【感想・ネタバレ】文人悪食のレビュー

あらすじ

「何か喰いたい」臨終の漱石は訴え、葡萄酒一匙を口に、亡くなった。鴎外はご飯に饅頭を乗せ、煎茶をかけて食べるのが好きだった。鏡花は病的な潔癖症で大根おろしも煮て食べたし、谷崎は鰻や天ぷらなど、こってりした食事を愉しんだ。そして、中也は酒を食らって狂暴になり、誰彼構わず絡んでいた。三十七人の文士の食卓それぞれに物語があり、それは作品そのものと深く結びついている。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

文士の皆さん、どうしてこんなにも食にまつわるエピソードが豊富なのだろう。それが一番の謎。近代日本文学の有名どころをほぼ網羅しており、かつその一人ひとりがネタに事欠かないなんて。大抵の業界ではちょっとこうはいかないのでは。
全編を通して、作家の食を作品に上手く絡めて描いている。読んだことのある作家が出てくると、なるほどあの作品の背後にはこんな食べ物があったのねー、と膝を打つこともしばしば。まさしく"You are what you eat."である。文豪たちもものを食って生きる一人の人間だったんだなぁとしみじみ。おなかがすく。

ちなみにこの本、文壇の交友録としても読める。今更ながら、作家同士のつながりの濃さにびっくりした。同時代人はほとんど皆知り合い、といったご様子。
中でも、中也の絡み酒は笑った。以下、太宰治との会話。中也「なんだ、おめえは。青鯖が空に浮かんだような顔をしやがって。全体、おめえは何の花が好きなんだい」太宰「モ、モ、ノ、ハナ」中也「チェッ、だからおめえは」……理不尽にも程があるだろう。

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2011年12月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とちゅうで、んー?と思うところ(いまいちよくわからないところとか、本当にそうなのか?と思うところとか)があってちょっと読み飛ばしたけど…
「狂気に陥らないために食にはまる」というのは、なるほど〜と思った。
これを読んで、読んでみたくなったのは谷崎と川端。

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2019年05月28日

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