文人悪食

文人悪食

小説・文芸
935円 (税込)

4pt

「何か喰いたい」臨終の漱石は訴え、葡萄酒一匙を口に、亡くなった。鴎外はご飯に饅頭を乗せ、煎茶をかけて食べるのが好きだった。鏡花は病的な潔癖症で大根おろしも煮て食べたし、谷崎は鰻や天ぷらなど、こってりした食事を愉しんだ。そして、中也は酒を食らって狂暴になり、誰彼構わず絡んでいた。三十七人の文士の食卓それぞれに物語があり、それは作品そのものと深く結びついている。

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文人悪食 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「食」の嗜好ということを通じて近代文学の名だたる作家たちを見つめ直すという異色の好著。泉鏡花が潔癖すぎて大根おろしを煮て食ったとか、太宰治はサケ缶に味の素をかけて食べていたとか、食の好みや食べ方、こだわりなどが、自分の持っている文人たちのイメージ通り「やはり」と思うものもあれば、作品からは知ることのできない意外性みたいなものもたくさんあって興味深い。

    0
    2026年03月11日

    Posted by ブクログ

    面白かったー!やっぱり文人という自分の中から生まれてくるものを糧に生きる人達は、自分の外から何を取り入れ、どう味わい、また外に出す為に咀嚼して糧にするかまで、常人レベルではない嗜好追求があるのですね。まさに食魔!!

    0
    2025年05月27日

    Posted by ブクログ

     近代文学者たちの「食」にまつわるおもしろエピソード、といった軽いものを予想して読み始めたが、なかなかの辛辣な表現に、うーん…と考え込むことが何度もあった。特にガス自殺をした川端康成。「マンションの一室でシューシューと鳴るガスをたっぷりと吸い、極限の悲しい喜びの味を満喫しながら死んだ。」とある。
     どの作家の生活ぶりも、身近に接するのは勘弁してほしいものばかりだが、それだからこそ書いたもの、書けたものがあったのだろう。それぞれの作品を読むときに読み返してみると、作品に対する見方が変わってくるかなと思う。

    0
    2021年05月22日

    Posted by ブクログ

    食には人柄性格が現れるとよくわかる本
    さすが文豪、極端に振れた食生活が多くて読んでいて楽しい
    それより何より!嵐山光三郎、思ってたイメージと全然違ってびっくり、なんかステキな文章だった!

    0
    2019年07月04日

    Posted by ブクログ

    とても好きな作品。
    有名なエピソードも多いが、純文学が好きな人なら読んで損はないのではないか。お腹が減ってくる本。

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    2017年10月14日

    Posted by ブクログ

    ビスケット先生(夏目漱石)、饅頭茶漬(森鷗外)、牛タンの塩ゆで(幸田露伴)、自己を攻撃する食欲(正岡子規)、萎びた林檎(島崎藤村)、ドブ板の町のかすていら(樋口一葉)、ホオズキ(泉鏡花)、『一房の葡萄』(有島武郎)、一汁一菜地獄(与謝野晶子)、最期に吐いた飯つぶ(永井荷風)、もの食う歌人(斎藤茂吉)、弁当行乞(種田山頭火)、金目のガマのつけ焼き(志賀直哉)、咽喉に嵐(高村光太郎)、幻視される林檎(北原白秋)、食うべき詩(石川啄木)、ヌラヌラ、ドロドロ(谷崎潤一郎)、雲雀料理(萩原朔太郎)、食っては吐く(菊池寛)、食魔の復讎(岡本かの子)、餓鬼道肴蔬目録(内田百閒)、鰤の照り焼き(芥川龍之介)、職業は支那ソバ屋なり(江戸川乱歩)、西欧式菜食主義者(宮沢賢治)、伊豆の海苔巻(川端康成)、檸檬の正体(梶井基次郎)、ランボオと穴子鮨(小林秀雄)、暗がりで弁当(山本周五郎)、鰻めしに死す(林芙美子)、蝕歯にともる洋燈(堀辰雄)、安吾が工夫せるオジヤ(坂口安吾)、空気の中の蜜(中原中也)、鮭缶に味の素(太宰治)、百味真髄(壇一雄)、屁のまた屁(深沢七郎)、むかしの味(池波正太郎)、店通ではあったが料理通ではなかった(三島由紀夫)…目次を眺めるだけでお腹一杯である。
    饅頭茶漬がたいへん気になりますぞ。ワタシも悪食か。

    0
    2014年02月20日

    Posted by ブクログ

    これは労作である。嵐山光三郎というと、テレビに出ている姿や「~~であーる」式の文体といった印象しかなく、こんなにまともな文章を書く人であるということすら知らなかった。

    本書では明治から昭和の文士37人を取り上げ、その生と死を食から分析うぃようとしている。

    小説や詩などの作品に登場する食べ物の記述はもちろん、日記など本人によるものを調べあげ、友人などのコメントまで集めている。

    0
    2013年02月21日

    Posted by ブクログ

    一筋も二筋もいかない作家たち。
    教科書でしか知らない偉大な作家でも食を通すと、人間味が増してきます。

    0
    2012年11月15日

    Posted by ブクログ

    嵐山光三郎の印象は正直いまひとつだった。私の知る嵐山光三郎とはまるで異なる印象だ。人間、見た目だけで判断するのも、作品のみで判断するのも危険なのだな、と思った。
    とても面白く興味深い内容だ。

    0
    2012年03月26日

    Posted by ブクログ

    『作家は何を食べて作品を書いてきたのか?』作家における食と作品をの関係をつづった本の第一弾です。どれもみんな個性的な方が多くて圧倒されます。

    これと続編である『文人暴食』の二つは札幌にいたころ、ずいぶんと読んだものである。この話は思い出すのも正直つらいのだが当時、僕は本当に食うにも事欠いた生活を送っていたので、せめて想像の中ではたらふくめしを食いたいというほんとうにほんとうに切実な日々が背景にあったというのが実情だが、なるほど、「食と文学」という視点で作家を見ると、これほど奥が深いのかと、この記事を書くために今回また読み返してそう思った。

    たとえば、谷崎潤一郎なんかはその見栄えや文体とおりのこってり、ヌラヌラしたものを好んだというし、森鴎外の好物はなんとご飯の上にあんこ入りの饅頭を二つに割って乗せて、その上にお茶をかけて「饅頭茶漬」としてさらさらと食べ、細菌学を専攻した関係から果物にいたるまで「なまもの」は一切口にしなかったそうである。

    そのほかにも、種田山頭火の「食と水と酒」の業に近い話や、坂口安吾の「わが工夫せるオジヤ」にまつわる話なんかが面白かったです。機会があれば、ぜひ読んで頂ければと思います。

    0
    2011年08月25日

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