中村彰彦のレビュー一覧

  • 剣士 伊庭八郎の生涯

    Posted by ブクログ

    「粋な江戸っ子で、剣術道場の跡継ぎで腕は立つ」という、「娯楽時代劇のヒーロー」を地で行くような好漢が、「力尽きるまで闘い、討ち死にしても本望」という一途な想いで箱館を目指したのは何だったのか?何か余韻が残る…

    0
    2014年03月07日
  • 会津武士道

    Posted by ブクログ

    会津藩、藩祖保科正之。
    名宰田中玄幸。
    幕末の会津藩の悲劇は保科正之の定めた御家訓だと思ってたけど、保科正之を知ることであの家訓の背景、意味を理解。
    容保様についても勿論触れているが、政治家としての手腕は別にして、やはりこの人は人として優れていたのだ。


    後半で幕末の藩士、著名な女性陣にも触れていて楽しめた。
    会津よりの人なので偏りはあると思うけど面白い本だった。

    0
    2013年09月08日
  • 会津武士道

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    会津出身の私が,逆にいろいろと教えていただいた.幕末の悲劇は,なんとなく知っていたものの,それに至る歴史はほとんど知らなかった.
    ・藩祖の保科正之は,家光の異母兄弟.長野県高遠藩の出身.(会津の源流は,高遠)
    ・正之は将軍家綱の輔弼役として,幕府を指導.(玉川上水開削,制度改革など)
    ・家光(異母兄)の信頼篤く,独特の報恩思想に.
    ・会津藩家訓を制定
    ・5~7代藩主に仕え,中興に力を尽くした家老:田中玄宰の改革を特筆.
    ・幕末の容保(9代藩主)の時代は,今年のNHK大河ドラマ「八重の桜」でも描かれている.
    ・明治維新後,会津は逆賊とされ,働き先がない,軍での昇級が認められないなど,差別を受けた

    0
    2013年08月16日
  • 修理さま 雪は

    Posted by ブクログ

    歴史に基づきながらも、小説として描かれているので、当時の複雑な事情もかなりわかりやすかった。
    これまでの歴史書では堅苦しく、難しいものが多かっただけに、小説として読むと心情的な部分で共感しやすくなり、この時代に生きた人々の痛み苦しみが強く迫って、辛かった。
    意志を以て人生を選び取った女性もいれば、時代や立場に従い全うする人生だった人も。壮絶な人生を送った女性たち。ただただ凄まじさに圧倒されるばかりでした。

    0
    2013年01月31日
  • 保科正之の生涯 名君の碑

    Posted by ブクログ

    NHKの番組「BS歴史館 今いてほしい!?日本を変えたリーダーたち(2)保科正之」2012.4.27を見て感動し、すぐに本屋に飛んで行きました。

    本著の著者中村彰彦氏も出演されておりました。懇切に保科正之の業績を説明する一方、朝敵として認知された会津藩の祖というフィルターを通してしか昨今は語られないことに静かに憤慨しておられる姿が鬼気迫っていました。

    同じ出演者の黒鉄ヒロシ氏は「名君中の名君」と絶賛。

    そこまで人にして言わしめる人物を丁寧に書ききった名小説です。

    正之の出生こそが正之を運命付けたのであり、生涯その則を越えることなく卓越した業績を残したことがよく分かります。

    会津藩主と

    0
    2012年05月10日
  • 明治新選組

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『明治新撰組』

    『近江屋に来た男』

    『後鳥羽院の密使』

    『斬馬剣新六郎』

    『一つ岩柳陰の太刀』

    『尾張忍び駕籠』

    0
    2012年03月22日
  • 保科正之の生涯 名君の碑

    Posted by ブクログ

    保科正之、徳川4代将軍家綱時代に活躍した、民政を重点にした政策を行った名君で、会津藩祖。あまり知られていない殿様だが、現代の政治家、特に首相や大臣クラスの政治家に見習ってもらいたい人物。小説なので読みやすいのですが、約700頁とボリュームがあります。

    0
    2011年08月22日
  • 名将がいて、愚者がいた

    Posted by ブクログ

    戦国時代から幕末維新まで、武士が武士らしく生きた時代を彩る人物群像を、資料の読み込みと偏見を排した視点から描く。 あまり知られていない人も含めて、範とすべき生き方をした人々、そしてダメな人もやはり多い。 歴史がもっと面白くなる論考集。 全体を貫いているテーマは、ひとはどのように生きれば美しいかを歴史に学ぶ、ということだと思う。

    第一部は、本のタイトルでもある、「名将がいて、愚者がいた」。 戦国から江戸期にかけての器量人と、それをとりまくダメだった人を取り上げる。 最初に俎上に載せるのは、織田信長と上杉謙信の先見性の比較。 「名奉行矢部定謙と「妖怪」鳥居耀蔵」に登場する矢部定謙など、地味だが高

    0
    2011年03月25日
  • 落花は枝に還らずとも(下) 会津藩士・秋月悌次郎

    Posted by ブクログ

    下巻。蝦夷左遷から後世まで。どこまでが史実なのかよく分からないけれど、人となりが伝わってきた。最後の方でラフカディオ・ハーンが神さまについて書いているくだりがあるが、日本の神と西洋の神は違うのだと興味深かった。
    2011/3/10

    0
    2011年03月10日
  • 名将がいて、愚者がいた

    Posted by ブクログ

    日本史が面白くなる一冊です。有名な殿様、その下にいた有能・無能の家老たち。現代で見習いたい人たち、反面教師名人たち・・。いろいろです。

    0
    2010年03月13日
  • 明治新選組

    Posted by ブクログ

    相馬&野村を語るには、この本を無くしては語れませんッ!!!
    相馬の強くて重く、暑苦しいまでにひつこい友情!!そして、歪んだ想い。
    『野村』って変名した時点で、「コイツ野村の嫁に行く気か?」と
    本気で思っちゃいましたよ!!!
    奥様おエツさんに対してはある意味失礼な男です。
    妙に女慣れしている相馬に……頼むから、鶏はやめてください(泣)。
    野村の為に生き、野村の為に戦い、野村の為に死ぬ。そんな男でした。
    とにかく、相馬&野村のバイブルですよ!!!
    相馬&野村の入門書!!! 必読デス★

    0
    2009年10月04日
  • 黒船以前 パックス・トクガワーナの時代

    Posted by ブクログ

    両者による対談形式。
    良書だと思います。この時代は、分かりにくい概説書が多い中、開国以降も念頭に置き、パックス・トクガワーナ(徳川の平和)について述べています。
    基本的には江戸政権の再評価といってよいと思います。

    食い入るように読みました。黒船以降とのセットでどうぞ。

    0
    2009年10月04日
  • 修理さま 雪は

    Posted by ブクログ

    これは会津の戦いで運命に大きな影響を受けた7人が取上げられている。取上げられているのは神保雪子、中野竹子、西郷頼母、山本八重子、飯盛山の農民、鈴木為輔、郡長正という7名である。
    7人の男女に各々のドラマがあり、それぞれに興味深い。個人的には「その後の西郷頼母」を綴った作品が面白かったが、標題作の『修理さま 雪は』の“あじわい”が非常に好い。

    0
    2009年10月04日
  • 落花は枝に還らずとも(上) 会津藩士・秋月悌次郎

    Posted by ブクログ

    この種の作品は「歴史を題材とした小説」と呼ぶべきものと、「小説の体裁で語られる伝記・歴史」と呼ぶべきものに大雑把に大別出来るような感じがするのだが、本作はどちらかと言えば後者である。秋月悌次郎は幕末の会津家中にあった文官である。その学識や、文才が評価され、“京都守護職”として京都で活動した家中に在って、“公用方”として諸藩との交渉、情報収集・分析に当たったことで知られる人物である。彼の活躍、生い立ち、会津を巡る戦いのこと、明治時代に入って教育者となったことなど、波乱に満ちた人生を朗々と綴り切った力作である。

    0
    2009年10月04日
  • 落花は枝に還らずとも(上) 会津藩士・秋月悌次郎

    Posted by ブクログ

    秋月悌次郎を主人公にした小説。
    公用方としての奮闘っぷりが描かれています。

    上巻は八月十八日の政変まで。

    京都守護職始末記と平行して読むとなんだか嬉しい。

    0
    2009年10月04日
  • 明治新選組

    Posted by ブクログ

    表題の「明治新選組」は多分唯一相馬主計主役の話だと思う。それだけで喝采。
    野村への想いを感じます…!
    相馬の最期はそれなりに満足そうだけど奥さんはかわいそうだな…

    0
    2009年10月04日
  • 保科正之 徳川将軍家を支えた会津藩主

    Posted by ブクログ

    会津藩主といえば、松平容保が有名だが、その容保が、なぜあそこまで頑なに徳川家を支えようとしたのか、幕府の力が衰え時代が明らかに変わっていたなかで、なぜ愚直にも最後までふんばりつづけたのか、全ての源泉はこの1人の名君にあるわけで、幕末や維新のことに興味がある人は是非読んで欲しい一冊。

    0
    2009年10月04日
  • 会津の怪談

    Posted by ブクログ

    私の大好きな中村彰彦さんの短編集、時代小説、歴史小説と言うよりも史実小説と言えると思います。読んでいて時代言葉、歴史言葉、武家言葉が華麗にちりばめられているところがすごいです。艶話的なお話もあり楽しく読みました。怪談話と言うよりも教訓めいたお話があり納得しながら読み進めました。特に「名君と振袖火事」の保科正之の行動についてはすごい、今の時代に必要な人材ではないかと思ってしまいました。また中村彰彦作品を読んで見たくなりました。特に「遊撃隊始末」の復刊が待たれます。

    0
    2025年11月24日
  • <増補決定版> 白虎隊

    Posted by ブクログ

    会津関係の著作が多い中村彰彦氏による白虎隊を俯瞰した著作。若松城、飯森山など史跡を巡った会津若松への旅行を期に読みました。白虎隊は二番士中隊の飯盛山での自刃のエピソードが特に有名ですが、士中隊・寄合組隊・足軽隊の3級に分け、各級が一番・二番隊を有する計6中隊で構成されていました。本作では会津戦争における、この6部隊について時間経過とともにどんな状況にあったかを追っています。感情的な文章は極力排除され、淡々と事実のみを記述する姿勢に好感が持てます。文庫版では2つの文書に関する研究成果が追加されています。

    0
    2025年11月19日
  • 保科正之の生涯 名君の碑

    Posted by ブクログ

    家綱の補佐役として武断政治から文治政治への切り替わりに活躍した、ということしか日本史で学んだ記憶したなかったが、保科正之の生い立ちから、政治哲学、史実の中で実際に成し得たことを、具体的に学ぶことができた。
    正之の謙虚さは、生まれの境遇や家族・周囲の人々に大切に育てられた環境に負うことが大きいと感じた。秀忠の側室の息子として殺される危険や、親子の関係を名乗ることができないことに対して、世を疎んだり蔑むわけでもなく、「足るを知る」現状でいられることの在り難さや感謝の気持ちを、彼の政治哲学の根幹となっている点、それを生涯にわたって貫いたところが、比類なき優れた政治家なんだと感じた。
    「足るを知る」と

    0
    2025年08月29日