中村彰彦のレビュー一覧

  • 落花は枝に還らずとも(上) 会津藩士・秋月悌次郎

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    上下巻。
    若くしては昌平學にて「日本一の学生」と呼ばれ老いてはラフカディオ・ハーンに「神のような人」と称された、会津藩士秋月悌次郎の生涯を追い描く。
    2013年大河ドラマの余波で、数年前から積ん読されていた本をサルベージしました。

    武官に比べて文官は歴史に沿って物語を追い描くのが困難、と、筆者自身もいわれていますが、残された記録と逸話と想像と創造と記録からの考察を程よく合わせて、歴史の波に乗ったひとひらの葉のように時の流れと秋月悌次郎そのひとをしっかりと描かれていると思う。

    最後の章などはわたし自身も秋月の今までの過ぎし日を思い起こして、しみじみと感じ入りました。

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    2013年03月24日
  • 落花は枝に還らずとも(上) 会津藩士・秋月悌次郎

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    3年前に読みかけて積んでた本。今年の大河で秋月が活躍しているのを見て読みはじめました。感想は下巻を読んでから。

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    2013年03月06日
  • 会津武士道

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    2013年2月
    ・江戸時代の会津藩の成り立ちや,会津特有の思想を考察した本
    ・会津藩の天皇や幕府への忠義心,ぶれない心の強さを感じた
    ・明治以降に受け継がれた会津藩の魂の解説も

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    2013年02月25日
  • 新撰組秘帖

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    新選組の中では比較的有名でない隊士に焦点を合わせた短編集。硬質で淡々とした文章が、かえって胸に沁みる。
    一番のお気に入りは「五稜郭の夕日」。市村があまりに健気で哀れで、読んでいてそっと抱きしめたくなる。ごく短い短編だけれど、数多くの新選組小説の中でも指折りで大好き。

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    2013年01月15日
  • 保科正之 徳川将軍家を支えた会津藩主

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    武断政治から文治政治への転換期において、保科正之の政策が如何に重要だったのかが良くわかります。私生活の暗い陰を払拭するように政務にうち込み、民衆の信を得て一時代を築いたまさに名君ですね。著者の惚れこみようも相当なものです。

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    2012年10月29日
  • 知恵伊豆と呼ばれた男 老中松平信綱の生涯

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    ■ 面白く読める一冊。この作者の本はおもしろい。
    ■ 江戸初期における名老中伊豆守の話。非常な傑物であり、もっと世に知られても良い人物と思う。

    ・「三つ子の魂百まで」‐幼児の性格は年老いても変わらないという意味。
    ・「一人扶持」とは男ひとりが一年に食べる米の量。一日につき米五合。
    ・上さまのお戯れには、戯れの御返答をせよ。
    ・意趣(恨み)。
    ・「奉行に才智なく詮議が不十分だからこそ拷問となるのだから、拷問は奉行の恥なのだ」。
    ・些細な罪を見とがめて人を捕縛し、重い刑に処する者を酷使という。
    ・島原の乱において、大兵力を誇示し、キリシタンは撫で斬りにするとの決意を伝えながら、棄教して城を出るも

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    2012年01月29日
  • 小説 立見尚文 闘将伝

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    ■歴史小説として面白いオススメ〇
    ■東洋一の戦術家と言われたほぼ不敗の名将についての小説。全体的に戦闘描写が非常にわかりやすく特に戊辰戦争における北越戦争は完成度が高い。

    ・抜刀切り込みについて、一般に手薄なところへ突っ込んでいき、左右の敵に背後へまわりこまれるよりも、初めから敵の密集したところを狙った方が効果は上がる。その集団が敗走すれば左右もそれに続いてしまうし、あえて立ち向かおうとする者がいたとしても、その視界には自分の背後に悪鬼のような表情で続く味方も映っているはずだから、どこか腰が引けているものだからだ。
    ・「知行合一」=知識と行動との合致を尊び、信じて断行する時には結果を恐れては

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    2011年12月13日
  • 風雲児・前田利常 われに千里の思いあり(上)

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    戦国末期から江戸初期に掛けての加賀前田家についてよく書かれており分かりやすかったです。

    3代目の利常よりもどちらかと言うと2代目利長についてよく分かりました。
    まだ中巻を読んでいないので何とも言えないのですが、利常に関して途中で終わってしまっていたので非常に続きが気になります。このまま4代目の光高の記述にいくのは非常に残念な終わり方なので次の中巻を楽しみにします。

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    2011年11月12日
  • 名将がいて、愚者がいた

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    〇読みやすく面白い、好著。
    ・「才気ある馬鹿ほど始末が悪い」
    ・「人に殴られた者は、その痛みをいつまでも忘れないが、殴った方は自分の行為など、まもなく忘れてしまう」
    ・かの有名な加藤清正公の孫光正は、一家臣に一杯食わせて笑いものにしようと思い<謀反ごっこ>を行なった。これが大問題に発展し幕府の峻烈な裁断から、結果54万石肥後加藤家は断絶となった。
    ・「売り家と唐様で書く三代目」。一代の英雄を出した名門も、孫あたりから大体ピントが外れてくる。
    ・煙草が原因で起こった、1657年1月の<明暦の大火>から、[知恵伊豆]と渾名された松平信綱は本邦初の禁煙ポスターを作成し、大きな効果を挙げた。
    ・「不惜

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    2011年11月01日
  • 完本 保科肥後守お耳帖

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    亡き父との接点に・・・
    やっぱり立派な家系だったかも?

    結婚して保科の姓を捨てましたが、
    一人娘なので・・・・
    保科を絶やすのは・・・
    と、思ったくらいのインパクトがありました

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    2011年09月30日
  • 新撰組秘帖

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    ネタバレ

    加納惣三郎・松山幾之介・伊藤源助・富山弥兵衛・忠助・島田魁・市村鉄之助・橋本皆助・相馬主計
    馬丁の身で近藤・土方につき従い最後まで戦い抜いた忠助と島田魁の話が良かった。
    橋本皆助編では原田左之助が生きて妻子の元に帰りついており、馬賊伝説へとつながっている。
    島田魁編では永倉新八も登場。

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    2011年08月22日
  • 明治新選組

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    ネタバレ

    最期の新選組隊長相馬主計を主人公とした一遍が「明治新選組」。
    相馬については割腹死と伝えられるが、死を選んだ理由については「他言無用」との遺言により伝わっていない。
    この作品では、函館戦争終了後の相馬と相馬の戦友野村利三郎への想いが描かれ、その死へと繋がっていく。
    表題以外の作品は新選組隊士の話ではない。

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    2011年08月15日
  • 落花は枝に還らずとも(上) 会津藩士・秋月悌次郎

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    会津と薩摩の間であれだけ活躍し、長州に睨まれた秋月が一部の薩長人に助けられ、明治新政府下でも活躍の場を見出していくのは学問と人柄のおかげなのだろう。同じような境遇の佐川官兵衛はその軍人版とも言える。会津からみた明治維新についてもっと知りたくなった。
    漢詩も読みこなせるようになりたいものだ。

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    2011年06月17日
  • 二つの山河

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    第111回直木賞。
    第一次大戦中の徳島県、板東俘虜収容所が舞台。ここの所長・松江豊寿は当時では珍しく、ドイツ人俘虜に友愛をもって接した。
    ドイツ人の文化・文明を尊重し、また、技術を吸収した。印刷、木工、写真、縫製などの技術のほか、パン、ハム、ビール、お菓子などの製造方法や、音楽、スポーツなどだ。収容所内で小売店を開くことを許したほか、近所の住民に技術指導したりした。
    なぜ松江がこれほどに、武士の情けをもって俘虜に接したか、彼が会津生まれだという背景に基づいて描かれている。
    ちなみに、バウムクーヘンでおなじみユーハイムも、俘虜収容所が発端の会社だそうだ。

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    2011年05月14日
  • 名将がいて、愚者がいた

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    人物伝
    ただし有名人は少なめで
    歴史に詳しい人向けかなぁと思う。

    歴史を学べば学ぶほど、保守的な思考に陥りがちやけど
    一方で学ぶべきことは多いとは思う

    特に保科正之の項は読む価値あり。

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    2011年05月09日
  • 保科正之 徳川将軍家を支えた会津藩主

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    徳川秀忠の子でありながら、庶子ゆえに嫉妬深い正室於江与の方を怖れて不遇を託っていた正之は、異腹の兄家光に見出されるや、その全幅の信頼を得て、徳川将軍輔弼役として幕府経営を真摯に精励、武断政治から文治主義政治への切換えの立役をつとめた。
    一方、自藩の支配は優れた人材を登用して領民の生活安定に意を尽くし、藩士にはのちに会津士魂と称される精神教育に力を注ぐ。
    明治以降、闇に隠された名君の事績を掘り起こす。

    [ 目次 ]
    第1章 家光の異母弟として
    第2章 将軍家綱の輔弼役
    第3章 高遠・山形・会津の藩政
    第4章 その私生活

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ 

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    2011年04月06日
  • 明治新選組

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    短編集。新撰組の話は表題作のみ。相馬主計の切腹までを新たな解釈で描いた話。

    他、幕末のエピソードは、龍馬を暗殺した見廻組・今井の話と、密命を代々受け継いでいる尾張の下級武士の話の2本。
    あとは、家康の祖父の家臣・植村新六郎の話、柳生十兵衛の弟・宗冬の話など、時代はまちまち。

    文庫を買おうとしたが、すでに単行本で持ってた。引越し作業中に発掘。

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    2010年08月30日
  • 落花は枝に還らずとも(上) 会津藩士・秋月悌次郎

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    秋月悌次郎は、幕末の京都で守護職を務めながら時代に翻弄され、逆賊の汚名を一身に集めてしまった会津藩主・松平容保公のそばにあって、公用方を務めた一人だ。はなやかな幕末の歴史のなかでは、地味な脇役でしかない一文官の一生がこんなにも波乱にとみ、静かな感動をくれるとは思ってもみなかった。
    そこには、「学問とは人としての道を知るためのもので、およそ人たるものは道義に生きるべきなのだ。」という、秋月が19歳の時に忽然と理解し心に落とし込んだ思想が、どんな境遇にあってもぶれることなく貫かれていた。それが、清々しい感動につながっているのだろう。

    著者が語っているように、秋月悌次郎は、文官の最たるものなので、

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    2010年04月20日
  • 新撰組秘帖

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    隊士個人にスポットをあてた短編集。維新後を生きた隊士の話など。時代活劇ではなく実話を丁寧に記している感じ。すでに知っているエピソードも面白く読めました。いくつかの話は電車の中で泣いた!

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    2010年04月06日
  • 北風の軍師たち(下)

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    上巻のつまらなさがすっかり晴れる一冊。下巻からは多三郎がすごくかっこよくなり、定四郎はすごく大人になる。最終的には、この兄弟、佐藤親子など、結構有名な人物になる。そこに行き着くまでのストーリーが痛快。

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    2009年12月17日