日高敏隆のレビュー一覧
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ネタバレ一言、すばらしい名著である。故日高敏隆氏の名著の復刻盤。きれいなチョウの写真つきである。文章では幼いころからの疑問を淡々と”調べた”と記載しているだけだが、この調査にどれだけの長期間を要したのであろうか。チョウがこれほどまでに奥深い生物だとは知らなかったし、こんな疑問すら持たなかった自分が恥ずかしい。
”チョウはなぜ飛ぶか”との回答は実にあっさりしており、むしろその他の疑問の解決の方が多い。
でも、疑問に対してとことん究明していく姿は見習わねばならないと痛感し、自嘲しました。
”ソロモンの指環”同様、ひろくみんなに読んでもらいたいです。 -
Posted by ブクログ
ユクスキュルの「環世界」の話が刺激的で最高だった。ページ数は少ないが、世界の見方を根底から変えてくれる、極めて濃密な一冊だ。
特に、カタツムリの知覚スピードの話が心に残る。
客観的に見ればカタツムリは「ゆっくり」動いている。しかし彼らの主観(環世界)では、世界は人間よりはるかに速い速度で流れているという。
この話を読み、杖をつき一歩一歩確かめるように歩く老人の姿が重なった。
はた目には「ゆっくりとした足取り」に見えても、彼らの内側では、時間は恐ろしい速さで過ぎ去っているのではないか。
客観的な時間など存在せず、生命の数だけ異なるリズムがある。
この本を閉じたあと、身の回りの生き物や人々 -
Posted by ブクログ
著者と動物のエピソードが微笑ましい。
コクマルカラス可愛い。
ムツゴロウさんを思い出した。
最後のページに考えさせられた。
以外、抜粋です。
・自分の体とは無関係に発達した武器をもつ動物が、たった一ついる。しかもこの動物が生まれつきもっている種特有の行動様式は、この武器の使いかたをまるで知らない。武器相応に強力な抑制は用意されていないのだ。その動物は人間である。
・全人類が二つの陣営に分かれてしまう日も、やってくるかもしれない。そのときわれわれはどう行動するだろうか。ウサギのようにか?それともオオカミのようにか?人類の運命はこの問いへの答えによって決定される。さてわれわれは、いずれの道 -
Posted by ブクログ
リチャード・ドーキンスの《利己的遺伝子》の影響をかなり感じる一冊。全ては遺伝子が望んで起きていること。そして、その通りになることで全てが上手く回るのだ。
しかし、そんなアダム・スミス的、リベラリズム的な自由放任主義が最適解なのか…
『人間は本当に動物なのか?』
本の前提は人間も動物の一種であることのはず。だが、読み進んで行くうちに「そんな単純な話じゃない」と気がつく。気がついてしまった。
この場で、すぐに評価してしまうのは気が引ける。気になる以下の2冊の本を読んでからのまた考えよう.…
・リチャード・ドーキンス『利己的遺伝子』
・ジャック・デリダ『動物を追う、ゆえに私は動物である』