中村彰彦のレビュー一覧

  • 保科正之 徳川将軍家を支えた会津藩主
     ゴジラに破壊されようが、巨神兵に薙ぎ払われようが、華の都大東京の象徴・東京タワーは再建されるが、華のお江戸の江戸城天守閣は再建されなかった。それはなぜかと問われれば、初代会津藩主の名君保科正之がいたからだ。

     3代将軍の家光の異母弟として生を受け、権力争いに巻き込まれることを避けてひっそりと育て...続きを読む
  • 明治無頼伝
    斉藤一の話。
    私が好きな会津もの。
    中村さんの作品は好きで、町野主水、二つの山河、山川家ものと幾つか読んでいますが、
    この作品も良いです。
    次は、佐川官兵衛にしようか秋月さんにしようか。
    楽しみです。
  • 小説 島村速雄 海将伝
    龍馬が作った海援隊を参謀長として、日本海海戦を参謀長として参加した島村速雄の小説。明治期、日本の海軍は東郷平八郎のもと、秋山真之が有名だがその上官に当たる人物。この頃の日本海軍は一番清々しい一面があり人も魅力的に映ります。
    坂の上の雲ほど、描写は細くはないが十分、この時代を楽しめる一冊
  • 真田三代風雲録(下)
    上下巻あわせて。
    元々真田贔屓の私でしたが、いっそう好きになりました。
    幸隆、昌幸、そして信幸(信之)と幸村。。。それぞれの生き様に惹かれるものがあります。
    解説や他の方も書いておられますが、もう少し信幸の話も読んでみたかったです。
  • 真田三代風雲録(下)
    上田城の攻防から、大阪夏の陣まで。

    小国ゆえの悲哀。家康や秀吉の天下取りの駆け引きに使われたりする中、決して屈することなく名を残そうとする姿って、したたかに生きる今の時代の大切な戦略のような気がしました。

    死と隣り合わせの時代だからこそ、父と子の関係であったり夫と妻の関係が美しいと思えてしまう。...続きを読む
  • 真田三代風雲録(上)
    来年の大河ドラマが真田丸ということで、真田幸隆、昌幸、雪村、幸信についておさらい。

    幸隆と山本勘助との出会い。そして、真田と武田の主従関係から、武田滅亡後は家康、秀吉と主を変えて家を守ろうとする昌幸の苦悩が良くわかりました。

    小が大を破る痛快さや、家を守ることの難しさが分かりました。何かを決断す...続きを読む
  • 完本 保科肥後守お耳帖
    父親からのお下がり。

    江戸時代初期の名君である保科正之に関するお話。
    「最後は名君が出てきてシャンシャン」って話が多いんだけど、こういうのは嫌いじゃない。
    量的に読みごたえもあるし、なかなかよかった。
  • 完本 保科肥後守お耳帖
    保科肥後守お袖帖・保科肥後守お耳帖の短編、雀の宮の盗賊を再構成・加筆修正版
    短編11話で構成され、3代将軍家光の義弟保科正之が主役・脇役と活躍
    多分史実に基づくなら、大した名君、
    合併本だけあって内容も種々
  • 修理さま 雪は
    幕末の会津の人々を取り上げた短編集。
    神保雪、中野竹子、西郷頼母、山本(新島)八重、飯盛山の農民、、
    表題の 修理さま雪は が読みたくて手に取ったのだけど
    残念ながら修理没後の話だった。。
    一般に史実だと信じられている話よりこちらのほうが信憑性高そうだけど
    できればそうであってほしくない。

    八重の...続きを読む
  • 修理さま 雪は
    以前に一度読んだのですが、『八重の桜』をみているうちに、もう一度読みたくなりました。
    『八重の桜』の解説書のようで、うなずきながら読みました。
  • 修理さま 雪は
    以前は会津のことはほとんど知識がないまま読んでいたので、再読しました。
    全7編の短編集

    「修理さま、雪は」・・・藩主松平容保の側近 神保修理の妻 雪子の物語

    「涙橋まで」・・・現在も"会津女性の華"とよばれる中野竹子の物語

    「雁の行方」・・・家老 西郷頼母改め保科近のりの晩年

    「残す月影」・...続きを読む
  • 落花は枝に還らずとも(上) 会津藩士・秋月悌次郎
    上下巻。
    若くしては昌平學にて「日本一の学生」と呼ばれ老いてはラフカディオ・ハーンに「神のような人」と称された、会津藩士秋月悌次郎の生涯を追い描く。
    2013年大河ドラマの余波で、数年前から積ん読されていた本をサルベージしました。

    武官に比べて文官は歴史に沿って物語を追い描くのが困難、と、筆者自身...続きを読む
  • 落花は枝に還らずとも(上) 会津藩士・秋月悌次郎
    3年前に読みかけて積んでた本。今年の大河で秋月が活躍しているのを見て読みはじめました。感想は下巻を読んでから。
  • 会津武士道
    2013年2月
    ・江戸時代の会津藩の成り立ちや,会津特有の思想を考察した本
    ・会津藩の天皇や幕府への忠義心,ぶれない心の強さを感じた
    ・明治以降に受け継がれた会津藩の魂の解説も
  • 新撰組秘帖
    新選組の中では比較的有名でない隊士に焦点を合わせた短編集。硬質で淡々とした文章が、かえって胸に沁みる。
    一番のお気に入りは「五稜郭の夕日」。市村があまりに健気で哀れで、読んでいてそっと抱きしめたくなる。ごく短い短編だけれど、数多くの新選組小説の中でも指折りで大好き。
  • 保科正之 徳川将軍家を支えた会津藩主
    武断政治から文治政治への転換期において、保科正之の政策が如何に重要だったのかが良くわかります。私生活の暗い陰を払拭するように政務にうち込み、民衆の信を得て一時代を築いたまさに名君ですね。著者の惚れこみようも相当なものです。
  • 知恵伊豆と呼ばれた男 老中松平信綱の生涯
    ■ 面白く読める一冊。この作者の本はおもしろい。
    ■ 江戸初期における名老中伊豆守の話。非常な傑物であり、もっと世に知られても良い人物と思う。

    ・「三つ子の魂百まで」‐幼児の性格は年老いても変わらないという意味。
    ・「一人扶持」とは男ひとりが一年に食べる米の量。一日につき米五合。
    ・上さまのお戯れ...続きを読む
  • 小説 立見尚文 闘将伝
    ■歴史小説として面白いオススメ〇
    ■東洋一の戦術家と言われたほぼ不敗の名将についての小説。全体的に戦闘描写が非常にわかりやすく特に戊辰戦争における北越戦争は完成度が高い。

    ・抜刀切り込みについて、一般に手薄なところへ突っ込んでいき、左右の敵に背後へまわりこまれるよりも、初めから敵の密集したところを...続きを読む
  • 風雲児・前田利常 われに千里の思いあり(上)
    戦国末期から江戸初期に掛けての加賀前田家についてよく書かれており分かりやすかったです。

    3代目の利常よりもどちらかと言うと2代目利長についてよく分かりました。
    まだ中巻を読んでいないので何とも言えないのですが、利常に関して途中で終わってしまっていたので非常に続きが気になります。このまま4代目の光高...続きを読む
  • 名将がいて、愚者がいた
    〇読みやすく面白い、好著。
    ・「才気ある馬鹿ほど始末が悪い」
    ・「人に殴られた者は、その痛みをいつまでも忘れないが、殴った方は自分の行為など、まもなく忘れてしまう」
    ・かの有名な加藤清正公の孫光正は、一家臣に一杯食わせて笑いものにしようと思い<謀反ごっこ>を行なった。これが大問題に発展し幕府の峻烈な...続きを読む