中村彰彦のレビュー一覧
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「秘帖」というだけあって、平隊士を中心に、知られざるエピソードを扱う短編小説集。
結構硬い文で、ちょっと読みづらく、また、どちらかというと明治まで生き残った隊士のその後を描いた作品が多いので、どうしても暗くなりがちなので、ちょっと根気が要ります。
短編集にしては、一つ一つも長くて、よく言えば読み応えがあるのですが、一気に読むには、息切れしてしまう長さです。
でも、大げさな感じがしないし、美談を作ろうとしている感じもしないのが、好感持てます。むしろ、誠実な人間、男気のある人間、浮薄な人間、自滅する人間、色々な隊士を、淡々とありのままに描いている印象です。
新撰組のことをあまり知らない人、興 -
Posted by ブクログ
ネタバレ立見鑑三郎のちの立見尚文の物語である。
戊辰戦争では、会津藩が朝敵とされたものとすぐに頭に浮かぶが、桑名藩もまたそうである。桑名藩主の松平定敬は会津藩主の松平容保の実の弟になる。立見は桑名藩の主戦派を従え、雷神隊を組織し、官軍に徹底対抗したが、会津が降伏したことで刀を納める。その後、朝敵として冷や飯を食わされるわけだが、それでも雷神隊の立見は官軍からも恐れられていたので、西南戦争が起こった際には少佐として新撰旅団という攻撃兵の指揮官に抜擢された。
鳥羽伏見や会津戦争、西南戦争と激動の中を戦の第一線で戦ってきたにもかかわらず、不敗の将軍として日清日露戦争までにも及ぶ戦歴は他に例を見ない。
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Posted by ブクログ
天地明察の中に登場した人物で、どこかで読んでみたいと思って手に取った本。
飢饉時の貧農・窮民の救済のために開設した「社倉制」を実行できる偉大な人物。
時代劇とかに出てくるお米を貸して金利2割で返すなんて悪党のやることじゃんって思ってたけど、その金利分は窮民のために使うためとあればすごい。
そして凶作とかだと、金利分を免除したりと、民のための政策であることが十分に伝わる。
また、天守閣も見晴らしが良いだけで、役に立っている例が過去の文献に無いといって、建て替えたりしないのもすごい。特に見た目にこだわらず、国費を何に使うかという(=民に使う)というのが一貫している。
一貫した生き方が尊敬できるの -
Posted by ブクログ
会津で育ちながら会津藩の歴史どころか日本史の知識も全く無く、会津出身者と歴史の話をしたい方々の期待を悉く裏切っており、これではいかん、ということで読んでみました。
今まで何も知らなかったことが恥ずかしい、何と純粋な心を持った方々が会津にはいたのだろう。
刹那に生きる、がモットーの私には当時の会津人の心意気が全く無いようです。
将軍輔弼役としての保科正之の大事業である玉川上水開削、その結果新たにできた村のひとつに、現在住んでいるようです。
因縁とは言いませんが何だろう、ちょっと嬉しい。
私の歴史の知識が中学生レベルなのは、高校で地理しか学んでいないから、当時話題になった履修漏れです。
本