高橋和夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
パレスチナとイスラエルの問題は宗教戦争だと誤解しがちですが、
ドラマ地面師のセリフではないですが、結局は陣取り合戦なのだな、と。
そこに「国」とか「民族」といった概念が入ってきてもうぐちゃぐちゃ…
それぞれに、それぞれの歴史があるし、同じ国に住んでる同じ民族でも目指すところはみんな同じではない。
イスラエル人とパレスチナ人だけの問題にせずに、その背景や関係各国のあり方・変遷にまで触れられてて非常にわかりやすい本だったと思います。また日本の外交にも触れられてて、改めてこの問題は日本にも深く関係しているんだな、と気付かされました。
個人的には「パレスチナ人が可哀想だから」とか「イスラエルの行動 -
Posted by ブクログ
非常にわかりやすいパレスチナ問題 ・19世紀末に、民族主義、帝国主義の流れで、ヨーロッパのユダヤ人が建国を目指してシオン山のあるパレスチナに移住「シオニズム」。そもそも、ある宗教の信者であることをもって「○○人」と分類されるのはユダヤ人をおいてない。神に選ばれた人達であるという認識であり、ユダヤ教では布教は行わない。
・搾取なき社会という理想を目指すという理想もあり、その地に移住したら農耕も自分たちでするので、現地の人と共存することは難しい。
・パレスチナはもともとオスマン帝国が支配しており、複数の宗教・人種が問題なく共存していたが、第一次大戦で連合国側のイギリスが、同盟国側のオスマン帝国を混 -
Posted by ブクログ
「中東イスラム世界の諸問題には、共通した構図があるように思えてならない。 一つめは、イラクやシリアのような人工的につくられた〝国もどき〟が持つ本質的な矛盾である。つまり本人たちの同意なく、多くの宗派・民族の集団が無理やりに一つの国境線に押し込まれたという現実である。 二つめは、アフガニスタンやイエメンが経験したような、伝統社会から近代社会へと移行する際の困難さである。両者の間を隔てる深い亀裂がある。アフガニスタンやイエメンは、この亀裂を無理をして一気に越えようとした。それがともに失敗し、亀裂に落ちて出口のない内戦状態から抜け出せないでいる。 こうした失敗を見ると、これまで秩序を保ってき -
Posted by ブクログ
私は、中東の政治について、全く疎いが、ニュース等で中東のことが知りたいと思ってた時に出会った、非常にわかりやすく、うれしい本。
中東は「国もどき」≒国家として体をなしていない国がほとんどという表現が、乱暴な表現のようでいて、「そうなんだろうな」と思える説明がしてあった。王様はたまたまその国の中心を治めているだけで、地方は地方で独自に有力者が収めている。王様は内政/外政ともに微妙な駆け引きを行い、国を治めている。という。日本の江戸時代も、ヨーロッパも国といっているが、地方は地方の文化があったということと同じだろう。
そんな「国もどき」の代表がサウジアラビアであり、そのサウジアラビアの、動きが最