久世光彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
スランプ気味の乱歩さん、美青年のボーイのいる長期滞在型ホテルに逃げ込んで…えらい妄想にふけりつつ『梔子姫』という小説を書き上げる…という話。
「禿げてるくせに甘えてみる」とか
「美青年と一緒に異国の曲を聞く-こんなことなら着替えてくれば良かった」
「別にやつれていなくたって、伏し目がちでなくたって、人妻というだけでエロティックだ」とか、40歳を目前に人妻と美青年に目がない乱歩さん。
なんか怪奇小説の巨匠とされているけれど、かなりお茶目というか何というか。
乱歩の小説を読み込んでいるわけでもない私ですが、久世光彦が乱歩として書いた『梔子姫』だけでも「乱歩っぽいな」とそれとなく浸れました。乱歩ファ -
Posted by ブクログ
東京日本橋の老舗人形屋の美人三姉妹の恋と生き方を、昭和14年から昭和20年の東京大空襲まで描く。
菊乃の二人の姉への疎外感や、三姉妹の祖母・お吟さまのパリッとした態度が、脳梗塞をきっかけに徐々に衰えていく様子や、お吟さまのという大黒柱の死や三姉妹の悲恋、戦争が熾烈になっていくにしたがって寂しくなる家の様子の表現は逸脱。
《以下ネタバレ》
ようわからんかった。
はじめは、華やかな三姉妹がキャッキャしているけれど、だんだん暗い話になっていく。
長女・ゆり子は年の離れた右翼の男と関係を持ち、男の起こした事件により警察から嫌疑をかけられる。男が殺される現場に居合わせ、自殺を図る。
次女・真琴は