日高敏隆のレビュー一覧
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動物の生態を知りたくなったので読んだ。
動物行動学入門とあるがほとんどエッセイのような感じでさくさく楽しんで読める。
コンラート・ローレンツが多種多様な動物たちとともに暮らす中から見える動物たちの生態や行動、その意味するところとは。動物への愛に溢れる1冊。
普通に哺乳類がメインで出てくるものだと思ってたら、ハイイロガン、アクアリウム、コクマルガラス…といい意味で期待を裏切られた。
特にトウギョの話が面白く、ついYouTubeで動画を漁ってしまった。
また、8章の「なにを飼ったらいいか!」はペットに適した動物を紹介してくれる。現在飼われているような金魚、モルモット、インコなどをつまらないやつ -
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符牒にすぎぬ 尻のコピーは大きな乳房で、発情した性器のコピーは、赤く目立つ唇で… 一夫一妻という形式を保ちながら そもそも、なんで個人個人の基本的には性的な関係を国家に届け出て、その承認を求めねばならないのであろうか? 個体というのは早晩「摩耗」して死んでしまう 二つな細胞の合一ということから始まった性の現象は いったい何をディスカバー(発見)したことになるのだろう? 慄然 護岸工事 死出虫シデムシ 区別したい時は、昼のパピヨン、夜のパピヨンという。 蝶と呼ばれる鱗翅類は全て昼間活動する。蛾と呼ばれるものの大部分は、夜に活動する。 蝶は視覚的な鱗翅類であり、蛾は寧ろ嗅覚的な鱗翅類なのである。
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表題の通り、人間が一つの動物であるところに立脚点を置いて論を進めている。しかし、表題に対する明快な答は得られない。
トリビアとなりえる様々な事象を紹介してくれた点では非常に興味深い内容だった。しかし表題の答えを知りたいと思う読者にとっては、すこし回り道が過ぎるかもしれない。特に第二章「論理と共生」では都市計画に関する記述に終始している部分もあり、本題との関連性の低さを思わせた。
雑誌等に掲載された著者の短編を集めているので、内容の重複も多々ある。特に「利己的な遺伝子」に関しては何度も出て来て、しつこいようにも感じた。
ドーキンスをはじめ、様々な動物行動学の学説を概観できるという点では、お手頃な -
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ヒヨコが生まれて初めて見た動くものを親だと思う「刷り込み」の概念を確立したという学者の著書。様々な動物(ペットではない)と一緒に暮らし、その実際の行動をつぶさに観察している。
様々な記録が盛り沢山だが、動物の種による行動について特に細かい。中でも凶悪獰猛なイメージである肉食獣・オオカミに騎士道精神が備わっており、か弱くて大人しいイメージのウサギやシカは相手が両手を挙げてもこれ幸いに弱点を攻撃しまくり死ぬまで戦う、というエピソードが面白かった。人間のイメージというのは実に勝手なものである。
あとイラストがかわいかった。線が細いがしっかりしててトーンの貼っていないリアルなイラストである。 -
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ネタバレ「なぜ」を大切に。
動物行動学という、それまでの権威から否定されていた分野。科学とは何か。「なぜ」を問い続けることの大切さ。理屈で詰められると、本当はそうではないことを受け入れてしまう。それほどにすっきりわかることの危険性は大きい。ここらへんは戦中戦後を過ごしてきた人の感覚だな、と思う。なんだかんだ理屈をつけて、それを守らせていく社会だから。
世界は、生物は、そんなに単純なものではない。ひとつの法則だけで説明できるものではない。環世界という考え方。自分の周りの必要な要素だけが「環境」としてそこにある。
だから、見ていこう。「なぜ」と問いながら。 -
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気に入った部分。
おやは子どもを一生懸命教育した気になっているけれど、実は子どもはまったく別のかたちでそれを受け取っている。子どもは自分なりにしか吸収しないのだ。
教えた事をどう噛み砕き、自分のものにしていくかは干渉できない。投げたボールは投げっぱなしで良いのだ。受け取る、投げ返してもらうことを期待するのは傲りだと思う。
ハチドリやガ、チョウの話もとても興味深い。
ソロモンの指環でも感じたことだけど、研究者って好奇心が凄いよね。?があったらなぜ?どうしてそうなるの?こうしたらどう?を突き詰めていく。たしかに、のほほーんと生きていたら頭の成長はないよな。 -
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ノーベル賞受賞ローレンツ氏による
動物愛に溢れた動物行動学入門書
と言っても全く堅苦しく無いご自身の動物達との経験談…いえ研究内容だ
「居間に取り付けた檻の中で動物を飼っておく事は、知能の発達した高等動物の生活を正しくは知れない、全く自由な状態で飼うことを身上とする」
という主義を貫いてさまざまな動物達と暮らすのだが、それに伴う家族の犠牲やご苦労、ご近所への損害はは計り知れない
人ごとだからこちらは笑って読んでいられるが…
例)
・家の中で放し飼いにしたネズミ
そいつが家中勝手に走り回り、敷物の切れ端から巣を作る
・庭に干した洗濯物のボタンを片っ端から食いちぎってまわるオウム
・大型で -
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僕は割と動物が好きな方で、昔は犬、文鳥、シマリスなどを飼っていたし、僕なりに彼ら彼女らの生態、というか表情みたいなものには慰められたり、幸せな気持ちになったりもしてきた。
特に犬は笑うし、怒るし、目を伏せてしょげ返る。
あの時、母親にしかられてしょげ返った子犬が僕の所に助けを求めに来た姿は今でも覚えている。
さて、ローレンツ先生のこの本。
面白いか、と問われると「思った程では」と答えるし、つまらなかったかと問われると「いやいや面白かったですよ」と答える。
なんとも優柔不断な感想で申し訳ないのだけれど、これが正直なところ。
ただ、ローレンツ先生のように、動物に囲まれて暮らせたらどんなに楽しいか -
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本書も楠木建教授が戦略本30冊として取り上げていた1冊。残念ながら、「戦略読書日記」では取り上げられていなかったので、楠木教授の解説を読むことはできないのだが、どんな解説をしていただろうと想像しながら読みすすめた。
京大の名誉教授である日高氏と弟子の竹内氏の対談をまとめたもの。
「『知る』ためには、ストーリーが必要になるよね。『〇〇は××である』という話に『なぜならば』という理由が付いて初めて一つのストーリーができるわけ。そのストーリーをこちらが諒解して、納得するという行為がサイエンスなんだと、僕はずっと思っている。
『なぜならば』の部分をどういうふうに証明するか。その証明は時代によって内容 -