吉原育子のレビュー一覧
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韓国の作家、ソン・ウォンピョンの短編集。短編なので、細切れ時間に読んで... なんて気楽に考えていたのですが、凄みのある内容で、「このテーマはどうですか、このテーマは....」と突きつけられる感じで、ページをめくる手が止まりませんでした。一気読みでした。この作家はすごい!不思議な世界に引き込まれました。非日常性、サスペンス的要素、底知れぬ深さも感じました。と同時に、ほんのりと希望や優しさも伝わってきます。
家、家庭がモチーフとなっています。人間の本質に迫る部分、現代社会が抱える問題への提言もあります。
タイトルにあるように「他人の家」をはたから見て読み進めているのに、読み終えると自分ごとと -
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ネタバレ「ユ・ウォン」は主人公である高校2年生の女の子の名前。
12年前の火災事故の奇跡の生存者として
誰もが知ってる有名人。
12年前、保育園にユウォンを迎えに行ったあと一緒にお昼寝をしていた高校生の姉とウォン。ところが上の階の12階に住むおじいさんがベランダで吸っていたタバコの燃え殻が、11階のユウォンの家のベランダに落ちて火種となり火災が発生。
気付いた時には逃げ場もなく、姉は炎に包まれながらも幼い妹を助けるために布団でぐるぐる巻きにして11階のベランダから落としたあと、亡くなってしまう。
そしてマンションの11階から落下する布団の固まりを全身で受け止めた40代のおじさん。
トラック運転手だ -
ネタバレ 購入済み
四の五の言わずに、やる!
You Tubeでこの本の解説動画がオススメに上がりました。
今まで何年も引き寄せ・潜在意識を勉強してきたので似たメソッドの本は読んだのに、何故か動画を観て、
「これだ!続きを、この本を最後まで読まなければ!」
と直感してあっという間に購入。
翻訳ものは大抵、日本語のニュアンスに違和感があって読まないのですが、この本では違和感があまり無いです。
文章全体が日本人著者の本より丁寧な敬語で進んでいるかもしれませんが、それが却ってこの本の穏やかで豊かな世界観を表現していると思えます。
この世界観のお陰で、何年も勉強してきた沢山のメソッド同士が一本の線で繋がった感覚を得ました。
メソッド自体は目新し -
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♡ネットで見かけて気になって書店で購入した。
お金についての引き寄せの法則
そこまで真新しい情報というわけではないけど、物語になっていて読みやすかった。
今持っているものに感謝、みたいな内容
お金持ちになる方法
◆ハビング〈Having〉
・“今もっている”ということを感じること
・お金を使うその瞬間に、それを“持っている”ことを“十分にたっぷりと”感じること
・視点を“ない”から“ある”に替える
・誰もがお金持ちになる資格を持って生まれた
・自分が本当に欲しい物を求めれば、浪費や人にひけらかすための消費からは自然と遠ざかる
・今、この瞬間を生きること
・ポジティブなエネルギーで -
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序に書かれていた「娘というのは母親の言うことにはあまり耳を貸そうとしないのに(中略)芸能人の話には〜感動しうなずいている〜」との入りで、”なんだかこの人は娘の立ち位置を理解しているな。読んでみるか”と思えて読み進めると、あれよあれよという間にこの女性の虜に。読み終わるのが勿体なくなり一度本を閉じたほど。
男性活躍の社会を否定しているわけでも、フェミニズムを大きく打ち出しているわけでもなく、ただただ娘の友達に語りかけるように社会という波にこういう風に乗った方が楽しいんじゃない?こっちの方が歩きやすいよと知恵を貸してくれる本でした。
曜日ごとに小気味よく書かれているのもどんどんと読み進められる -
Posted by ブクログ
正確な文章を書きたいとおっしゃる作者。
ずっと静かで落ち着いた、冬景色のような文章書く人だなと思った
●4月の雪
なんの解決にもいたってないが、ここで終わるの?とは思ったが、ほのかに優しい
●怪物たち
ほーん
不妊の話読んでたら気分悪くなるナイーブさを兼ね備えたことに驚く
●zip
題名センスがいい
●アリアドネの庭園
若者と老人。見え方の違いが皮肉。
●他人の家
ライトに読めて好きだった。現状に甘んじず、自分の絶対的な居場所、生涯過ごすことのできる場所の確保が大切であるように思えた。
涼しいようで寒い、乾いたそよ風みたいな読み心地。
●箱のなかの男
1番いいかも!
●文学とは何 -
Posted by ブクログ
離婚を決意した夫婦の家に民泊アプリで知り合った人が泊まりにやってくる『四月の雪』、働けなくなった夫を、双子の息子たちが殺すのではないかと妻が気を揉む『怪物たち』など、短編八編。どの主人公も、現在の暮らしに不足や不満を抱えていて、そうなった過去の出来事を憎んでいる。どうにか変えたいと思っている。けれど、変えられないのだから、折り合いをつけて、いや、折り合いをつけられなくても、生きていくしかないのだとわかっている。
「そう言った瞬間、ヨンファは、今を後悔したり、引き返したりすることはできないのだと悟った。すべてのことを元に戻し、起こらなかったことにするのは不可能だった。だったら可能なほうを選び、 -
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◯「上司は褒め言葉に飢えている」
◯「リーダーにとって自分はどんなフォロワーか」
自分がリーダーにしてほしいことを自分のフォロワーにしてやり、下の人間にしてほしいことをリーダーに対して実践すればいい。
◯「自分が言われたらどう思う?」
口を開く前に、その話がどういった影響を与える可能性があるか、を慎重に検討しなければと思った。
自分がしてほしいことを人にもしてあげるように、自分が言ってほしい言葉を周りにも言ってあげればみんなが幸せになる。
◯「あとで」ではなくて「今」
何かしようと思ったら、すぐに行動。友だちに最近どうしているかとメールを送ることでも、散歩でも、英語の勉強でも、とりあえず -
Posted by ブクログ
人間心理のおかしみを悲喜さまざま、細やかに、ジャンルを問わずに描き上げた短編集でした。人の心に踏み込む心理表現の巧みさがほかの作品同様卓越していて、文章を追うだけでしみじみと感じ入るものがありました。
表題作では他人がエゴを滲ませながら厳しい日々をやり過ごさなければならない現実をビターに描き、「四月の雪」ではつかの間触れ合った外国人との交流により仄かな未来がそっと浮かび上がるさまを、「箱の中の男」では「アーモンド」作中の出来事と被らせながら辛い日々を送る青年のささやかな救いを与える。
どれもが単純ではない人の心情を繊細に描き上げ、また、明快ではないけれどそっと未来を指差すような温かさを滲ま