日高敏隆のレビュー一覧

  • チョウはなぜ飛ぶか
    動物行動学の本でありながら、どこかミステリのようなワクワク感を伴う本。解説の舘野鴻さんも言う通り、日高先生を主人公とする物語が、内側に展開していく。そして、謎解きを楽しみにしていると、まさかの結末を迎える。それこそが、生物研究のリアリティなのだろう。また、表題作とエッセイのコントラストも良い。45歳...続きを読む
  • ソロモンの指環 動物行動学入門
    非常にユーモアのある、動物に関する本だ。本書は、動物行動学をつくりあげてノーベル賞を受賞したコンラート・ローレンツ氏によって書かれた。
    もっとも有名でおもしろい例は、鳥類の刷りこみだろう。通常、人間を含むほとんどの哺乳類では、性的な愛の対象は遺伝に刻まれており、しかるべき時になれば適切な対象に気づく...続きを読む
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    480
    「子供の頃、芋虫と話がしたかった著者。おまえどこにいくの、と話しかけた。芋虫は答えず、葉っぱを食べはじめる。言葉の代わりに見ていて気がつくことで、気持ちがわかると思った。昆虫、猫や犬など動物とおしゃべりするには、観察が一番だとわかった。これが、いきものを見つめる原点。不思議と驚きにみちた世界...続きを読む
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    難しい文章ではないので、スラスラ読めましたが、ちゃんと読めていないんだろうなと思いました

    表面の言葉を読む内容の本ではないことはわかりました

    生き物の原点に触れている内容です

    アジアでもアフリカでも、人間が一度自然に手を入れてしまうと完全には元には戻らない

    手付かずの自然なんてないかもしれな...続きを読む
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    学ぶということはどういうことなんだろうと改めて考えさせられた。

    机に向かってペンを握ってノートを取るという学び方も素晴らしいし、自分の興味を持ったことをひたすら追求していく姿勢も、この本の著者も含めて一重に何か追い求める人達は素敵だと思いました。
  • 生物から見た世界
    生物の本であって哲学書のような本でした。

    生きた主体なくして空間も時間もないという哲学的な見解を生物学の観点から導くあたりは、素晴らしい。
  • ソロモンの指環 動物行動学入門
    ムツゴロウさんの様な人だったのでしょうか。
    あるいは、実在ドリトル先生でしょうか。

    動物行動学者であり、ノーベル賞受賞者でもあるのですね。
  • 生物から見た世界
    動物や昆虫から見た世界を知るのは、環境保護を考える上で重要なことだ。生物の話だが、読んでいるうちにAIのことを考えた。自分の視点を変えてくれる内容だった。
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    自分の考えに自信が無い。自分なりに調べてこうだと意見を持ったとしても、でもこういう見方もある、という思考がいつも頭の中にある。自分の中の意見や思考と、人の意見や思考を照らし合わせることで、より自分の思考を深めたいと思う。言葉になっていないことを言葉にしたいと思う。その一環として、読書をする。私は今、...続きを読む
  • ソロモンの指環 動物行動学入門
    著者と翻訳者、ふたりの動物学者による動物への愛に溢れたユーモラスな二重奏。

    動物行動学の第一人者で、動物の"刷り込み"の研究で知られるコンラート・ローレンツの1949年刊行の名作です。
    動物との微笑ましい交流と、動物の行動に見られる不思議さが描かれます。堅苦しさのない軽やかな文体で、エッセイのよう...続きを読む
  • 生物から見た世界
     各々の生物の視界すなわち環世界について考察した本である。人間が生きている世界は他の生物が感じ取ることはできない。その逆もまたしかりだ。

     人間の視界はあらゆる目的に沿って見えるものが分類されており、その分だけ様々な行動がとれる。一方、黒いものに反応するコクマルガラスや超音波を発するコウモリなどの...続きを読む
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    言葉が通じない生き物のことがわかりたい。ひたすら観察し考えてきた日高先生による、とぼけた味の鋭いエッセイ集。かつて『鼻行類』という、鼻で歩行する生物の生態をくわしく述べた真っ赤な嘘本を翻訳出版して、論理的首尾一貫性こそが科学であると信奉するひとたちをまんまと騙したこともあるのだった。
    「人間は、論理...続きを読む
  • 生物から見た世界
    よい本でした。読後に「手のひらを太陽に」(やなせたかし作詞、いずみたく作曲)が頭の中に流れてきました。

    人も大きな動物も小さな虫も、知覚や先祖の経験をもとに見える環境が異なり、それぞれが一つの世界を形成しているという内容。生物を通じて哲学を教えてもらった感覚です。

    生前のユクスキュルはドイツなど...続きを読む
  • 生物から見た世界
    いきもの達は、この世界をどう見ているのか?
    この問いへの手がかりが得られる本。
    環世界の中で自然が果たしている役割は矛盾だらけ、というメッセージが印象的で心に残った。
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    いきものとおしゃべりするには、観察するのがいちばんだ。引き込まれる冒頭の1文。
    何故?という疑問と観察から対象を知る。
    虫だけでなく、動物や植物を相手にする人、親、教育者、医療・介護職、様々な人が気づきを得ることのできる内容だと感じた。
  • ソロモンの指環 動物行動学入門
    読書会、面白いです。

    読書会に参加したことが無い、という方が大半だと思うので、すぐ共感してもらえるとは思わないのですが、少なくとも私にとっては10年近く続けている習慣になっています。
    テーマの本を1冊決める。参加者みんなでそれを読む。決めた日にカフェに集まる、そして意見を言い合う。

    これだけ。発...続きを読む
  • ソロモンの指環 動物行動学入門
    動物に関する深い愛情と畏敬の心、そして探究心が紡ぐ動物論文。髄分古い著作だが、今見ても新しさを感じる。
    今から動物を飼おうとする人、今も飼っている人はもちろん読むべき本だと考えるが、動物に興味のない人でもとても楽しく読めます。
    この本を読みながら無性に動物を飼いたくなって来たところタイミングよく「8...続きを読む
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    モンシロチョウは紫外線の夢を見るか?

    動物行動学者・日高敏隆先生による、動物行動学と自身の経験から得た「世界の見つめ方」を説いた本です。とても読みやすいエッセイ形式であり、最後には講演が収録されています。

    著者の日高先生は動物行動学者ですが、著作にふれるたびに科学者的ではなくてエッセイスト的だな...続きを読む
  • 生物から見た世界
    環世界という考え方。
    それぞれの生物が持つ、刺激としてのトーンを持つものしか環世界には存在しなく、したがってそれぞれの生物にとって見えている(捉えている?)世界は全く異なるということか。
    それぞれの生き物での時間の感覚が異なることを捉えた実験は面白かった。人にとっての一瞬は1/18秒らしい。
  • ソロモンの指環 動物行動学入門
    犬の賢さすごい
    動物がなつくことの微笑ましさと感動
    どういう生き物を飼育したらいいか習性を元に書かれていて参考になる
    作者のあくなき探究心