【感想・ネタバレ】文人悪食のレビュー

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Posted by ブクログ 2021年05月22日

 近代文学者たちの「食」にまつわるおもしろエピソード、といった軽いものを予想して読み始めたが、なかなかの辛辣な表現に、うーん…と考え込むことが何度もあった。特にガス自殺をした川端康成。「マンションの一室でシューシューと鳴るガスをたっぷりと吸い、極限の悲しい喜びの味を満喫しながら死んだ。」とある。
 ...続きを読むどの作家の生活ぶりも、身近に接するのは勘弁してほしいものばかりだが、それだからこそ書いたもの、書けたものがあったのだろう。それぞれの作品を読むときに読み返してみると、作品に対する見方が変わってくるかなと思う。

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Posted by ブクログ 2019年07月04日

食には人柄性格が現れるとよくわかる本
さすが文豪、極端に振れた食生活が多くて読んでいて楽しい
それより何より!嵐山光三郎、思ってたイメージと全然違ってびっくり、なんかステキな文章だった!

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Posted by ブクログ 2017年10月14日

とても好きな作品。
有名なエピソードも多いが、純文学が好きな人なら読んで損はないのではないか。お腹が減ってくる本。

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Posted by ブクログ 2014年02月20日

ビスケット先生(夏目漱石)、饅頭茶漬(森鷗外)、牛タンの塩ゆで(幸田露伴)、自己を攻撃する食欲(正岡子規)、萎びた林檎(島崎藤村)、ドブ板の町のかすていら(樋口一葉)、ホオズキ(泉鏡花)、『一房の葡萄』(有島武郎)、一汁一菜地獄(与謝野晶子)、最期に吐いた飯つぶ(永井荷風)、もの食う歌人(斎藤茂吉)...続きを読む、弁当行乞(種田山頭火)、金目のガマのつけ焼き(志賀直哉)、咽喉に嵐(高村光太郎)、幻視される林檎(北原白秋)、食うべき詩(石川啄木)、ヌラヌラ、ドロドロ(谷崎潤一郎)、雲雀料理(萩原朔太郎)、食っては吐く(菊池寛)、食魔の復讎(岡本かの子)、餓鬼道肴蔬目録(内田百閒)、鰤の照り焼き(芥川龍之介)、職業は支那ソバ屋なり(江戸川乱歩)、西欧式菜食主義者(宮沢賢治)、伊豆の海苔巻(川端康成)、檸檬の正体(梶井基次郎)、ランボオと穴子鮨(小林秀雄)、暗がりで弁当(山本周五郎)、鰻めしに死す(林芙美子)、蝕歯にともる洋燈(堀辰雄)、安吾が工夫せるオジヤ(坂口安吾)、空気の中の蜜(中原中也)、鮭缶に味の素(太宰治)、百味真髄(壇一雄)、屁のまた屁(深沢七郎)、むかしの味(池波正太郎)、店通ではあったが料理通ではなかった(三島由紀夫)…目次を眺めるだけでお腹一杯である。
饅頭茶漬がたいへん気になりますぞ。ワタシも悪食か。

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Posted by ブクログ 2013年02月21日

これは労作である。嵐山光三郎というと、テレビに出ている姿や「~~であーる」式の文体といった印象しかなく、こんなにまともな文章を書く人であるということすら知らなかった。

本書では明治から昭和の文士37人を取り上げ、その生と死を食から分析うぃようとしている。

小説や詩などの作品に登場する食べ物の記述...続きを読むはもちろん、日記など本人によるものを調べあげ、友人などのコメントまで集めている。

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Posted by ブクログ 2012年11月15日

一筋も二筋もいかない作家たち。
教科書でしか知らない偉大な作家でも食を通すと、人間味が増してきます。

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Posted by ブクログ 2012年03月26日

嵐山光三郎の印象は正直いまひとつだった。私の知る嵐山光三郎とはまるで異なる印象だ。人間、見た目だけで判断するのも、作品のみで判断するのも危険なのだな、と思った。
とても面白く興味深い内容だ。

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Posted by ブクログ 2011年08月25日

『作家は何を食べて作品を書いてきたのか?』作家における食と作品をの関係をつづった本の第一弾です。どれもみんな個性的な方が多くて圧倒されます。

これと続編である『文人暴食』の二つは札幌にいたころ、ずいぶんと読んだものである。この話は思い出すのも正直つらいのだが当時、僕は本当に食うにも事欠いた生活を送...続きを読むっていたので、せめて想像の中ではたらふくめしを食いたいというほんとうにほんとうに切実な日々が背景にあったというのが実情だが、なるほど、「食と文学」という視点で作家を見ると、これほど奥が深いのかと、この記事を書くために今回また読み返してそう思った。

たとえば、谷崎潤一郎なんかはその見栄えや文体とおりのこってり、ヌラヌラしたものを好んだというし、森鴎外の好物はなんとご飯の上にあんこ入りの饅頭を二つに割って乗せて、その上にお茶をかけて「饅頭茶漬」としてさらさらと食べ、細菌学を専攻した関係から果物にいたるまで「なまもの」は一切口にしなかったそうである。

そのほかにも、種田山頭火の「食と水と酒」の業に近い話や、坂口安吾の「わが工夫せるオジヤ」にまつわる話なんかが面白かったです。機会があれば、ぜひ読んで頂ければと思います。

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Posted by ブクログ 2011年01月12日

自分では手に取らない本、というのがあります。
見た目と言うか、雰囲気と言うか、オーラと言うか。
私は自他共に認める乱読タイプで、広く浅くたくさん読むほうなんだけど、それでも、しらないうちにある一部分、まったく手付かずにすごしてしまったことに気付くことあります。

例えば、この嵐山光三郎の『文人...続きを読む悪食』はそんな私の手に取らないっぽいにおいのぷんぷんする本です。

人に紹介してもらわなかったら、手に取らなかった確率99パーセント。
だけど、うんとよかったです。
森鴎外や夏目漱石から林芙美子、坂口安吾など、近・現代を代表する作家の食生活、食癖からその素顔を垣間見よう、というような趣旨の本です。

やっぱり、「食べる」って、本能行動だから、ものすごく人間らしい素顔がのぞけます。
私の崇拝する三島由紀夫についても書かれていたのですが、綿密な下調べに基づいて三島由紀夫の食を明らかにした上での人間三島由紀夫の考察がすばらしい!
舌を巻くものでした。

「三島氏は、「虚飾と純粋」をあわせ持っていた人である。人並みはずれた嘘と、人並みはずれた真実を、魔法使いのように使い分けた。」

そうそう!そうなんですよ!
嵐山さん、話がわかるね!

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Posted by ブクログ 2010年08月17日

作家への愛情が伝わってきて、幸せな気分になります。
やはり、皆さん こだわり方がただものではないですね。

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Posted by ブクログ 2010年01月20日

文学の手引き。「暴食」もあわせて、電車で読めないくらい笑った。

何を食べて何を書いてどう死んだか。
話のネタにも最適。
人物と作品って別なのかどうなのか。
もっと古典読まないと、読みたい、と思う。

幸田露伴が格好良かったのが印象的。あと鏡花・・・鏡花ー・・・。
内田百閒はこっちだったか、暴食だっ...続きを読むたか。
菊池寛は、「六の宮の姫君」以来気になっている。

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Posted by ブクログ 2009年10月09日

個人的には暴食よりもこちらで取り上げられているメンバーのほうが好きだったりします。
ものすごい食生活なんだけども読んでいると食べたくなってしまうような。

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Posted by ブクログ 2010年03月26日

貴方の愛する作家達が、びっくりするような物を食べているかも知れない…食事の内容もさる事ながら、それを食べていたメンバーがとにかく凄い。
本は厚いが読みやすい。

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Posted by ブクログ 2024年04月18日

メディアマーカー時代に読んで以来14年ぶり再読。
1回目の感想---おお!なんかすっげー。妖怪悪食ってタイトルでもいいな。または人格破綻者列伝か。短編伝記としてもおもしろい。あまりにディープでおもしろいのにすらすら読めない。
700余の資料を読み、5年かけて執筆したそうだ。

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Posted by ブクログ 2021年12月05日

日本の名だたる文豪たちを”食事”というキーワードから徹底的に掘り下げ、彼らの人間性、そして作品への影響を綴ったエッセイ、というよりも一種の文学批評にすら思えてくる力作。

取り上げられるのは夏目漱石に始まり、三島由紀夫に至る37人の文人。日本の文学史を彩る超重要人物ばかりであるが、作品だけでは見えて...続きを読むこない人間としてのリアルな生きざまが垣間見れて純粋に楽しく、感嘆させられる箇所が多い。

一言で”食事”といっても文人たちの嗜好性は本当に千差万別である。谷崎潤一郎のように美食を愛したものもいれば、泉鏡花のように病原菌など生ものへの恐怖から大根おろしですら煮込む(!)もの、森鴎外のように饅頭をご飯の上に乗せてお茶漬けにして食べる独特の食習慣を持つもの、そして石川啄木のように豪華な食事を友人たちに奢らせるのを至極当然に振る舞うもの。そうした”食事”に対するそれぞれの嗜好は、自然と作品へと影響していくと考えても違和感はないだろう。

これを読んだ上で改めて文士たちの作品を読み返したいと思ったし、未読の作家・作品を読んでみようとも思った。日本文学の豊饒さを改めて実感した次第。

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Posted by ブクログ 2021年04月29日

高名な文学者を食の面から捉えた本。
それぞれの作家の生きた時代背景や育った環境などを窺い知ることができて面白い。

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Posted by ブクログ 2018年03月18日

『食』からすごくリアルな文人の人となりが明らかになるものだなぁと、楽しめた。貧乏なのに借金して牛鍋やらビフテキやら食べたり、同じく金のない同志にたかったり、酔うと正体をなくしてイメージぶち壊し。
肺結核で夭逝の文人も、清貧に生きていたわけではなく結構破天荒で、もっと知りたくなる。

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Posted by ブクログ 2017年05月06日

かの有名な森鴎外の「饅頭茶漬」をはじめ、教科書などでおなじみの「文豪」たちの食にまつわるエピソードを集めたもの。
何も考えず笑い飛ばしながら読める本。

飯テロになるかどうかは、個人による(何

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Posted by ブクログ 2014年08月28日

なにを好んだか、どういう場所へ行って食事をしたか、食の視点から明治の作家や三島由紀夫たちを斬っていく。
その切り込み方や、豪快な文体で、伝記を読まなくても文豪たちの内奥がわかったような気になれる説得力がある。
批評をこういう形でするのは面白い。

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Posted by ブクログ 2013年09月25日

昔の文人たちは良きにつけ悪しきにつけ、個性が、アクが強い。今の小説家たち(文人、文豪と呼べる人は居ない気がする)は、お行儀が良すぎる。時代がそうさせてしまったのかもしれないけれど。

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Posted by ブクログ 2013年05月08日

文豪と呼ばれた彼らはどのようなものを食べ、作品に影響していたのか。
作家間のつながりもわかるので面白いです。

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Posted by ブクログ 2013年04月22日

食にまつわる話はいい。わたしが好きな食本は高峰秀子「おいしいはなし」池波正太郎「散歩のとき、何か食べたくなって」内田百閒「御馳走帖」吉田篤弘「それからはスープのことばかり考えて暮らした」町田康「つるつるの壷」町田さんは天ぷらご馳走になるエピソードが秀逸。

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Posted by ブクログ 2013年05月11日

色々な文人の色々な食のお話。参考文献数にただ唖然とするばかりです。文人の裏話的性格などが書かれているので、話を読んで、その著作を読みたくなる作家、こんな人だったのか?と、読まないでおこうと思う作家、色々な先入観が出てしまいます。これから読んでみるかと思っている作家さんが出てくる箇所は、もしかしたら読...続きを読むまないほうが精神衛生上いいかもしれませんよ? そういった部分から離れて読むと、とても読みやすく、楽しめるエッセイです。

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Posted by ブクログ 2012年02月29日

いろんな作家について書かれているので、どういう作家について書かれているのかを把握して、それらの作家の書籍を読んでからこの本を読むともっと面白かったように思う。

クオリティが高い感じがする。文人ってのはぶっとんでるなぁというのがよくわかった。そんな一冊。作者のドヤ顔がなんとなく浮かんでくる。とてもよ...続きを読むく調べて書かれたのだと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年12月13日

文士の皆さん、どうしてこんなにも食にまつわるエピソードが豊富なのだろう。それが一番の謎。近代日本文学の有名どころをほぼ網羅しており、かつその一人ひとりがネタに事欠かないなんて。大抵の業界ではちょっとこうはいかないのでは。
全編を通して、作家の食を作品に上手く絡めて描いている。読んだことのある作家が出...続きを読むてくると、なるほどあの作品の背後にはこんな食べ物があったのねー、と膝を打つこともしばしば。まさしく"You are what you eat."である。文豪たちもものを食って生きる一人の人間だったんだなぁとしみじみ。おなかがすく。

ちなみにこの本、文壇の交友録としても読める。今更ながら、作家同士のつながりの濃さにびっくりした。同時代人はほとんど皆知り合い、といったご様子。
中でも、中也の絡み酒は笑った。以下、太宰治との会話。中也「なんだ、おめえは。青鯖が空に浮かんだような顔をしやがって。全体、おめえは何の花が好きなんだい」太宰「モ、モ、ノ、ハナ」中也「チェッ、だからおめえは」……理不尽にも程があるだろう。

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Posted by ブクログ 2019年10月01日

おばあちゃんから借りた本。
明治〜昭和にかけての文豪の食生活を通した生涯を追った本。
1人ひとりの作品を読んだ後ならより楽しめると思う。

個人的には個々の食生活よりも有島武郎がモテ男だったとか、与謝野晶子は12人のママだったとかいう事実の方がびっくりした!

あとは、芥川龍之介の作家の条件として①...続きを読む数学を学ぶべし、②体操を得意とせよ、③国語、作文をバカにすべし。
を見ていいなぁと思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年05月28日

とちゅうで、んー?と思うところ(いまいちよくわからないところとか、本当にそうなのか?と思うところとか)があってちょっと読み飛ばしたけど…
「狂気に陥らないために食にはまる」というのは、なるほど〜と思った。
これを読んで、読んでみたくなったのは谷崎と川端。

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Posted by ブクログ 2018年01月07日

読みごたえがありすぎて、どこから感想を書いていいやら……。
文豪の食生活以外の記述についても豊富。
あと、著者が実際世話になったからか、壇一雄の章の書き方だけ、なんとなく筆跡が柔らかな感じがする。

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Posted by ブクログ 2015年06月25日

知らない文人が多い。
食についての記載を楽しみに読んだけれど、文人を中心としてどんな生活をしていたのかを書いている。
そのため、対象の文人を知らないと、興味をもって読み進められなかった。

3割ほど読んで中断。

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Posted by ブクログ 2013年11月30日

半分ほど読む.

労作.
文人たちの食を丹念に読んでいる.
中には檀一雄のように実際に編集者として,交際のあった作家もいる.
必ずしも悪食ばかりとは言えないが,食へのこだわり,こだわりのなさは客観的に見ると滑稽で物悲しい部分があるのは確か.

私がちょっと勘弁してほしいと思ったのは,森鴎外.あれは食...続きを読むべたくない.

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