紀田順一郎のレビュー一覧
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・紀田順一郎「古本屋探偵登場 古本屋探偵の事件簿」(創 元推理文庫)は旧版の一冊本を分冊にした書である。本書はその1、短編3編が入る。珍しく私は旧版を持つてゐる。買はな くても良いのだが、読み直すのならこの方がはるかに読み易いので買つた。そして読んだ。おもしろかつたのは言ふまでもない。この手の本を読むと私は愛書家ではないといつも思ふ。本好きではあるが決して愛書家ではない。第一、本の数が違ふ。 家の根太がどうのなどと考へることはない。最近は、新刊以外はwebで探すことが多い。以前は結構古書目録を見てゐた。ほとんど買ふことはないが、見るだけは見てゐた。言はば目の保養である。今でも古書目録を 請求す
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ネタバレ貧困層の生活について。後半は娼婦について書かれていて幅広いジャンルの貧困について書かれているかと思い込んでいたため割とざっくりしているんだなと思った。
昔はありとあらゆる概念がなく余裕もないので貧困層を切り捨てるのは当たり前のことなんだと思った。倫理観もなく人権もない。ようやく栄養学というものを知った程度。この状態から今の現代社会までよく進めたと感心するし少しづつ世の中は良くなっているんだなと思った。
他の国ではある残飯屋も昔日本にあったのは納得できる。ただ近親相姦や強姦が日常茶飯事で親子が夫婦になることもあったと書いてあるけど本来の夫婦は離婚するということなのか戸籍がめちゃくちゃなのかそ -
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近代史や書誌をテーマとした評論家で、読書論等の多数の著書を発表している紀田順一郎が、古今東西の書物の中から、「翼のある言葉」(=ドイツ語で“Geflugeltes Wort”。時と場所を超えて胸に飛び込んでくる言葉)を集め、その作者と原典を含む解説を加えたもの。
シュテファン・ツヴァイク『人類の星の時間』より~「一つの国民の中に常に無数の人間が存在してこそ、その中から一人の天才が現れ出るのであり、常に無数の坦々たる世界歴史の時間が流れ去るからこそ、やがていつかほんとうに歴史的な、人類の星の時間というべきひとときが現れ出るのである」
ソロー『森の生活(ウォールデン)』より~「目を内に向けよ。そう -
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明治から昭和初期にかけての東京の貧民・貧困を概観する。横山源之助「日本の下層社会」や森光子「光明に芽ぐむ日」など、当時の実態を克明に記した一級の資料を参照し、貧民たちがどのような環境に置かれていたのか、行政や資本家、社会運動家は彼らにどのような対応をしてきたのかを明らかにする。
そうして見えてくるのは、当時の貧困の、現代のそれとは比較にならないほどの過酷さ。極めて過酷な労働、飢え、病。衣食住のすべてが満たされないことが常態化した生活。
こうした人々が、東京には少なくない数存在していた。有名な三大貧民窟だけでそれぞれ数千人の貧民が住み、それ以外大小合わせて100以上もの貧民窟があった。
さらに、