あらすじ
私だけがのけ者にされ,みんなから悪く言われている…….そんな息苦しさを訴える声が多い.そう感じてしまうのはなぜか.また,こうした現象が日本社会で起きやすい背景とは.自身の経験や長年の臨床で得た深層心理学の世界観で,その仕組みを考察.悲劇に陥りがちな人生の台本を紡ぎ直し,自分らしく生きるためのヒントを説く.
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Posted by ブクログ
あの素晴らしい愛をもう一度と歌っていた著者が書いた本。
かつて転校した先の小学校でハブられた経験を持っているし、職業人生においても、仕事だからハブられるまで行かなくても、なんだか同じような居心地の悪さを感じる職場が多いし、40代から50代に至るまでにそれなりに耐性はついたようなんで、ここまできたが、本当に経済的にさえ支障がなければ明日にでも今の事務所は辞めてしまいたいと考えているが、やめるに辞められないみたいなジレンマがもうすぐ10年になる。
翻ってこの本を読んでみて、著者が提唱する心の楽屋のようなものはそれなりにそうと知らずに持っていたんだなと認識できたのは良かったのかもしれない。
ただ読み方が浅いので、もう少し自分の中で具体的にできるように、この本はちゃんと買って手元に置いてまた読んでみたいし、著者の別の著書も読んでみたい。
Posted by ブクログ
「ハウツー本」と思ったら違うので注意!ハブられたらああしろ、こうしろとの具体的な提案はない。抽象的。
正直内容が私には難しい。説話の解説や同衾(どうきん)文化は理解して読み進められるが、ハッキリと分かったにならない。
ハブる方もハブられてそこから逃げ出す方もこういうことでそうなるんだよ、と教えてくれるが、だから後は自分で考えてやるんだよ。誰かを頼っても良いんだよという感じ。
短い強い言葉で断言する米のトランプ氏の言動とは真逆だ。だから信用できると思う。もう一度読むとはっきりと見えてくるものがあるかもしれない。
Posted by ブクログ
■集団から排除される「ハブられる」という現象は、自分の知らないうち、裏で隠れて進行することが多い。
・日本人の文化の中には、悲劇の主人公を演じさせるような「台本」がすでにある。潔く去っていくという結末が「みんなの物語」として用意されている。
→日本の「鶴の恩返し」と西洋の「カエルの王様」「美女と野獣」に見る異類婚姻説話の結末の違い
■集団は自分たちと似た者を取り入れ、異なる者を吐き出すという基本傾向を持つ。これは無自覚に繰り返されやすい。
・人は集まってグループを形成する。同類幻想を共有する集団は、一つの人格のように行動することが起きやすい。そして、同類思考の強い人たちが集まるほど、集団の同質性は強固になる。集団には、自分たちと似ている「同類」を仲間に入れ、考えや性質の異なる「異類」を排除しようとする基本原則がある。この「同化」と「異化」は無自覚にくり返されやすい。
■人生は劇に似ている。劇場には舞台のほか、役を降りてほっと一息つける「楽屋」もある。「人生の台本」の存在を知り、よりよいものに紡ぎ直していくことが大切だ。
・劇場の構造を知らない人は、人間関係で迷子になったり、奈落の底に落ちてしまったりすることもあるだろう。危険な目に遭わないためにも、人生に「劇的視点」を持つことはとても大事である。