川上徹也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小説であり、実在の人物、書店が出てくるノンフィクション。
タイパ・コスパ・メリット・デメリットの世の中で忘れかけてた厚い人情の記録でもあり、骨太な小説としての面白さもしっかりあった。
いまの人間関係って、どうしても真っ先に損得の話になりがちじゃないですか。
「これをやったら自分にどんな得があるか」「誰と繋がっておくのがコスパいいか」。みんな頭のどこかでそういう計算をして動いている気がする。
でも、この作品が描いているのは、そういう計算とは真逆にある「人と人との繋がり」の話
主人公の理香の素直さと仕事に対する姿勢が本当に素敵。
自分がやらかした失敗をちゃんと受け止めて、それを引きずって終わるんじゃなくて、次の仕事にちゃんと活かして人間関係もきちんと構築していく。自分以外を巻き込んで作り出す成功に喜んだり、失敗しても腐らずに次はこうしようとか、泥臭く工夫して前に進んでいく姿がものすごくリアルで、どんなビジネス書や小手先の自己啓発本を読むよりも、ずっと「働くこと」の芯を突いている気がした。
帯にも書いてある通り、小林書店はもう閉店してしまっています。文庫版ではその閉店時の様子が載っていて、このシーンがまた本当にもうこみ上げてきてダメだった。
自分と、仕事とか自分に関わる人と真っ直ぐ向き合わなきゃって背筋が伸びる、じわじわと胸に熱が残る、作品でした。 -
Posted by ブクログ
すごく面白い!素晴らしい本でした。書籍の取次と書店のことも勉強になりましたし、働く上で大切なことは何なのか、小林さんの数々のリアルエピソードから学びを得られる作品です。町の本屋さんって本当に見なくなりました、以前実家近くにあった書店も潰れてしまいました。きっと多くの苦労や戦いが各書店にはあったのだろうと、本作を読んで改めて感じた次第です。自分は本は書店でしか買わないのですが、書店の大小はあるものの本を売る為にきっとどの書店も試行錯誤しているだろうなと。いずれにしても本作は、物語全体が温かい雰囲気に包まれていて、読んだ後はなんとなく優しい気持ちになるようなそんな作品でした。そして「また本屋へ行って新しい一冊を探してみたい」という気持ちにもさせてくれましたし、本を読むことの楽しさや、人とのつながりの大切さを改めて感じられる作品でした。本が好きな人なら読んで損は無い一冊だと思います。
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Posted by ブクログ
ノンフィクションにフィクションを混ぜ合わせた、本当に素晴らしい本でした。
読んでただ面白い、というものではなく、たくさんの学びをもらいながら、温かい涙が自然に流れてきます。
フィクションの部分では、大手の取次社に就職した新人の女性が、小林書店の由美子さんに励まされ、過去の出来事から多くの学びを得ながら、人間としても社会人としても成長していく姿を見続けられるのも本当に良かったです。
町の本屋さんは今では本当に少なくなりましたが、その灯を消さないためにも、ニッチな趣味になりつつある読書人口を増やして支援できる方策はないか考えたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』の加筆改題版。仕事で大切なことどころか、生きていく上で大切なことが凝縮されているような一冊。これから社会に出る若者たちだけでなく、なんとなく仕事をし続けてしまっているベテラン世代にも、強く深く響くメッセージが随所に散りばめられている。好きなことをもっと楽しくできるように工夫しながら、志を同じくする人たちを巻き込んでいく。すると、みんなの「好き」が増殖して、いつしか社会に小さな波を生じる。その波は、必ずしも経済的な安定とか、社会的地位を約束するものではないかもしれない。でも、それに関わっている自分がやりがいと充実感と、なにより楽しいと感じられるなら、それはなんと豊かな人生だろう。
明日から、少し目線を上げて仕事に向かえそう。そんな気にさせてくれる貴重な一冊。 -
Posted by ブクログ
推しの一冊です。ある人のブログで紹介されており、読んでみたらストライクというかホームランだった。
小林書店は、兵庫県尼崎市に実在する(2024年に閉店)。本書は、その店主の小林由美子さんをモデルにした「ノンフィクション&ノベル」。
大手出版取次の「大販」に入社した新人女性が、小林さんと出会い成長していく様が描かれている。由美子さんとその夫の昌弘さん以外の人物や企業等は、一部の著名人を除きすべてフィクションである。そして、本書で語られる由美子さんと昌弘さんのエピソードは、実際のあった話が元になっている。だから「ノンフィクション&ノベル」。
2020年に単行本として出版されたときのタイトルが、「仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ」である。これを加筆修正し、最後に「5年後、あの日の続き」を加えて文庫化された。もとの題名のとおり、仕事で大切なことを教えてくれる本と言える。 -
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インフレ時代に勝つ!「高くても売れる」ために必要なたった一つの視点
「高くてもバカ売れ」の裏側には、必ず物語がある
こんにちは、植田仁です。
「高いから売れない」 「値上げしたら客が離れる」 そんな言い訳が通用しない時代が、ついに来ました。
物価も人件費も上がる。 それでも価格競争に巻き込まれない会社だけが、生き残る。
川上徹也さんの 『高くてもバカ売れ!なんで? インフレ時代でも売れる7の鉄則』は、 この厳しい時代を生き抜くための、まさに“生きた知恵”が詰まった一冊です。
「高い」ものが売れる理由
日本人は昔から、値段を下げて売るのが得意です。 僕自身、メーカー営業時代は「値引き」ばかりが武器でした。
でも今は、安いだけのモノなんて、どこにでもある。 ネットを開けばすぐに代わりが見つかる。
だからこそ大事なのは、「なぜ高いのに買うのか?」 川上さんは、たくさんの事例を挙げて、その理由を具体的に教えてくれます。
「物語」が人を動かす
印象に残ったのは、何度も出てくる「物語」の力です。
どんなにモノが良くても、説明が上手くても、 買う理由が弱ければ売れません。
逆に、「物語」があると値段の高さが逆に武器になる。
例えば、僕が好きな日本酒でも、 ただの「純米大吟醸」じゃ売れない。
「杜氏が米作りから仕込むこだわりの一本」 「小さな蔵が雪深い村で代々守ってきた伝統の味」 そういう背景があって初めて、「この値段でも飲みたい」と思わせられる。
「値引き」という麻薬に溺れない
起業してから痛感したのは、 値引きは最も簡単で最も危険な武器だということ。
安さで選ばれたお客様は、もっと安いところが出てきたらすぐに離れます。 川上さんの本では、そんな落とし穴をわかりやすいエピソードで教えてくれる。
価格でなく「価値」で選ばれるブランドをどう作るか。 その答えが、この7つの鉄則に集約されています。
今の時代に一番必要な経営者の覚悟
本を読みながら、 「自分の会社はどうだろう?」と考えずにはいられませんでした。
・商品にストーリーはあるか ・その価格に自信を持っているか ・スタッフ全員が同じ物語を語れるか
物が良いだけじゃもう足りない。 言葉にできない強みがあって初めて、「高くても売れる」。
だからこそ、経営者自身が一番覚悟を決めなきゃいけない。
「買う理由」を作るのがプロの仕事
この本を読み終えて、改めて思ったのは、 僕らの仕事は「物を作る」ことじゃない。 「買う理由を作る」ことなんだということ。
商品開発、接客、販促…すべてに通じる考え方です。
僕がやりたい「高くても売れる」商売
植田仁として、これからも心がけたいのは、 「物語で人を動かす」こと。
お客様の心を動かす商品には、必ず人の情熱や地域の誇りが詰まっている。
僕はこれを、全国の生産者や地域の人と一緒に作りたい。
例えば、同じトマトでも 「この農家さんがどんな想いで作っているか」まで一緒に届けたい。
それこそが、価格以上の価値になると信じている。
「高くても売れる」は誰でも作れる
最後に。 川上さんはこう書いています。
「高くても売れるのは特別な人だけの技ではない。 物語を語れる人なら誰でもできる。」
これは本当にその通りです。
値下げして苦しむより、 物語を磨いて価格を上げて、お客様に感謝される商売を。
そのヒントを、この一冊で学べました。 -
Posted by ブクログ
これもフォローしているかたの本棚で見つけた本。感謝です。
尼崎にある商店街の書店、小林書店。
書店の歴史や、お客さんのことを考えた由美子さんの話にも感動するが、小林書店のご夫婦のエピソードには、もう涙が溢れるばかり。主人公の大森理香は、困ったことがあると、小林書店の由美子さんに話を聞きに行く。由美子さんは、それについてアドバイスするのではなく、彼女に気づきのきっかけを与えている。その話が、小林書店の歴史であり、夫婦、家族の物語でもある。
小林書店のドキュメントだけではなく、大森理香という、ほとんど本を読んだこともない女性を取次先に就職させるストーリーを絡めたことで、小林書店だけでなく、彼女が担当する色々な書店のことが描かれることになり、物語が膨らんだ。
ここには、辞めざるを得ない書店もあるし、企画を成功させて売り上げを伸ばす書店もあれば、新しい書店の姿を模索する姿も描かれる。それぞれの立地や環境もあって、一概に成功するとは言えないが、イベントで盛り上げて、熱量を感じるところには人が集まる、というストーリーも良かった。由美子さんに教わることは多くても、企画などはもうちょっと悩んでから実現する様子が欲しかった気もするが。