きたやまおさむのレビュー一覧

  • 「むなしさ」の味わい方
    書店の書評コーナーにて。

    「むなしさ」は「す(澄)まない」。
    心の隙間、穴に「むなしさ」が入り込んだ時、私たちは急いで埋めようとする。現代は「間」に耐えられない仕組みになっている。容易に「間」が「魔」になる時代。
    むなしさは、すまないものだとあきらめて、心の底に住まわせる。むなしさを、時間をかけて...続きを読む
  • 「むなしさ」の味わい方
    【目次】
    序章「むなしさ」という感覚
    第1章「喪失」を喪失した時代に
    第2章「むなしさ」はどこからー心の発達からみる
    第3章「間」は簡単には埋まらないー幻滅という体験
    第4章「むなしさ」はすまないー白黒思考と「心の沼」
    第5章「むなしさ」を味わう
    おわりにー悲しみは言葉にならない
    あとがき
  • 「むなしさ」の味わい方
    読んだあとどっとむなしさに襲われた。
    柔らかい文体でむなしさを感じる自分を愛してほしいと繰り返し言われているようで、感じたくないと抑圧していたむなしさが、受け止めてほしいと湧き出てきたのだと思う。
    漢字の成り立ちや、読み方が同じものの共通点とか、興味があるようで知る機会がなかったから読んでいて面白か...続きを読む
  • 帰れないヨッパライたちへ―生きるための深層心理学

    先日この著書を知りました。

    この著書の筆者の北山修氏が故・加藤和彦や故・はしだのりひこ氏と結成していました「ザ・フォーク・クルセダーズ」の「帰って来たヨッパライ」と言う歌、半世紀前に所謂「アングラ・レコード」として大ヒットしましたね。加藤和彦氏の「テープの回転速度を速めた「ヨッパライ」役のボーカル」が大きな話題になりましたし、...続きを読む
  • 帰れないヨッパライたちへ―生きるための深層心理学
    先日日本サイコセラピー学会で北山先生の講義を拝聴することができた。
    感動した。
    昔話の例えで日本人独特の心理を鋭く説明されていた。
    声と物腰がまた素敵すぎ。

    嫉妬と羨望。
    二者関係と三者関係について。
    私の言葉にならないもやもやとした日常の感情を腑に落ちる体験へ導いてくれた。
    また読まなくちゃ。
  • 幻滅と別れ話だけで終わらない ライフストーリーの紡ぎ方
    人間、というものを、日常の視点よりも客観的に見れる本だと思います。

    特に、日本人の性質に関しては、1人の日本人として、自分の根底にある意識していないところを、すっと、浮き上がらせるような感覚でした。

    よしもとばななさんの名前と、タイトルに惹かれて衝動的に手に取った一冊でした。
    これは買ってよかっ...続きを読む
  • 帰れないヨッパライたちへ―生きるための深層心理学
    甘え・嫉妬、日本人の心の様子を平易な言葉でわかりやすく書いてあります。
    自分の考え方の基本がわかった気がする。再読しよう。
  • 「むなしさ」の味わい方
    むなしさは外的にも内的にも起きることだと改めて分かりました。裏切られたいときのむなしさやせつなさが嫌だから、私は最初から期待をしてないのかもしれないなぁと思いました。はっきりした感情ではないと読んで思ったので、ゆっくりと、時にはスペースにそっと置いておきながら向き合っていきたいです。
  • 「むなしさ」の味わい方
    どうして読もうと思ったのか思い出せないですが、ほぼ毎日コツコツ読んで読み終えました。
    自分が立ち止まってしまった根本が見えてきました。
    そして自分を客観視することは、自分を見失わないためにも必要だということを改めて考えさせられました。
  • 「むなしさ」の味わい方
    忙しすぎる現代では「むなしさ」を感じる間もなく、「むなしさ」を悪いものとして捉えるが、「むなしさ」の効用を氏の専門である、精神分析学と、日本語臨床で解き明かす詩的な書であった。ネガティブ・ケイパビリティに通じる考察であったが、この件については全く触れられていなかった。ただ通底として流れているテーマは...続きを読む
  • 「むなしさ」の味わい方
    人間は生まれて生きていく過程で、常に心のどこかに「むなしさ」という心の影が佇み居座る。それを自覚するかどうか、ないものとして扱うかどうかは、個人の洗濯。じっとその存在に耐え、味わう。「沼」に留まることによって、創造が生まれる。そのために白黒でない中間領域を抱える心の器を持ちたい。そのために日々精進し...続きを読む
  • ぼく自身のノオト
    「ぼく」という一人称
    で語る独白。

    「ぼく」は、私であり
    彼や彼女であり、

    病院の待合で隣に座る
    ご老人であり、

    見も知らぬ誰かである。

    誰もが多かれ少なかれ
    青年期に思索する、

    根源的な問いに対する
    洞察が連綿と綴られて
    います。
  • 良い加減に生きる 歌いながら考える深層心理
    2019年作品。著者を知ったのは、もちろんザ・フォーク・クルセダーズの「帰ってきたヨッパライ」を聴いた時でした。当時の私は小学校低学年。歌っているのは人間なんだろうかと不思議でした。テープを早回ししてレコードにしたものだと知り驚きました。革新的なレコードでした。この本は、友人であり人生の先輩でもある...続きを読む
  • ぼく自身のノオト
    アメリカ南西部、ユタ州の小さな出版社から発表された個人の日記の抜粋。
    著者は文学者や哲学者ではなく、立派な肩書きもないただの男とのこと。

    ぼくたちがある物事を受けて、感じたことに真っ直ぐ誠実になる。それが日々の生活で遭遇する様々な出来事に自分らしく対処するために必要なことだという...続きを読む
  • 良い加減に生きる 歌いながら考える深層心理
    同僚であった前田氏とのやり取りを重ねつつ、きたやまおさむが自身の深層心理を自己分析したもの。全体の3分の2を占める第一幕では、自身の作品を一つずつ取り上げながら構成されていて、フォークルメンバー内での「三角関係」なども率直に語られていた。
  • 帰れないヨッパライたちへ―生きるための深層心理学
    北山先生らしい饒舌さと、読みやすさと、そしてこの深さはどこから来るかといえば、北山先生の心の遍歴の一部が描かれているからだと。
  • 帰れないヨッパライたちへ―生きるための深層心理学
    きたやまさんが自切俳人の名前を使ってパーソナリティをされていたラジオ番組の熱心なリスナーだった。おそらく、私の意識の一部には彼の話していたことが組み込まれているのではないだろうかと思う。

    「嫉妬」認めるのは怖いけど、確かにそれは心のどこかを支配している。
  • 帰れないヨッパライたちへ―生きるための深層心理学
      本学卒業生、きたやまおさむ(ザ・フォーク・クルセダーズの元メンバー)の近著「帰れないヨッパライたちへ」(NHK出版新書 2012)を面白く読んだ。ヨッパライの俺と、きれいな姉ちゃんと、こわ~い神様との三角関係を例えにして、家族における三者関係に言及しているところは、ナルホドと頷ける。
      きたや...続きを読む
  • 「むなしさ」の味わい方
    我々はむなしさから逃れることはできない。だから、むなしさを抱え、味わうことが大事。
    北山先生の仰っていることはわからなくはないが、むなしさを味わえるようになるのは簡単なことではないと思われる。どうやったら味わえるようになるのか、今のところ、自分の中に答えは見いだせていない。
    また、読後の印象として、...続きを読む
  • ハブられても生き残るための深層心理学
    ■集団から排除される「ハブられる」という現象は、自分の知らないうち、裏で隠れて進行することが多い。
    ・日本人の文化の中には、悲劇の主人公を演じさせるような「台本」がすでにある。潔く去っていくという結末が「みんなの物語」として用意されている。
    →日本の「鶴の恩返し」と西洋の「カエルの王様」「美女と野獣...続きを読む