高田侑のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
田舎の閉鎖的な雰囲気。それは私が怖いと思うもののひとつなのだが、どうもそれがテーマの物語には、ついつい手をのばしてしまう。そしてまた、「やっぱりコワい」と思うのだ。
桐也の存在が絶妙に恐ろしくて良かった。だからこそ最後の彼の姿には感動するべきなのだが、狂気の存在で通すのかと思っていた私は少々(作者にとっては理不尽な)拍子抜けをしてしまった。
だが最後には伏線も全部回収され、希望の光が見える。
麻樹と昂一郎の最後のシーンは、涙腺が緩んだ。
閉鎖的な空間での歪んだ人間関係には、眉をしかめざるをえない。
日本のどこで起きていてもおかしくないことなのだから。 -
Posted by ブクログ
年老いた父と同居するため、家族を連れて故郷に帰った修司。
しかし、その帰郷を待ちわびたように次々と怪事件が。。。
その時、修司の脳裏には、ある少年の姿が思い浮かんだ。
20年ほど前、父が再婚相手として連れて来たセリの連れ子・桐也。
セリは自殺し、そして、音信普通となっている桐也の存在は、
修司の胸に不安をよぎらせた。
義兄弟として過ごした少年時代の、あの時の約束。。。
彼は今も覚えていて、復讐をしようとしているだろうか。。。
ホラーっぽいのだけれど、ホラーではなく、
人の心の内側に潜む様々な思いが、ちょっと切なくもあり、
ドキドキしつつ楽しめるミステリーです。