高橋和夫のレビュー一覧
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最近の情勢を扱った前半もいいけれど、第4章から先の、イランの歴史をたどるところが非常におもしろかった。
イラン人の祖先は、紀元前七世紀に歴史に姿を現し、メディア王国に服属していた。のちに指導者キュロスのもとに立ち上がり、オリエント全域を支配するアケメネス朝ペルシア帝国を建設。紀元前539年、バビロン攻略。紀元前330年、アレキサンダー大王に屈するも、これをきっかけにヘレニズム文明が花開くことになる。再びパルチア、ササン朝ペルシア帝国を立ち上げたが、今度はイスラム教を奉じるアラブに侵略を許す。イスラム教を受け入れたペルシア人たちは言語を手放すことはなかった。ペルシア語はアラビア文字で記述され -
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どうもよくわからないパレスチナ問題。
あちこちで「わかりやすい」という評判の本書を読んでみた。
とても簡潔に世界や宗教との関連、経緯を書いてくれているので確かにわかりやすい。
ただ、わかりやすさコンパクトさを追求したためか(いや、私の知識不足が一番の原因かも?)一度書いたことは理解されたものとして次の展開に進み、時系列が戻ったり、どんどん先へ話が進んだりするので、基礎知識の全く足りていない私はついていくのに必死。
途中で間をあけると流れを忘れてしまいそうだったので、一息に読んだ。
確かに理解できたのは、そもそもパレスチナ問題を作ったのはヨーロッパだったということと、アメリカが絡んでややこし -
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評価が高いので気になっていた本。
アメリカ大統領がまだバイデンさんの頃なので内容が少しだけ古め。
ハマスがどのような経過をたどって変化していったのかがよくわかった。
これまでの読書で得た知識もあり、タイトルのようになるほど!とまではならなかったけど、中東の戦争が私個人に関係してくるということも理解できた。
後半の内容はちょっと興味が薄れてきて何度かうたた寝してしまった。
印象に残ったのは、合衆国憲法が3期目の任期を一切禁じていることで、トランプ大統領がもう再選のために支持基盤に気を使う必要がないということ。
トランプの暴走が中東に与える影響が心配です。 -
Posted by ブクログ
1.この本を一言で表すと?
イスラエルとパレスチナの問題をわかりやすく解説した入門書。
2.よかった点を 3~5 つ
・「2000 年にわたるイスラム教徒とユダヤ教徒の宗教対立」、そうした言葉で語られることの多いパレスチナ問題。し
かし、この説明は間違いである。(p16)
→2000 年にわたる問題だと思っていたが、言われてみればその通りと思った。
・民族主義、帝国主義、イギリスの三枚舌(p17〜27)
→イギリスが紛争の種をまいたのは世界のいたるところにある気がする。
・パレスチナ問題の解決案(p68)
→私個人的にも二国家解決案しかないと考えている。
・アルジャジーラ(p100)
→こ -
Posted by ブクログ
なんとなく、最近、中東問題に関心があって(きっかけは忘れた)、新書を少しづつ読んでいる。
イラクに詳しい酒井さんの本を読んで、中東問題は、宗教、宗派の対立というより、欧米中心の国際秩序の矛盾のしわ寄せが中東にきていて、そこに国や民族ごとの経済的利益、安全などを求めたリアル・ポリティクス、ジオ・ポリティクスの問題なのだ、という視点を学びつつある。
あと、これまで中東といえば、パレスティナが問題の根源と思われていたのだが、いまやそれは問題の背景に下がっているという認識に驚き。
というなかで、別の著者のものも読んでみようと思って、こちらも読んでみたが、基本、大きな話は一緒なんだな〜。
こちら