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Posted by ブクログ
非常にわかりやすいパレスチナ問題 ・19世紀末に、民族主義、帝国主義の流れで、ヨーロッパのユダヤ人が建国を目指してシオン山のあるパレスチナに移住「シオニズム」。そもそも、ある宗教の信者であることをもって「○○人」と分類されるのはユダヤ人をおいてない。神に選ばれた人達であるという認識であり、ユダヤ教では布教は行わない。
・搾取なき社会という理想を目指すという理想もあり、その地に移住したら農耕も自分たちでするので、現地の人と共存することは難しい。
・パレスチナはもともとオスマン帝国が支配しており、複数の宗教・人種が問題なく共存していたが、第一次大戦で連合国側のイギリスが、同盟国側のオスマン帝国を混乱させるため、アラブ人には「フセイン・マクマホン書簡」で独立を約束し、ユダヤ人には「バルフォア宣言」で国家建設を約束し、フランスとは「サイクス・ピコ協定」で大戦後の領地分割を約束した。大戦後は、国際連盟の委任を受けてイギリスがパレスチナを統治した。ユダヤ人の建国が許されたが、シオニズムは低調であった。
・第二次世界大戦では、ナチスによるユダヤ民族の排除・虐殺が行われた。中東自体は、イギリス・フランスに対抗するドイツ寄りであり、ドイツの敗北により虐殺を免れたパレスチナのユダヤ人は、大戦後、反イギリス攻撃を開始した。終戦後、国際連合はユダヤ人に同情的な国際世論の中で、パレスチナの再分割決議を出した。シオニストはこれを受け入れ、1948年にイスラエルの建国を宣言した。ただし、従来の居住地を大きく上回る領土がユダヤ人側に与えられ、パレスチナ人やアラブ側はこれを拒否した。
・アラブ諸国側は反イスラエルで第一次中東戦争を起こしたが、これを機に中東最大の軍事力を有するイスラエルがパレスチナを凌ぎ、徐々にパレスチナの居住地を奪っていた。これに対抗する運動はインティファーダ「大衆蜂起」と呼ばれ、レバノン、エジプト、ヨルダン、シリア、イラン、イラクなどの周辺諸国やアメリカ、ノルウェーなどの各国を巻き込んで紛争が継続している。
・EUは徐々にイスラエルに批判的となっている。日本は1973年の第4次中東戦争の際にイスラエル側、非友好国と判断され石油の輸出をストップされた。ペルシア国のイランからの輸出は続いたが、このときアメリカに助けを求めたが断られ、田中首相の判断で独自に親アラブの立場を鮮明にした。
・日本はパレスチナ自治政府に対する最大の援助国の一つであるが、外交の怠慢・失態により和平推進カルテット(国連、EU、アメリカ、ロシア)に参加できていない。
Posted by ブクログ
チュニジアに始まったジャスミン革命が各国に飛び火し、世界情勢が予断の許さない状況になっている。こんなとき、該当国に関する、最近の書物に注目してみると、その書物自身も予断の許さない状況になっていることが良くわかる。このような変革を、どの程度事前に予期できていたかという、インテリジェンス能力が明るみに出てしまうのだ。
例えば、『チュニジアを知るための60章』という本。「政治外交と経済政策」という章を見ると、以下のような記述。
現在のチュニジアの安定が、ベン・アリー政治の強権的政治の産物としても、経済的豊かさを享受できる市民生活が営まれていることは認めなければならない。社会の安定は、欧州からの観光客を呼び込み、外国企業による直接投資などに好影響を与えている。今後チュニジア政治はどのように発展するのだろうか。経済発展とともに政治的民主化への期待も高まっている。
ちなみに、この本はチュニジアの歴史から文化まで幅広くカバーしており、読み物として非常に面白いのだが、2010年8月に発行されていることを考えると、上記の記述は少し残念だ。
一方で、『なるほどそうだったのか!! パレスチナとイスラエル』という本は、なかなか鋭い。以下「中東とイスラエル・パレスチナの関係」の章にあるエジプトの記述。
副大統領のムバラクが大統領に昇任し、その職に現在まで留まっている。エジプトはイスラエルとの平和条約は維持しているものの、エジプト国民の間では、対イスラエル友好政策は人気がない。両国間の観光や貿易も低いレベルにとどまっている。こうした両国関係は”冷たい平和”と形容されている。
ムバラクに対する国民の不満について示唆されおり、さらにこの後、エジプトのムスリム同胞団とガザ地区のハマスとの関係にも言及している。
本書を読むと、今回の一連の流れは、各国の固有の問題として起こった騒動が、情報伝達の発達によって連鎖しているのではなく、長年にわたる中東和平の問題と密接に結びついていることが良くわかる。また、本書の情報の見立てに間違いがなければ、今後、エジプト、ヨルダンの政情が変わると、ぎりぎりの均衡を保っていたイスラエルを巡って緊張が走る一幕を迎えることになるはずである。
さらに、本書で特徴的なのは、中東和平を巡るキーマンとしてノルウェーにフォーカスをあてていることである。ノルウェーは、イスラエルとは対ナチスへの被害者意識の共有から非常に関係が深い。そのうえ、天然資源に恵まれているため、石油供給源の心配をすることなく、PLOとも直接交渉をすることができたのである。そういった意味で、今後も、ノルウェーの動き方というのは注目に値する。
ちなみに日本は、パレスチナ自治政府に対する最大の援助国であるにもかかわらず、発言権はほとんどないほか、過去には大平・元首相(当時外相)が会談中に居眠りをして相手を激怒させるなどの失態もあったようである。
どのような状況であれ、国際的に存在感のあるプレーヤーであるために必要なのは、認識であり、姿勢である。関与しようとの姿勢がなければ、機会はただ過ぎ去っていく。インテリジェンスのある書物は、そんなことも示唆している。
Posted by ブクログ
イスラエル、パレスチナが最近話題になっていて気になり、読んだ。
ざっくり中東でなんか戦争してんだなーてことしか知らず、イスラエルとパレスチナの違いも知らなかったため、とても勉強になった。
ただ、10年くらい前の本なので、最新の情勢をまとめたものも読みたいところ。
読んで思ったのは、イスラエルとパレスチナ、どちらが正義でどちらが悪と簡単に断ずることはできない問題だということ。
民族主義による迫害や、イギリスの三枚舌外交が諸悪の根源だと思うが、今更そんなことを引き合いに出してもしょうがないしな。
日本人は基本単一民族の国だから感覚が分からないけど、いろんな民族が一つの国で和解し合うことはできないのだろうか。
また、この問題はユダヤ人とパレスチナ人の関係ももちろんだが、その他の国々のいろんな利害関係があり簡単に解決には至らないものだとも感じる。
Posted by ブクログ
パレスチナへのイスラエルの侵略の中、数年前の本だけど、パレスチナ問題におけるイスラエルの傍若無人ぶり、アメリカのユダヤロビーの強さ、イスラエル建国時のイギリス、フランスの酷さ、とりわけイギリスの諸行。パレスチナ難民を嫌がるアラブ諸国。イランとの関係。本書は数年前なのでアメリカの新しいユダヤロビーであるJストリートにアメリカ政治を変える希望を託しているように感じるけど、今だにアメリカはユダヤロビーに支配されていて拒否権を発動する。
パレスチナ問題はパレスチナ国家ができない限り解決しないけれど、イスラエルが既成事実を作ろうとしているので、仮に無理矢理つくったら今度はイスラエル人が強制的に移住させられることになるので、事実上不可能。解決策がない。
Posted by ブクログ
どうもよくわからないパレスチナ問題。
あちこちで「わかりやすい」という評判の本書を読んでみた。
とても簡潔に世界や宗教との関連、経緯を書いてくれているので確かにわかりやすい。
ただ、わかりやすさコンパクトさを追求したためか(いや、私の知識不足が一番の原因かも?)一度書いたことは理解されたものとして次の展開に進み、時系列が戻ったり、どんどん先へ話が進んだりするので、基礎知識の全く足りていない私はついていくのに必死。
途中で間をあけると流れを忘れてしまいそうだったので、一息に読んだ。
確かに理解できたのは、そもそもパレスチナ問題を作ったのはヨーロッパだったということと、アメリカが絡んでややこしくなったということ。
長きにわたり混乱してきた問題かと思っていたら、意外と古くないということ。
ニュースなどでよく耳にする言葉の意味もある程度わかるようになり、この3点だけでも読んだかいがあったというもの。
ま、まだまだ全然理解不足ではありますが。
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