嵐山光三郎のレビュー一覧

  • 文士の料理店
    文人たちの愛した料理と店を紹介している。
    「店」を紹介するガイドブックではなく、「文人とその食」を紹介する。
    1編ずつは短いが、文士の個性が余すところなく描かれていて、その作家をどう読もうか、という参考にもなる。
    舌が肥えすぎ、店主や客を人間観察しすぎ、事情を察しすぎ、と感覚の鋭すぎる文士たちはしば...続きを読む
  • 超訳 芭蕉百句
    芭蕉と言えば、わび・さびに象徴される美意識の人物を想像してしまうが、この本で描かれているのは野心満々で男色家で幕府の隠密を務めるという意外な一面だ。その真否は分からないが、新しい目で芭蕉の俳句を見直すきっかけになった。「芭蕉野分けして盥に雨を聞夜哉」「道のべの木槿は馬にくはれけり」「海くれて鴨の聲ほ...続きを読む
  • 山口瞳「男性自身」傑作選 熟年篇
    江分利満氏で感じた特有の空気感が、いよいよ周囲との死別や筆者自身の幕引きをもってそのままの形で萎みいく。

    リアルタイムで向き合っていた読者群の心中はいかばかりかだったろうか。
  • 山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇
    最近では週刊誌の漫画でさえ腰を据えて追いかけることもないが
    時代が噛み合えばこの週刊のコラムをその延長線上で毎週楽しみにしていたかもしれない。
  • 「不良中年」は楽しい

    楽しみ

    仕事で疲れたときに、家でゆっくり読むといい感じです。
  • 文人悪食
     近代文学者たちの「食」にまつわるおもしろエピソード、といった軽いものを予想して読み始めたが、なかなかの辛辣な表現に、うーん…と考え込むことが何度もあった。特にガス自殺をした川端康成。「マンションの一室でシューシューと鳴るガスをたっぷりと吸い、極限の悲しい喜びの味を満喫しながら死んだ。」とある。
     ...続きを読む
  • 芭蕉という修羅(新潮文庫)
    著者の『芭蕉紀行』も読んだ。芭蕉=隠密説は、彼の出身地が伊賀であることから得心できることだ。江戸時代は日本国内を旅することは、現代の外国旅行と同じだったろう。特に「おくのほそ道」紀行は、隠密旅の緊張感が伝わってきた。また、貞享暦『天地明察』や土芥寇讎記『殿様の通信簿』といった既読本につながる話題が出...続きを読む
  • ゆうゆうヨシ子さん ローボ百歳の日々
    以前ラジオに出演された軽妙な語り口を聴き、一度は手にしたい作家さんだと念じててやっと適いました。著者の母親ヨシ子さんは(現在102歳)62歳から俳句作りを始められ、その句を交え、起こるさまざまな出来事が綴ってあるエッセイです。(老母をカタカナでもじってあるのが彼らしい)ローボの日常を、平易な言葉で肩...続きを読む
  • 文人悪食
    食には人柄性格が現れるとよくわかる本
    さすが文豪、極端に振れた食生活が多くて読んでいて楽しい
    それより何より!嵐山光三郎、思ってたイメージと全然違ってびっくり、なんかステキな文章だった!
  • 文人悪食
    とても好きな作品。
    有名なエピソードも多いが、純文学が好きな人なら読んで損はないのではないか。お腹が減ってくる本。
  • 悪党芭蕉
    はじめ小説だと思っていたのだが小説じゃなかった。芭蕉論あるいは蕉門論。でもあまり俳論には
    深入りしていないところがいいのかもしれない。
    衆道関係の記述が多く、そこらアタリが著者の面目躍如というところだろうか。
  • 文人暴食
    一椀に白魚の泣き声を聞く(小泉八雲)、牛鍋は不良のはじまり(坪内逍遥)、快男児、酒を飲めず(二葉亭四迷)、牛乳屋茶人(伊藤左千夫)、山奥の怪人はなにを食うか(南方熊楠)、筆は一本、箸は二本(斎藤緑雨)、一膳の赤飯(徳富蘆花)、牛肉か馬鈴薯か(国木田独歩)、獄中で刺身(幸徳秋水)、うどんと蒲団(田山花...続きを読む
  • 文人悪食
    ビスケット先生(夏目漱石)、饅頭茶漬(森鷗外)、牛タンの塩ゆで(幸田露伴)、自己を攻撃する食欲(正岡子規)、萎びた林檎(島崎藤村)、ドブ板の町のかすていら(樋口一葉)、ホオズキ(泉鏡花)、『一房の葡萄』(有島武郎)、一汁一菜地獄(与謝野晶子)、最期に吐いた飯つぶ(永井荷風)、もの食う歌人(斎藤茂吉)...続きを読む
  • 文人悪食
    これは労作である。嵐山光三郎というと、テレビに出ている姿や「~~であーる」式の文体といった印象しかなく、こんなにまともな文章を書く人であるということすら知らなかった。

    本書では明治から昭和の文士37人を取り上げ、その生と死を食から分析うぃようとしている。

    小説や詩などの作品に登場する食べ物の記述...続きを読む
  • 栗本薫の里見八犬伝 シリーズ古典(8)
    すっごく面白かった!!!
    「"伏"を読む前に!」
    と思って手に取った 作品だったが
    本当に手にとってよかったと思っている。

    最初の伏姫の物語は有り得ないことの連続に圧倒されながらあっという間に終わってしまった。
    その後始まる八犬士の物語は偶然のような
    必然の出来事が積み重なり綴られていく…。

    ...続きを読む
  • 文人悪食
    一筋も二筋もいかない作家たち。
    教科書でしか知らない偉大な作家でも食を通すと、人間味が増してきます。
  • 文人悪妻
    明治~昭和あたりの奥さん列伝。世の「人妻」とはバリエーションに富んでいる…ような、いないような。嵐山さんの文章好きだわー
  • 文人悪妻
    嵐山大先生の「文人」シリーズ。国語便覧をお傍に置きながらどうぞ。

    明治・大正・昭和の人妻歳時記。文豪を影に日向に支えた妻や、自身が文豪として創作活動を続けた妻が総勢53名も!

    全員が全員、必ずしも世間一般的な意味での「悪妻」ではありませんが、己の美貌や才覚や運でのし上がったり不遇をかこったり、と...続きを読む
  • 文人悪食
    嵐山光三郎の印象は正直いまひとつだった。私の知る嵐山光三郎とはまるで異なる印象だ。人間、見た目だけで判断するのも、作品のみで判断するのも危険なのだな、と思った。
    とても面白く興味深い内容だ。
  • 文人暴食
    『作家にとって、食とは何か?食と作品どのようなかかわりがあるのか?』その疑問に鋭く迫った異色の作家、文学論です。読むもここまで調べたなぁという作者のの執念に思わず脱帽してしまいました。

    この本は『文人悪食』の続編になります。37人の文士・作家の食癖がこの本には取り上げられているんですけれど、「文人...続きを読む