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    2020年04月19日
  • なぜ飼い犬に手をかまれるのか 動物たちの言い分

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    日高敏隆さんが、自分の研究したことや知見をもとに様々な動物について4ページずつ書いている。これが結構面白い。
    読み終わる前から、妻にこの動物はこうなんだよとこの本から得た知識を披露してしまった。日高さんの実際の体験も豊富に盛られていて、ちょっとした動物歳時記という感じかな。生き物ってそれぞれ個性があって不思議なものだ。こういう本を読むと、地球に暮らしてる幸せを感じる。

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    2019年11月06日
  • ソロモンの指環 動物行動学入門

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    その後の研究等を吟味しないといけないが、当時の動物行動学の最先端を行く名著。間違いなくソロモン王より動物たちとの会話を実現した著者の神髄が語られる。自然を実感するのに必要なノウハウを赤裸々にした本作は永遠に読み、語られるべき良書。人とヒトとの間に交わされるべき会話・対話の根幹も詳らかにしているようである。

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    2019年10月30日
  • 日高敏隆 ネコの時間

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    このシリーズはなにより装丁が素敵で、本棚に並んでると嬉しくなる。
    日高先生、この人の文章は読む前からあたりってわかりきってるから、うれしい。猫に限らず、様々な生き物の世界を教えてくれるエッセー。世界の広がりを教えてくれるようで、わくわくさせられる。

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    2018年12月29日
  • ソロモンの指環 動物行動学入門

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    短かに接する動物たちにも知らなかった楽しい習性がたくさんある事をユーモア溢れる事例から教わることができた。近所にいるカラスやペットの犬、動物園ののんびりしたライオンなどこれまでより見る事が楽しみになった。

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    2018年12月24日
  • 生きものの世界への疑問

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    ダーウィンの呪縛というか、わかっていても生物の進化をシームレスなものと考えてしまう。
    人類は未だ新しい(品種ではない)種の誕生を目撃していない(発見はある)し、進化論の仕組みを解明してはいない。突然変異と自然淘汰では説明出来ない、いや何万年のオーダーでは説明できるのか?ということを数々の事例からわかりやすく説明してくれる良書。

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    2018年09月25日
  • カエルの目だま

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    本書は、動物行動学の第一人者である日高氏の半世紀前に寄稿した文章をもとに作られている。
    カエル、オニヤンマ、ミズスマシが自分の目だまが一番だと自慢するおはなしであり、文章はリズミカルで読みやすい。
    科学絵本として読んでも面白いのだが、一人ひとりの良いところを見つけて大切に育てるという本書のテーマに共感する。

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    2018年04月15日
  • 日高敏隆 ネコの時間

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    やはり、この方の文章は読みやすい。そして楽しい。
    専門の昆虫についてのものが多いが、その他の動物についてのものも、どれも、着眼点が面白い。
    言われてみれば、確かにどうしてだろうと思うことを取り上げてくれる。
    また、他人の研究でも、知り得たことを素直に考察し、エールを送る。飽くなき好奇心を持ち続けていることが伝わってくる。
    恐らくは自身への問いかけなのだろうが、こちらにも問いかけられているようで、はっとする。
    なのに、どこか温かい気持ちになるのはなぜなのだろう。

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    2018年03月28日
  • ソロモンの指環 動物行動学入門

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    ジャッカル系とオオカミ系
    ジャッカル系はどんな人にでもなつくが、オオカミ系は最初に主人だと思った人にしかなつかない。

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    2018年01月21日
  • なぜ飼い犬に手をかまれるのか 動物たちの言い分

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    日高敏隆さんの「なぜ飼い犬に手をかまれるか」、2009.10発行です。タイトルの名前は本の内容を表していないと思います。いろんな動物たちの生態が面白く描かれています。日頃目にしている様々な生き物をとても身近に感じることが出来ました。これから寒い冬、「越冬」、大変なことですね。「食物」と「安全」、生きとし生けるもの共通の一大事ですね!休眠、冬眠するモノ、寒さを意に介しないモノ、困り果てるモノ・・・。

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    2016年11月08日
  • 人間についての寓話

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    岸田秀の雑文集のようなものに収録されていた本書の解説に紹介されて読んだ。代理本能論について書かれているところは意外と少なくちょっとあてがはずれた感じであったが、しかしながら著者の専門であるとこのチョウについての生態など興味深い話も多数ありもう四十年前のものなので、本人も書いているように現代の事情とは多少違っているところもあろうが代理本能論については他の本であたってみるとして、これはこれでなかなかおもしろかった。

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    2016年01月30日
  • 人間はどういう動物か

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    人間が体毛を失った理由として、水生哺乳類説は化石の証拠が出てこないし、ノミ・シラミ説はゴリラやチンパンジーに付かないため考えにくい。体毛を失って発汗することにより長距離を走ることができることが狩りを有利にしたという説が有力だが、狩りをしない女性も体毛を失ったことが説明できていない。

    先進国で少子化が進んでいるのは、子どもに高等教育を受けさせることが結婚や孫ができる可能性を高めるが、その経費が大きいというコスト・ベネフィットで説明できる。

    言葉は概念を整理するためにできたのではないか。それがコミュニケーションにも使われるようになったのではないか。

    ローレンツは動物の攻撃性について、なわばり

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    2018年10月31日
  • 人間についての寓話

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    ネタバレ

    著者40歳前後の作品。後年の落ち着いた丸みのある文章ではなく、挑戦的な尖った文章が面白い。他の動物から切り離して人間が特別だとする見方の無意味さを指摘している。その意見に賛成。
    蝶のサナギの保護色に影響する要因を調べるために、何百匹もの幼虫を捕えて体の節単位に糸を結んだり、神経節を取り除いたりする作業を延々と繰り返すのが凄い。

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    2014年02月23日