中村彰彦のレビュー一覧

  • 新撰組秘帖
    新選組の時代小説はかなり読んだが、戊辰戦争後のことはほとんど知らなかった。
    その点から感銘を受けた。
    また読みたい。(2021.9.7)
    ※売却済み
  • その日なぜ信長は本能寺に泊まっていたのか 史談と奇譚
    渋沢栄一大久保卿の器量を見限る?
    財政厳しい折の要望がデカすぎたのでクギを指すと
    「なら会計しめるまで軍への支出は出来ないのか!」
    「愚見は言いますが大蔵卿の考えでドーゾ」退職w

    西郷の不見識も批判する
    「相馬藩への二宮尊徳仕法の財源だけは確保せよ!」
    「相馬藩よりも国家の興国安民法を卿は考えるべ...続きを読む
  • むさぼらなかった男 渋沢栄一「士魂商才」の人生秘録
    渋沢栄一関係の書籍として手に取りました。「伝記」というほど物語(エンタテイメント)性に特化しているわけでもなく、どちらかというと研究書(史料にもとづく記述が中心)に近いかもしれませんが、一般読者を対象として渋沢の業績を紹介する本だと感じます。
    大蔵官僚・実業家としてどのように活動したか、というエピソ...続きを読む
  • 北風の軍師たち(上)
    第11台将軍徳川家斉が大御所となっていた治世、幕府は川越藩、庄内藩および長岡藩の3藩に対し三方領地替えを命じた。
    数多くの領地替え、転封を命じられ、川越藩は累積した赤字で青色吐息の状況、打開すべく、家斉の二十四男紀五郎を養子に迎え、豊かな地への所替えの命令を受けることに成功する。

    三つの藩はそれぞ...続きを読む
  • 保科正之の生涯 名君の碑
    死せる保科正之、会津藩の運命を変える
    会津藩家訓の事です
    既視感しかないのは「将軍の子」を読んだから
    でも昔死ぬ前に自分の業績を全て焼き尽くした
    ため事績を示す古文書が少ないと読んだ気が?

    母親の生き様から丁寧に書く事で、小説家らし
    く「あの制度」を作った動機「あの判断」を下
    す基になる経験・感情...続きを読む
  • 二つの山河
    再読、★2.5だがおまけで。
    表題作ってテレビ番組か何かで同じことやってたこともあるのか、何と言うんでしょうか、超えていく感覚が正直無いです。他の2作も何か濃さが足りないんですよね、、直木賞?という感覚はあります。
    しかし表題作の題材は熱いものがあります、結局人間の持つ実直さの熱量は古今東西誰をも動...続きを読む
  • 二つの山河
    鳴門市ドイツ館に今度行こうと思うので読んだ。
    松江所長たちと俘虜ドイツ人たちとの交流。
    日本人でこんな方がいらっしゃったのだなぁと。

    淡々と記録という感じで、もっといろんな会話やエピソードが細かく書かれてたら良かったのに。小説としてはどうだろう??
  • その名は町野主水
    主人公の史実の話は何歳か自分も知っており、興味を持って手に取りました。
    比較的時系列を追って淡々と書かれている内容に思いました。主人公から見える部分を中心に書いているイメージです。
    個人的にはもう少し戊辰戦争についての描写があることを期待していました。
  • <増補決定版> 白虎隊
    白虎隊についてはあまり詳しくないので、時系列でない、行ったり来たりの書き方が分かりにくかった。
    例えば白虎隊の生き残り、飯沼貞吉について書いてある部分も、諸説が別々の章で書かれているので、スムーズに頭に入ってこないのだ。

    幼い頃から「什(じゅう)の掟」で、人としてのあり方をしっかり教え込まれ、年長...続きを読む
  • 風雲児・前田利常 われに千里の思いあり(上)
    昔の大河ドラマ「利家とまつ」の最後の方で、利家の晩年の子として生まれて、長女夫婦に預けられて、やがて、3代目の藩主となったのを聞いて、前田利常に興味があった。
  • 名君・前田綱紀 われに千里の思いあり(下)
    「名君の碑」を先に読んでいたので、だいたい内容は頭に入っていたが、後半になるにつれて、何かと借金をたのまれる加賀前田家。綱吉の時代なんか、家来の家になにかとお出ましになるからお金もばかにならない。これだから江戸時代の中期以降は、財政難を救うために、享保、寛政、天保の改革を出すようになる。100万石で...続きを読む
  • 快男児・前田光高 われに千里の思いあり(中)
    何かと、幕府からにらまれて謀反の疑いをかけられる加賀前田家。
    それを家来の横山大膳が幕府に弁明する場面を見て、この人は現代においても弁護士で通用すると感じた。
  • 保科正之の生涯 名君の碑
    そこそこページ数がありますが、読みにくさは感じません。
    会津で「負わせ高」の廃止や江戸城天守閣再建に異議申し立てるところなど、ぐっときます。

    保科正之公は、清廉を体で表すような偉人だと思います。
    会津藩家訓十五か条も、私はその一に非常に感銘を受けるのですが、一方で、この類稀なる名君を藩祖とした会津...続きを読む
  • 真田三代風雲録(下)
    物語としては、史実に忠実であろうとしたためだと思うが派手さや、面白味には少々欠けた。しかし、その分リアルで、当時の武将のものの考え方や、合戦の様子はさもありなんと感じた。

    そもそも日本人は滅びの美学に弱く、どうしても昌幸、幸村贔屓に成ってしまうが、真田家を存続させた信之の物語も読んでみたい。
  • 新選組全史 幕末・京都編
    小説と小論文のあいのこみたいな文章というか本。新撰組がお好きならどうぞ。
    中村彰彦のものは悪くないし、よく調べてあると思うんだけど、面白いと思ったことが一度も無い。教科書を読んでいるような気分になる。
  • 新撰組秘帖
    「秘帖」というだけあって、平隊士を中心に、知られざるエピソードを扱う短編小説集。

    結構硬い文で、ちょっと読みづらく、また、どちらかというと明治まで生き残った隊士のその後を描いた作品が多いので、どうしても暗くなりがちなので、ちょっと根気が要ります。
    短編集にしては、一つ一つも長くて、よく言えば読み応...続きを読む
  • 小説 立見尚文 闘将伝
    立見鑑三郎のちの立見尚文の物語である。

    戊辰戦争では、会津藩が朝敵とされたものとすぐに頭に浮かぶが、桑名藩もまたそうである。桑名藩主の松平定敬は会津藩主の松平容保の実の弟になる。立見は桑名藩の主戦派を従え、雷神隊を組織し、官軍に徹底対抗したが、会津が降伏したことで刀を納める。その後、朝敵として冷や...続きを読む
  • 幕末維新史の定説を斬る
    龍馬上意討ち。実行犯人は京都見廻組の今井信郎でほぼ確定しているが、それを命じた佐々木只三郎が薩摩藩と繋がりがあったことを明らかにしている。京都守護職をなぜ松平容保が受けたのか?保科正之からのDNAだけでなく、名宰相田中玄宰の藩政改革に求めている。最後に孝明天皇毒殺説の真偽。多くのページを割いて毒殺の...続きを読む
  • 跡を濁さず 家老列伝
    「東に名臣あり」からの家老列伝。本人が惚れ惚れするほどの人物なのに主君に恵まれなかったり、時代に恵まれなかったり、主君が代替わりした途端に、人が変わったように落ちぶれたりと、様々。戦国時代から明治に至るまでの6名を取り上げていて、それぞれ興味深かった。福島丹波守治重と男爵山川浩はかっちょよかったなぁ...続きを読む
  • 保科正之 徳川将軍家を支えた会津藩主
    家光の四男、保科正之。恥ずかしながら最近までその存在を知らず。松平を名乗ることを潔しとせず、ひたすら世のため人のために陰から幕政を支えた男。江戸時代があれほど長く続いたのはこの男の存在に依るところが大きいのでは。会津と徳川の関係もそういうことかと納得。