NHK出版のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
レイ・カーツワイル(1948年~)は、ニューヨーク生まれ、マサチューセッツ工科大学卒の発明家、実業家、未来学者。
1990年、『The Age of Intelligent Machines』を発表し、インターネットの普及、チェスの試合でのコンピュータの勝利を予言。1999年、『The Age of Spiritual Machines』(邦訳『スピリチュアル・マシーン』)で「収穫加速の法則」を提示。2005年、『The Singularity Is Near : When Humans Transcend Biology』(邦訳『ポスト・ヒューマン誕生~コンピュータが人類の知性を超えるとき』)で技術的特異点(シンギュラリティ)についての踏み込んだ記述を展開し、世間一般にシンギュラリティという概念が広まるきっかけを作った。
2012年にGoogleに入社し、2019年現在、機械学習や自然言語処理技術を開発するチームを率いている。
本書は、上記の『ポスト・ヒューマン誕生』を親本として、そのエッセンスをコンパクトに再編集した、日本オリジナル版であり、2016年に出版された。
本書は、大部の親本を編集するにあたり、カーツワイルのいう「テクノロジー進化の法則(収穫加速の法則)」、つまりテクノロジーの指数関数的な成長がシンギュラリティへと至るという主旋律を、明快かつシンプルに提示すること、そして、AIが2045年に人類の知性を超える道筋を、主に「脳という仕組みの解析とリバースエンジニアリング」という点に絞って再構成したことにより、いわば「AIとシンギュラリティ」についてのカーツワイルの主張がストレートにわかる入門編となっている。
私は、気候・環境問題のような、現代の人間社会が抱える喫緊の課題に加えて、人類の未来を左右しかねないテクノロジー(AIやゲノムテクノロジー)の進歩に高い関心を持っており、本書を手に取ったのはその流れによる。
読み終えてみると、予想以上に専門的な記述が多く、また、翻訳書特有の読み難さ(翻訳の巧拙の問題ではなく、原書の記述が日本語による思考パターンと異なることによる読み難さ)もあり、消化不良の部分も少なくなかったが、大筋は追うことができた。そして、(前半に書かれている)テクノロジー進化の速度の蓋然性、即ち、シンギュラリティへの到達が2045年なのか、もう少し先なのかはともかく、いずれにしても、(後半に書かれている)AIとGNR(遺伝学、ナノテクノロジー、ロボット工学)の進歩が、人類の未来を左右するというか、「そもそも、人間とは何なのか?意識とは何なのか?」という究極の問いを、早晩我々人類に突き付けるということを再認識し、暗澹たる気持ちになった。
カーツワイルは自らを「技術的特異点論者(シンギュラリタリアン)」と呼び、AIの進歩をポジティブに捉え、「(不老不死のために)1日も早く機械の体を手に入れることを夢見ている」とまで言っているのだが、私は、人間がサイボーグ化していくことなど到底受け入れられないし、そうなる前に、賢明な人類は立ち止まることができると信じたい。
テクノロジー進化の究極の世界を知る上で、一読の意味のある、世界的ベストセラーのエッセンシャル版である。
(2022年1月了) -
Posted by ブクログ
★★★☆☆ 『ポスト・ヒューマン誕生』はあまりにも大作なのでエッセンス版のこちらを。ここ数年「シンギュラリティ」という言葉が世の中でだいぶ広まってきたので、いつかは読まなくてはいけないと思ってた本書。「その年は2045年」の表記は一読目は見逃してしまって、もう一度最初から探してしてしまった。よくある煽り本みたいにドドーンと太字で書いてあったりはしない。AIだけが独自に進化してそこに到達するわけではなく、人間(人体)とコンピュータの接近も要素としては絡んで来る。ありえない未来とまでは言えないけれど、やはり新井紀子さんや川添愛さんが主張するように実際にはシンギュラリティが起きる可能性が低いのではないかと感じた。「総論賛成各論反対」みたいな。ちょっと違うか。カーツワイル氏の立ち位置はどんななのだろう? キワモノ扱いなのか?
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Posted by ブクログ
うつ病とは、ストレスにより脳が「パンク」してしまうこと。
うつ病になると、以下のような症状が現れる。
・眠れなくなる
・否定的になる
・何を食べても美味しくなくなる
・何事にも興味が持てなくなる
・集中できなくなる
対処法としては、何よりもまず「休む」こと。
何もせず、決断を先延ばしし、ひたすら「楽なこと」を選んでいく。
心のエネルギーがたまるまで、じっと待つのが一番である。
一時期自分のメンタルがちょっとおかしく、「もしかしてうつ病なのかな?」と思い、調べるために読んでみた。
結果はさておき、うつ病がどんなものなのか分かりやすく解説されていた。
読みやすく、良い本だと思う。 -
Posted by ブクログ
人工知能が人間の能力を超える事をシンギュラリティという。そこに到達した社会は、人間の生物としての限界を超越したものとなる。2020年代には、ナノロボットが人間の体の中を駆け巡り、栄養を補給し、問題を発見、改善し、医学的なあらゆる問題はなくなっていくと言う。そうなると心臓の存在の必要性までなくなってしまうのである。まるで、SFのような世界であるが、技術はすさまじいスピードで進歩しているという。
人間は肉体としてのハードウェアが滅びると、同時にソフトウェアである精神も滅びるものである。しかし、シンギュラリティの後は、精神がハードディスクに複製され、WEB上に生き続ける事が可能となる。肉体の終わりが、人間の終わりということにならないのである。そもそも、デジタル複製された自分は、本当に自分なのか。人間とは何なのか、という問いが根本から揺さぶられる怖い世界である。 -
Posted by ブクログ
予言ではなく予測である。
過去に確立されたことをふりかえり、
現在の状態を整理し、
未来にできるようになることを予想する。
今できないことはたくさんある。
ただ課題を突破するために、見えていることもたくさんある。
一つ一つの障害を取り除く速度は上がり、
昨日難しかったことも、明日には難易度が下がっている。
その先にあるのは、予測された未来なのかもしれない。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○ナノボットを生物の脳の構造に結びつけるにあたって大きな技術的課題となるのが、血液・脳関門(BBB)だ。十九世紀の終わりごろ、動物の血流に青い染料を注入すると、すべての器官が青に染まるが、脊髄と脳だけはそうならないことを科学者が発見した。(P.137)
○ロバート・フレイタスが、ナノボットが脳神経系の感覚信号を監視するためのいくつかの技術を記している。これは、脳への入力信号のリバースエンジニアリングと、神経系の内部から完全没入型のヴァーチャルリアリティ(VR)を生みだすことのいずれにとっても、重要なものになる(P.140)
○経済学者のジョージ・ギルダーは、わたしが描く科学的・哲学的未来像は「伝統的な宗教的信仰に対する信頼を失った者にとって、その代わりになる予言である」と述べた。(P.220)
○テクノロジーの流れを理解したいと思った動機はもっと実際的なものだった。すなわち、自分の発明が可能となる時期を計りたかったからだし、また、テクノロジー系企業を始めるにあたって最善の戦略を定めたかったからだ。(P.221)
○シンギュラリタリアンたらんとすることは、信仰の問題ではなく理解の問題なのである。(P.221)