横山啓明のレビュー一覧

  • 生活の発見 場所と時代をめぐる驚くべき歴史の旅

    Posted by ブクログ

    より意味のある生活を送るため、日常生活で新たな発見をする視点の置き場を歴史的背景、変化を踏まえ示してくれています。VUCAな時代だからこそ、今をどのように生きるのかを改めて考える機会を得る

    0
    2026年01月21日
  • 1922

    Posted by ブクログ

    ○1992
    これを読む前にNetflixの実写を観た(約3年前)
    何となく内容は分かっていたけどそれでも楽しめた
    というか記憶が曖昧なのもあってなのか割と内容が違うかったような…
    ともあれ、原作はただ恐怖ってだけじゃなくてそこに息子の恋愛云々を入れることでより報われなさが増してよかったな
    そして何より終わり方がよかったな

    ○公正な取引
    これは所謂、世にも奇妙な物語的な作品
    短編でありながらかなり満足度の高い作品
    何でもかんでも代償は付きものでそれが今回は自分の周りの人に降り注ぐって設定がいいよな
    ミステリーっぽいSFっぽい雰囲気、よかった

    0
    2023年12月12日
  • 弁護士の血

    Posted by ブクログ

    ダイナーのトイレで銃を突きつけられ、爆弾付きのジャケットを着せられた上、法廷に放り込まれた弁護士フリン。ロシア・マフィアのボスの保釈の為、証人を爆死させる計画だった。背けば誘拐された10歳の愛娘の命は即消える。昔、スリや詐欺で慣らした腕でさまざまな困難に立ち向かうフリン。31時間という期限付きな為、スピード感があった。妻との別居や1年前に携わった事件が元でのアル中の治療入院を終えたばかりのフリン。その彼が娘を救い、弁護士の誇りをかけボスに徹底的に制裁を与えるべく奔走する姿はめちゃくちゃカッコ良かった!
    リーガルサスペンスでありながら、アクションもたっぷり味わえた。本国ではシリーズを重ねているらしいが、残念ながら続きは翻訳されておらず…

    0
    2020年12月04日
  • 生活の発見 場所と時代をめぐる驚くべき歴史の旅

    Posted by ブクログ

    時間、感覚、旅など、身近なものの考え方が、歴史のなかにどのように変わってきたかを思考する本。切り口がすき。

    0
    2020年03月12日
  • 生活の発見 場所と時代をめぐる驚くべき歴史の旅

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    6つの愛の形があることを知っているだろうか?いやほんとはもっと多いのかもしれないし、少ないのかもしれない。ひょっとしたらそもそも愛って何という問題にぶち当たるのかもしれない。
    それでも人間は6つの愛の形を持つ可能性があると知ることは、これから先の人生で愛の問題に取り組むに当たって何らかのヒントになりそうだ。

    ギリシャ思想の中では愛は「エロス(性愛)」「フィリア(友愛)」「ルードゥス(遊び)」「プラグマ(成熟した愛・情愛)」「アガペー(無償の愛)」「フィラウティア(自己愛)」の六つに分類され、昔はそれをそれぞれ異なる人と満足させてきたが、現在ではすべてを一人の人で満足させようとしている。

    結婚前と結婚後と変化する妻への愛へ。子供への惜しみない愛。人間としての無償の愛。1人の人間に固執することはないわけで、まわりの人たちと、時間による変化も伴いながら、どんな愛をどう育んでいくべきなのかを考えていくことができる。

    その他の章、愛、家族、感情移入、仕事、時間、お金、感覚、旅、自然、信念、創造性、死生観など、普遍的かつ真剣に解明すべき人生の問題について、歴史や物語にヒントを得つつ考えさせてくれる良書。

    0
    2019年11月05日
  • 弁護士の血

    Posted by ブクログ

    全編にみなぎる熱量が凄い。一時期ミステリ界を席捲したリーガル・サスペンスの一種だろうというバイアスは、幕開けから覆される。本作は、臨界点まで追い詰められた男の闘いを、圧倒的な筆力で活写した血が滾る傑作である。

    舞台はニューヨーク。弁護士エディー・フリンは、朝食に立ち寄った店のトイレ内で、前触れなく背中に銃を突き付けられた。瞬時に体が反応する。背後に立つ男の脅し文句と所作から、即座に相手の素性と特徴を推察。銃の男が右利きであることを見取り、左側の隙から反撃する手順を脳内で辿る。一介の弁護士としては並外れた挙動。だが、もう過去の自分ではないと自戒し、冷徹に情況を見極める。僅か冒頭1ページ。主人公の現在と過去を明快に伝える見事な描写だ。
    店から連れ出された弁護士は、小型爆弾を装着され、超高級車に放り込まれる。車内で待っていたのは、悪名高いロシアン・マフィアのボス、ヴォルチェックと手下だった。フリンの幼い娘を人質に取ったと告げ、その日から始まる裁判の弁護を強制する。用心棒が、鞄の中から黒い塊を取り出す。それは、ヴォルチェックの弁護士で、フリンの元相棒の首だった。
    己の誤算/判断ミスによって惨たらしい結末に至った或る事件を切っ掛けに、仕事から離れ、酒に溺れ、妻にも愛想を尽かされ、やさぐれていった男。だが、一秒たりとも悔恨に浸る暇は無かった。愛する娘を再び抱き締めるために、過酷で壮絶極まりない長い一日が始まる。

    原題は「ディフェンス」。恐らく、攻撃に対する防御と、法的な弁護という重層的な含みを持たせているのだろう。危険な情況を的確に掴み、僅かな逃げ道を見付け、敵の盲点を突き、策略を逆手に取り、機を見て反撃に移る。ギャングの親玉を救わなければ、娘の命は無い。最も愛する者を助けるために、最も憎む者に手を貸さねばならない。この地獄のジレンマに揺れる心理描写が巧い。
    ヴォルチェックは、裏切り者を消すために命じた証拠を掴まれて逮捕されたが、多額の保釈金を積んで釈放されていた。間もなく、不可解にも自白した殺し屋が証人として出廷する。朝、弁護士が身に付けた爆弾は、セキュリティを潜り抜け、殺し屋の口を封じるための道具だった。裁判の展開次第で大きく流れは変わる。その時が来るまでに、娘を救出し、ヴォルチェックに鉄槌を下さねばならない。

    間違いなく有罪判決が下る鬼畜を、どのようにして弁護するか。守りつつ、攻めるか。フリンは法廷に立つ一方で、裁判所内で培った人脈を利用して娘の行方を捜す。その過程で徐々に弁護士自身の足跡が明らかとなっていく。つまりは、序章で片鱗を示した只者ではない主人公の実体だ。
    フリンは、決して真っ当な路を歩んできた男ではなかった。恩師となる裁判官に出会う以前は、親譲りの卓越したスリ師であり、保険金詐欺で荒稼ぎしていた犯罪者だった。父親を失った原因が保険会社と結託した弁護士にあり、その復讐を兼ねていたのだが、結局はアウトローに成り果てたに過ぎなかった。だが、長年にわたって作り上げていた闇社会との太いパイプが、その日に役立つこととなる。マフィアに対抗するにはマフィア。それも、闇社会での情報力に長け、容赦無き暴力を行使する者ども。フリンは躊躇うことなく、その悪の力を借りる。この痛快な逆転劇から、物語はさらに勢いを増して疾走していく。
    法廷戦術では強引さが目立つが、破綻する間際で食い止め、読者を鷲掴みにしたまま、終始引っ張り回す。予測を裏切り、二転三転するプロット。とにかく主人公の冴え渡る瞬発力には瞠目するのだが、迸るエネルギーは決して不快ではない。終盤では、ハリウッド映画張りの活劇シーンを用意し、疾風怒濤の物語は最高潮を迎えて終焉する。

    本作の実態は、タフな男の私闘/共闘を主軸としたヒーロー小説で、リー・チャイルドのリーチャーシリーズを彷彿とさせる。北アイルランド・ベルファスト出身という作家のバックボーンも、熱気を帯びた世界に繋がっているのかもしれない。続編に大いに期待だ。

    0
    2019年04月19日
  • 生活の発見 場所と時代をめぐる驚くべき歴史の旅

    Posted by ブクログ

    確かに歴史に学ぶ本なのだが、その切り口が素晴らしい。常識を疑えというと陳腐に聞こえてしまうが、多くの習慣がつい最近意図的に作られたものであったり、思い込みであることを事実の積み上げで穏やかに知らせてくれる。

    0
    2019年01月01日
  • 生活の発見 場所と時代をめぐる驚くべき歴史の旅

    Posted by ブクログ

    私達の生活を歴史という観点から考察する、という趣旨。 正直、今年一の内容だった。

    まず素晴らしいのはテーマの広範さ。愛の分類からはじまり、家族、仕事、料理、お金、死生観と、生活をめぐる多くのテーマがあり、これらの全体として生活がある事がよく理解できる。 また、章を分け、それぞれについて論じられている事で読み手が理解しやすい。 この手の話は論旨がハッキリせず、寄り道のように様々な事が語られがちなのだが、全体における部分として、それぞれ独立した構造になっている。


    以下感想
    読書の動機は生活について考察をしよう、というテーマに強く惹きつけられたからであり、これは現在の生活に疑問を抱いているという事でもあると思う。

    東京の商社で働き、海外出張も多く、刺激的だが消耗も感じる日々に対し、他の選択肢、もしくは解釈もある、という事を感じたかったのだ。

    そして、確かに読後の変化はあった。料理を食料としてではなく、ひとつの自己表現として楽しめるようになったり、家族との語らいの時間を取る事が今までより充実して感じられるようになったり。 東京の商社で働く自分から解放して人としての暮らしぶりを考えた時、根元的な幸せは日頃追求している利益や出世ではない、と感じる。

    人としての幸せをトコトン突き詰めるなら、今のように都会の会社で働くという道ではなく、どこか田舎でひっそり暮らすのもアリかな、とも思う。 それでも、そういう生活に突入した自分を想像すると、きっと田舎の地元で燻っていた高校生時代のように、退屈になってしまうんだろうなぁと思い、同じ場に留まるのだ。


    ちょうどいい距離感というのは難しいものだけれど、人としての根元的な幸せを満たせる田舎と、煌めき刺激的な都会暮らしのいいとこ取りをして生きていけたらいいなと思う。
    なにやら自分にとっての新しいテーマを見つけられた気がする

    0
    2018年11月13日
  • 無実

    Posted by ブクログ

    面白くてイッキ読み 
    元弁護士のデスが己の性癖が原因で身を崩していく それにしてもつくづく思う 性癖ってホント怖いな カウンセリングや薬である程度抑えられるのかな でも、本人に抑える気がなく突っ走るから手におえん 枯れるのを待つしかないのか
    介護士ディープティがGJだった

    0
    2017年06月24日
  • 無実

    Posted by ブクログ

     とある有名作家がテレビに出る。それを見た少女が言う。「昔、私のお母さんは彼と付き合っていたのよ」から物語は始まる。
     少女は作家の娘を騙り、作家はそれにより酷いことになる。

     あらすじに書かれている通りの物語が進むのだが、なぜこんなにはらはらするのだろうか。はらはらするのは「先が分からない」からではないのか。
     結末が予想できるのに、過程ではらはらさせるというのは、なかなかできるもんじゃない。すごい。読んでいて嫌な予感しかしない本である。
     面白かった。

    0
    2016年08月25日
  • レッドセル CIA特別分析室

    Posted by ブクログ

    まず、このカテゴリーの小説に必要な要素の緊張感を当作品は持っている。すなわち、一読に値するという意味でである。現代の情報戦がシギントに傾く中、ヒューミント(人的なリソースによってもたらされる情報)にウェイトを持つ作品が十分なリアリティを持って展開される本作品は、CIA分析官の経歴を持つ著者ならではの境地であると言っても過言であるとない。クランシーの死後、道を継ぐものとしての期待大である。さて、本作品は、中台緊張と台湾の自立を支持するアメリカを巡る物語である。2012年の作品であるから2015年末の現在と比較して国際情勢において差異はあるのだけれど、アメリカ国内、アメリカの在中大使と中華人民共和国の総書記とのやりとりは、リアリティがあり作品を引き締めている。中台の関係は、取りも直さず米中の関係である。一帯一路を謳う中国が一つの中国を政治的なアピールとして推し進め、台湾併呑を強行出来ないのは台湾の世論と一つの中国を望まない陣営と米国の関係を重視して考えなければ他ならない現実がある。すなわち、アメリカ第7艦隊が大きな軍事的阻害要因となっているからに他ならない。本作は、そのポイントをついて、そこから物語を構成しているので本格感があり、近視眼的未来の書として読むにも値する。

    0
    2015年11月19日
  • レッドセル CIA特別分析室

    Posted by ブクログ

    アメリカCIAに所属する現役分析官が執筆したスパイ小説。
    本書は著者のデビュー作になります。
    中国の台湾進攻をテーマにしており、中々スリリングで読み応えのある小説でした。

    では、前置きはこの位にして以下で粗筋をご紹介。

    無能な上司の所為で負傷した秘密工作員キーラ。
    復帰後、彼女はCIAの分析部門の一角であるレッドセルに配属となる。

    時を同じくし、中国が台湾への軍事作戦を開始する。
    これを受け、中国の手の内が読めぬまま空母を台湾近郊へ向かわせるアメリカ。

    そんな折、20年以上に渡って中国中枢の情報をCIAに流してきたスパイ、コードネーム・パイオニアの身に危険が迫る。

    彼から中国の秘密を探りだせないか?

    レッドセルはパイオニア救出作戦を実行しようとするが・・・


    本書の印象を簡単にまとめると、人物描写は必要十分、事態の展開に引き込まれていく内容と言った所でしょうか。
    また、現CIA局員と言う点が影響を与えたのか、フィクションでは感じる事のある"甘さ"が、本書では感じる事も無く。

    スピーディーな展開とともに本書の魅力を高めてくれます。

    翻訳者による後書きによれば、原著の方では本書の続編が2014年5月に発売されるとか。

    次回作も読んでみたいですね。

    0
    2014年06月18日
  • 1922

    Posted by ブクログ

    久しぶりのキング。
    原題「FULL DARK,NO STARS」の通り、全く救いようの無い話が2編。でも読むのを止められない。救いようの無い状況を作り出しているのは人間の何なのだろう。愛するが故、逃れたい故、恐怖故・・・少し歯車が狂ってしまうと全ての歯車ががたがたと外れていく恐怖を描く中編集。

    最近のキングまた面白くなってきた。

    0
    2013年09月01日
  • 1922

    Posted by ブクログ

     「1922」と「公平な取引」の2編。

     「1922」は、妻を殺した男の独白なんだけど…。
     「ドロレス・クレイボーン」を思わせるシュチエーションでありながら、全く同情の余地も哀れもない。とにかく醜悪なのだ。男も、殺される妻も、その近隣の人間も、普通に醜悪なのだ。そう、特別な悪意ではなく、特殊な憎悪でもなく、多分普通の範囲を出ないものなのだろう。が、結局、そういうものが自己の営利という方向のみに向かうとここまで醜悪になれるということなのだろう。
     いわばまきこまれる形になる息子には、ちょっとだけ同情する。が、彼も若さゆえの、愛ゆえの暴走、というには自己的なのだ。
     もっとも、あの男と妻との子供なのだから仕方ないのか。

     とことん滅入る物語だった。

     「公平な取引」
     ある日、ある男に取引をもちかけられた運の悪い男。
     最後に大どんでん返しがあるかと思ったら…。が、だからこそ苦い。
     取引によって逆転することになり、どんどん堕ちて行く相手を最後まで傍観している、その冷静さが怖い。良心の呵責とかそういう葛藤が全くないことが、怖い。
     
     とても残酷な物語だった。

     ここんとこなんか救済がある展開になってて、キングも年をとって丸くなったか、って思ってたけど、そうじゃないんだなって。
     キングは、どこまでいってもキングなんですね。

    0
    2013年04月19日
  • 1922

    Posted by ブクログ

    ちょっ……!酷くないか、「公正な取引」のラスト。いやいやいや。こんなあっさり終わるなんて酷いぜ。いや、この後まだ何かしら大逆転が起きるのかもしれない。いやはや、もう。他人の不幸の上に成り立つ幸せって……普通か。結局、ずっと幸福な人もいれば、絶えず不幸な人もいるもんなぁ、実際。「1922」の主人公は自業自得なんだろう。土地を守るため妻を殺害したものの……。因果応報話だけど、転落していく男の人生をリアルに描写していて怖い。「1922」と「公正な取引」はある意味、好対象です。

    0
    2013年02月22日
  • 1922

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    表題作はあることを契機に人生のタガが外れていく男の話。当時は社会インフラや医療技術などあらゆるものが現代とは異なっていて、今だったら同じ選択をしたとしても、もっとスマートな方法だったり、なんなら離婚訴訟とかになってたかもしれない。
    オチは(自分的には)キングらしくないかなと感じた。「痩せゆく男」や「ダーク・ハーフ」を本作と同じ結末にしたらたぶんあまり面白くないと思う。救いとかそういうものがなく、恐怖は恐怖のまま終わってくれたほうが好きだ。

    同時収録の「公正な取引」はグッドヒュー家が坂道を転がる石のように不幸になっていく部分の描写がいかにもキングらしい、リアルな手触りだった。こちらのオチは好き。そういえばデリーは「IT」の街だった。

    0
    2025年10月26日
  • 甦ったスパイ

    Posted by ブクログ

    イギリスの作家「チャールズ・カミング」のスパイ小説『甦ったスパイ(原題:A Foreign Country)』を読みました。

    『ケンブリッジ・シックス』に続き「チャールズ・カミング」作品です。

    -----story-------------
    英国推理作家協会賞「イアン・フレミング・スティール・ダガー」賞受賞作。

    故あって英国秘密情報部SISを追われた男「トーマス・ケル」。
    彼は昔の同僚から思わぬ依頼を受けた。
    SIS初の女性長官に就任する「アメリア・リーヴェン」が突如消息を絶った。
    「アメリア」のことをよく知る「ケル」に彼女を探し出してほしいというのだ。
    「ケル」は捜索を始めるが、やがて驚くべき国際的陰謀が明らかに!
    非情な謀略に巻き込まれた人々のドラマを描く傑作スパイ小説。
    -----------------------

    MI6を辞めさせられた元スパイを主人公にした「トーマス・ケル」シリーズ三部作の第1作目… 「コリン・ファース」主演でのテレビシリーズ化の企画が進行しているらしいです、、、

    観てみたいですね… でも、そもそも本シリーズは日本では本作品しか出版されていないので、第2作目『A Colder War』、第3作目『A Divided Spy』も翻訳して欲しいですね。

     ■チュニジア 一九七八年
     ■現在
     ■ボーヌ 三週間後
     ■謝辞
     ■訳者あとがき 横山啓明

    主人公はイギリス情報局秘密情報部(SIS 通称MI6)をクビになった42歳の元スパイ「トーマス・ケル」… 妻「クレア」とは別居しており、単身用のアパートに暮らし、食事は総菜を買って済ませ、昼は映画専門チャンネルで古い映画を観て、毎夜飲んだくれるという生活を送っていた、、、

    そんな彼は、二日酔いで目覚めたある朝、SISのかつての同僚「ジミー・マークワンド」からの電話を受ける… まもなくSIS長官に就任する予定の「アメリア・リーヴェン」が行方不明になってしてしまったというのだ。

    女性初のSIS長官とあって、就任には組織内部に様々な思惑が渦巻いていた… 就任前に予告もなく休暇をとった彼女を怪しみ、ライバルだった高官「ジョージ・トラスコット」は「マークワンド」とともに彼女を監視させていたのだ、、、

    だが、「アメリア」は突如消息を絶ってしまう… もしこの事実が外部に漏れれば一大スキャンダルとなり、由々しき事態だ。

    そこで、彼女と親しかった「ケル」なら、行動パターンが読めるかもしれないとの判断から捜索依頼があったのだった… 「アメリア」を追いニースに飛んだ「ケル」は、彼女が「フランソワ・マロ」というフランス人と連絡をとっていたことを突き止める、、、

    「フランソワ」の両親「フィリップ」と「ジャニーン」はごく最近、カイロで殺害されてた… 「フランソワ」は何者なのか?ロンドンが考えているように、恋多き女「アメリア」の情夫なのか?

    やがて、「ケル」は「アメリア」がその昔封印した秘密… 「フランソワ」は「アメリア」の実子で、出産後に「マロ」夫妻の養子となったことを知ることになるが、そこにはフランスの対外治安総局の策謀がめぐらされていて、捜索は思わぬ方向に、、、

    と序盤からハラハラドキドキの展開… その後、「フランソワ」は替え玉であることが判明し、「ケル」は「アメリア」にそのことを伝え、偽者の「フランソワ」を利用して、捕らえられている本物の「フランソワ」の救出を計画する。

    しかし、この作戦は「アメリア」の秘密を守るために、SISの力は借りることができない、、、

    そこで、「ケル」と「アメリア」に加え、「ケル」の仲間であるSIS連絡員「エルサ・カッサーニ」、元MI5の技術者「ハロルド・モーブレイ」、元イギリス海兵隊員「ケヴィン・ヴィガーズ」、「ダニエル・オールドリッチ」や、「アメリア」が私財を使って雇った攻撃チーム「アンソニー・ホワイト」等により実行に移される… 序盤から愉しめたのですが、中盤以降、騙されていたことを知った「アメリア」が「ケル」の協力を得て反撃に出てからは、さらに盛り上がり、エンディングまでの怒涛の展開を愉しめました。

    さすが、2012年の英国推理作家協会賞「イアン・フレミング・スティール・ダガー」賞受賞作ですね… 面白かった、、、

    ホロっとさせられるプチ感動的なエピローグも良かったな… スパイモノ、面白いです。


    以下、主な登場人物です。

    「トーマス(トム)・ケル」
     元SIS部員

    「アメリア・リーヴィン」
     次期SIS長官

    「ジミー・マークワンド」
     SIS部員。トーマスの元同僚

    「サイモン・ヘインズ」
     SIS長官

    「ジョージ・トラスコット」
     SIS副長官

    「エルサ・カッサーニ」
     SIS連絡員

    「ハロルド・モーブレイ」
     元MI5の技術者

    「ケヴィン・ヴィガーズ」
     元イギリス海兵隊員

    「ダニエル・オールドリッチ」
     ケヴィンの海兵隊時代の仲間

    「アンソニー・ホワイト」
     攻撃チームの指揮官

    「フィリップ・マロ」
     定年退職した男

    「ジャニーン・マロ」
     フィリップの妻

    「フランソワ」
     アメリアが電話をかけていた相手

    「クリストフ・デレストレ」
     フランソワの友人

    「クレア」
     トーマスの妻

    「ジャイルズ・リーヴィン」
     アメリアの夫

    「ジャン=マルク・ドーマル」
     チュニジアで働く男

    「ジョーン・グートマン」
     ジャン=マルクの友人

    「デイヴィッド・グートマン」
     ジョーンの夫

    「アーキム・エラヒディ」
     "ホルスト"の誘拐犯

    「スリマン・ナッサ」
     "ホルスト"の誘拐犯

    「ヴァンサン・セヴェンヌ」
     スリマンの仲間

    「リュック・ジャヴォ」
     フェリーでフランソワと話していた男

    「マドレイン・ブリーヴ」
     フェリーでトーマスに話しかけてきた女

    「ヴァレリー・ドゥ・セール」
     リュックの仲間

    0
    2022年10月22日
  • 1922

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『1922』かなり些細なことで妻殺しして、息子は隣の家の女の子を妊娠させ、さらに連れ出し、逃亡の末自殺。なかなかひどい結末だった。今まで読んだキングの作品でもトップクラスの後味の悪さかもしれない。―『公正な取引』こちらは悪魔と契約する話で、生贄にされたグッドヒューの不幸が笑ってしまうほどひどかった。2000年代の時事ネタが都度都度挟まれていて楽しませる。クリス・ブラウンの「自分の最高の添い寝用うさちゃん」はリアーナの事だろうか。しかし下品な比喩だ(笑)

    0
    2021年03月13日
  • 1922

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    キングです。ホラーです。
    ホラーっていっても、怖いんだけど、上品なんですよ。
    だから余計怖いって話なんですが。

    読んでしばらくたってるので、うろ覚えの部分もあるんですが
    1922年ごろのアメリカの中西部?中南部の田舎のお話しです。

    隣家まで数キロとか、何エーカーもの農地やら牧場を持ってるけど
    決して暮らし向きはラクではなく、家族だけでカツカツの農業を営んでる。

    こんな暮らしに妻は不満タラタラで、農地を売って都会に転居したい。
    夫は、農夫ライフにプライドを持っていて、浮ついた妻が許せない。
    そして、夫の方に従順な息子。

    農地を売る売らない、で対立したあげく、妻を殺害してしまい、
    息子と協力して枯れ井戸に埋めてしまうんですが。

    ここから、主人公の転落が始まります。

    何もかも悪い方に悪い方に、転がっていくんですな。
    妻の呪いか、と主人公は思うのですが、なんのことはない、
    自分の罪悪感から自滅してるだけなんです。

    勢いで殺しをやると、ロクな結果になりません。
    あと、ネズミは怖いです。アレックスでもネズミ、大活躍でしたし。

    0
    2021年02月16日
  • 弁護士の血

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    冒頭からスリリングな展開、アクションシーン、法廷シーンもなかなかの迫力。若干、爆弾の取扱いに無理があり、助けてくれる人との関係性の説明が、あれだけやってくれることを考えると少し足りないような気がした。が、全体的に面白かった。このシリーズが続くなら読み続けたい。
    それにしても、最近のアメリカのアンダーグラウンドにはロシアンマフィアがよく出てくるなー。現実そうなんだろうなー。

    0
    2018年12月31日