林容吉のレビュー一覧
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ジブリの次回作が「借りぐらしのアリエッティ」といい、児童文学が原作だと聞いてその作品を読んでみた。
宮崎駿氏の翻案はいつもながら見事だが、時として省略が多く(観覧者が感じろということらしい)、原作を追読することで理解や味わいが深まっちゃったりするので、今回は先回りして読んでみよう、というわけ。
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あれどこに遣ったっけ?と小さなものをなくすのは誰しも覚えがあるだろうし、“小さな妖精”(本作の主人公は妖精じゃないけど)の実在も、子供の頃に一度は想像したことがあるんじゃないだろうか。
そういう意味で、モチーフはごくありきたりだ。主人公の(身の丈20cmに及ばない)少女と人間の男の子との心の交流というのもだいたい見えるセンではある。
でも1950年代に書かれた(舞台設定は19世紀終盤)物語にして、すでに物質文明や贅沢、あるいは他人に頼りすぎることに潜む落とし穴を言い当てているなど、大人が読んでもコクのある作品と言えるだろう。
「アリエッティ」の公式HPによると、宮崎氏は「借りぐらし」というキーワードの中に大衆消費時代の終焉という現代性を見ているようだが(舞台設定も2010年の小金井になるらしい)、古今東西の児童文学に目を通し、引き出しの中にこういう今に通じるテーマをちゃんと持っている辺りに、時代の寵児としての才能があるわけですな。
監督は別の人になるみたいだし、どんなお話になるんだかねぇ(楽しみ半分、危惧半分(笑))。
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しかし「床下の小人たち」って邦題、なんとも即物的で夢がないなぁ(原題名は“THE BORROWERS”という)・・・と思っていたら、そう付けられた理由は巻末解説に書いてあった。それでも「借りぐらしのアリエッティ」の方がずっと魅力的だけど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「つまりは、だれだっても、人間から、ほんとに、いいことをされたってためしがないってことさ。」
数十年ぶりの岩波少年文庫。ひらがなばかりで読むのに時間がかかった。映画ではアリエッティの家族と人間は相容れなかったが、この物語では家族ぐるみでと少年と仲良くなっている。人間から躊躇なく借りることを覚えて、あれもこれもと欲張ってしまうホミリーは、自然から色々なものを奪ってきた人間に通ずるところがある気もする。人間もそのうち他の「家」に引っ越さなきゃいけなくなっちゃうのかしら。映画よりも静かな流れなので、もう少し感受性の強い頃に読んでいればよかったと思った。 -
Posted by ブクログ
*ディズニー映画のメリーポピンズが大好きだが原作は読んだことなかった。で、今度2014年3月公開のディズニー映画「ウォルト・ディズニーの約束」が、「メアリーポピンズ映画化」という出来事を題材にした映画だそうなので、その前に読んでおこうと思って入手。
*原作のメアリーポピンズは、無愛想で高慢ちきで自惚れや。子供にも厳しい。映画のジュリーアンドリュースもそういう演技はしているので、全く違うということはないけど、ちょっとびっくりするくらい、「よいおとな」らしくない。
*全然「いい人」っぽくないので、なぜ子供たちがメアリーにひかれるのか疑問に感じるが、そこがキモなので考えてみる。
(1)素敵な魔法の力のせい。世界中を自由に旅したり。空に金紙の星を貼ったり。
(2)メアリー自身が子供の心のままだから。人はみな赤ちゃんの頃には、鳥や風やお日様の言葉を理解しているが、歯が生え揃うころには忘れてしまう。でもメアリーポピンズだけは特別な人で、大人になった今もお日様たちと話ができる。というエピソードが印象的。
(3)相手が子供でも大人でも動物でもその他でも、自分の態度は変わらないよっていうのが、人としての魅力だとか?(2)とも通じるが。
*児童文学が久しぶりなせいか、正直、あんまり楽しめなかった。子供の頃読んでいたらわくわくしたかなあ。 -
Posted by ブクログ
『床下の小人たち』と聞いてもピンとこない人も、
『借り暮らしのアリエッティ』なら、
「ああ~」
となるでしょう。
宮崎駿さんの『借り暮らしのアリエッティ』はまだ観てないのに、
原作である『床下の小人たち』を読もうと思ったのは、
宮崎駿さんが、ご自身の著書、『本への扉』で、
この本の内容はもちろん、挿絵をいたくほめていらっしゃったので、
ちらっとでも見てみたいと思ったから。
挿絵、たしかに素敵です!
ペン画でここまで精緻に豊かに描けるなんて。
思い起こせば、昔の挿絵は良かったな。
小さい頃、文字ばかりのページを読みながら、
挿絵のページが来るのを今か、今かと待ち遠しく思ったもの。
何度も同じ本を読むうちに、絵もすっかり頭の中に入っていました。
今の児童文学はどれも色彩豊か過ぎて、漫画みたい。
どれも同じような絵で。
あまりにもキャラクターができてしまった絵が差し込まれているので、
想像を邪魔されてしまいます。
宮崎駿さんは、若い頃、
この『床下の小人たち』の絵を真似て練習したそうですよ。
子どもたちが真似て夢見て、いつか偉大なものに化ける作品、
今の児童文学にありそうで少ない気がして、さびしいです。
内容は言うまでもないので割愛します♪ -
Posted by ブクログ
実はアリエッティの行動力や冒険心、
人間を信じようとする思いをわくわくする気持ちで読むのと同じくらい、
自分のした行動の結果やその立場を何回繰り返しても周りの皆がどう思っているのか、
理解出来てないっぽさに年齢に見合ってないような・・・。
それがしたいなら、ここにはいられないよね、って事を、
気が付くんじゃないのかなあ、
なんて思ったりもしていたけど、
空を飛ぶその為にやっと役に立つときが!
と嬉しくなったんだけどやっぱりそうなのか〜、と。
まあ、ポッドの言うようにペットではないからなあ。
でも、この夫婦さんの方がメインだよな、やっぱり。
メインっていうか、私はこの夫婦、
ポッドとホミリーの方が好きだなあ。 -
Posted by ブクログ
床下の・野に出た・川を下るに続く第4冊目~スピラーの話していたリトルフォーダムは見物に来る人が色々なモノを落として借り暮らしには困らない。この模型の村は鉄道の元信号守が創ったもので,終列車に轢かれそうになったアライグマを助けて片足を失い,川沿いに小さな家と土地を貰ったのだが,信号守時代から暇を潰すための模型作りが本格化したもので,ポットと云う爺さんの仕事にミス・メスチンという女性が手助けをしていた。川の反対側には,不動産と葬儀屋を営むプラッター夫婦が,芝を綺麗に刈り込み,川辺の茶屋を開いていたが,向こう側の模型の村を真似て入場料を取っていた。アリエッティーは女性と話すようになり,女性も老人も気を遣ってくれていたが,隣のプラッター氏も小人たちを目撃し,これを飼い慣らせば,客が呼べると考え,一家を一網打尽にして屋根裏で観察を続けたが,春までにガラス張り小屋を作る計画だ。小人一家は,脱出の方法を探るが,アリエッティーが雑誌で読んだ気球が有効そうだ。ガス灯のガスを風船に詰め,蝦取り網を被せて苺の駕篭を吊し,天窓を空ける訓練を繰り返し,3月28日に決行する~ガスを抜く工夫が万年筆のスポイトというものだが,最近の子供は万年筆の構造を知らないだろう。私だって一本持っていたきりで,暫く見ていない。奇跡的な冒険の果てに,結局はどんなに良い人でも人間に語りかけるのは自由な暮らしを捨てることだと結論づける。人間って話し好きだからなぁとは本当に思うもの。父母は粉挽き小屋で暮らすことになりそうで,アリエッティーとスピラーは舟に乗って冒険をし,川沿いに新しい家を造りそうな予告が出ている。映画は,どこをどう取捨選択したのだろう。NTVでは大ヒットといっているが,実際に映画館に行くと大したことないんだよね。取り敢えず本を読み終えてDVDで観れば良いかな?訳者の林さんは早稲田の経済の先生で・・・この本が初版された年には亡くなっている。挿絵が一番まともだった気がする