出久根達郎のレビュー一覧

  • 面一本

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    剣道二段、居合道二段、ナギナタ初段の若苗が、西早稲田四丁目の古書店に嫁ぎ、地上げ屋相手に「めええーん」と豪胆ぶりを発揮するかと思えば、そうでない。あくまで清楚で可憐、さりとて毅然たる態度を保つのだ。いかにも著者が理想とするであろう女性像に違いない。せどりのシンゴさんとの古書仕入れの旅では、色々と勉強させていただいた。最後、バブル亡者との対決は勝ち目なかろうと諦めたけど、無音の気合はお見事。ことこの本は新品を求めたかったけど、中古しか入手できず。

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    2018年02月04日
  • 佃島ふたり書房

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    (オーディオブックにて)
    佃島の話、というのに惹かれて読み始めた。
    古本屋の歴史。
    あまり期待していなかったに、気がついたら引き込まれていた。
    過去の出来事から今に到るまでの佃島を中心とした素敵な話です。

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    2017年12月31日
  • 続 御書物同心日記

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    前作も、面白く読んだ。
    御書物方同心なる役があったこと、紅葉山の德川家の御文庫のこと、そこでどんな仕事があったのか、どれも知らなかったことばかりで興味深かった。
    ごく短い短編なのに、古書をめぐる謎とその解決がそれほど不自然でなく展開する手際の良さも、見事だと思った。
    ただ、前作は埃やネズミの糞、紙魚、腐った弁当など、何かこ汚い話が多くて、気分的に嫌になったぶぶんもある。

    で、続編の本作。
    感心するところは前作同様。
    ベテラン作家の安心感がある。
    一方、眼福満腹会の趣向とか、菊尽くしグルメとか、旗本の蔵書を改めた際にふるまわれる昼食とか、グルメ小説になったのかと思わされた。
    作中にも出て来るよ

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    2016年12月28日
  • 佃島ふたり書房

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    出久根達郎さん、1992年の直木賞受賞作

    古本屋の話、本好きにはそれだけでも楽しい
    しかし物語は結構入り組んでいて、佃島という特殊な地域に対する愛着をたっぷりこめながら、共産主義や友情や恋の話を絡めつつ、過去と現在を行ったりきたりします

    こうやって振り返るといろいろ詰め込みすぎ、作者が描きたかったのはなんだったんだろうという疑問も出てくるけど、タイトルそのまま、佃島の二人書房の物語を描きたかったということかな
    いずれにしても楽しく面白く読めることは間違いなしです

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    2015年01月19日
  • 将軍家の秘宝 献上道中騒動記

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    待ちに待った出久根さんの時代小説が発刊されたと知り、勇んで購入した。が、5年前に読んだ『御留山騒乱』を改題して文庫化されたものだった。それでもお気に入り本であったから、再読もまた楽し。お気に入りのわりに、ストーリーをほぼ忘れていた。氷室は『ザ!鉄腕!DASH!!』で見た覚えがある。献上氷はあったに違いなく、氷中花はどうだったのか。ありそうだ。出久根さんの描く人物は善悪共に秘めつつ、粋なのがいい。物語一様に殺伐としていないのも、物足りないようで安心感がある。もう時代小説の新作には向かわれないのだろうか。

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    2014年09月14日
  • 二十歳のあとさき

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    若き日の日記であり、虚飾に満ちた表現もない。現実には、仲間内でも雇用主との間でも、さらには故郷の家族との間でさえ、表現されない辛苦があったに違いないが、なんだか長閑な書きぶりで、結局は登場人物がそれぞれに活きている。

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    2014年07月01日
  • 御書物同心日記

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    小説だから事件は起こるが、退治した紙魚(しみ)の城外持ち出しをとがめられたり、お見合い相手に妹を恋人と勘違いされたり、支給された昼の弁当にあたったり、まあそんなところだ。そんなほのぼの感がますます出久根さんらしい。

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    2014年03月02日
  • 名言がいっぱい あなたを元気にする56の言葉

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    このところ、著者は近世、近代の文豪、政治家の名言集を重ねて著しておられるが、今回は往年のアスリートや芸術家など庶民的な人物も取り上げられていて興味深い。

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    2014年02月28日
  • 佃島ふたり書房

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    「無明の蝶」が候補に挙がって居乍ら直木賞を逃したと云うから、受賞作の方も読んでみなくちゃと手に取りました。
    出久根さんの長編て、どうももったりして、途中で視点が急に変わったりするので、読みにくいかなとあまり期待していなかったんですが、いやー面白かったです。
    佃島の情景描写など最初から素晴らしく、質の高い映画を見ている気持ちになります。
    主人公がとにかく本を愛しすぎ。
    そしてみんなに愛され過ぎです。
    古本を題材に、此処まで色々な物が織り込める筆力は
    (そしてこの長さでこの密度!)
    本当に素晴らしい物だと思います。

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    2013年10月27日
  • 踊るひと

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    一人称の語り口で描かれる、ミステリありホラーありの短編集。
    どれも秀逸でお流石でございますと云う感想ばかり。
    お気に入りは「花粉症」「夜の民話」「秘密の場所」。
    出久根さんの描かれる男性は(女性よりも)非常に克明で
    物語の中で自然に呼吸をしている感じがします。
    読んでいると良質のドラマを見ているようで、
    とても心地よいです。

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    2013年09月13日
  • 佃島ふたり書房

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    大正12年(1923)、昭和39年(1964)と、関東大震災、東京五輪前後の東京・佃島周辺で織り成す郡司、六司、千加子の三人の若者の本に賭けた情熱。郡司は満州へ去り、六司、千加子は夫婦に。そして約40年ぶりの郡司と千加子の出会いと千加子の娘・澄子と郡司の心の通い合い。現在の新川周辺の隅田川の情景と合わせ、3時点の時空を超えて、江戸情緒の香りにあふれた素晴らしい作品でした。昭和39年の佃大橋の開通により、初めて渡し船が廃止になった意外な近過去も驚きです。古本は命をもっているという登場人物の澄子へのアドバイスなど、本が好きな人には堪えられない楽しい本でもあります。

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    2013年08月26日
  • 御書物同心日記 虫姫

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    それでも、退屈至極な日々はつづく……。将軍家の蔵書番、御書物同心の「退屈至極な日々」を描いた大好きなシリーズの第3弾。

    前作に続きこの《虫姫》でも、丈太郎は「本の虫」に似つかわしからぬ勇猛な一面を見せる一方(「虫姫」「州崎」)、恋愛については相変わらずの奥手ぶりが微笑ましい(「鷽替」)。

    このシリーズ、けっきょく事件らしい事件はなにひとつ起こらない。事件というよりもそれは、市井のひとびとの日々にポツンとついた「しみ」のような出来事にすぎない。けれども、読み進むにつれて登場人物のひとりひとりがそれぞれ、心の裡になにがしかの《なぞ》を隠したミステリアスな存在に思えてくるのがおもしろい。ひとの心

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    2013年02月15日
  • 続 御書物同心日記

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    すっかり、その淡々とした世界にはまってしまった『御書物同心日記』。この続編では、「本の虫」丈太郎の意外に剛毅な一面とも出会うことができる。

    事件というほどの事件は相変わらず起こらないが、平凡な日常の中にときどき起こる「波風」は前作にくらべればはるかに大きく、そのぶん丈太郎も文字どおりの「活躍」をみせるのが新鮮。時間の経過とともに角一郎をはじめとする同心仲間との関係もやや密になり、淡彩な日々にもほんのり色づきはじめたようだ。

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    2013年01月02日
  • 御書物同心日記

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    いわゆる「日常の謎」系。とはいえ、ミステリというわけでもない。「謎」は解かれたり、解かれなかったりする。主人公の心のゆらぎが、静かな波紋となって読み手の心にまで押し寄せ、不思議な読後感をもたらす短編集。個人的に、とても好み。

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    2012年12月26日
  • 踊るひと

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    7篇収録の短篇集。手紙、日記、聞き書きなど様々な語り口が駆使されることで生まれている独特の幻惑感が素晴らしい。ミステリ風、ホラー風、奇妙な味風、などなどバラエティに富んだ各短篇のどれもがハズレなし。
    お気に入りは「くっつく」、「夜の民話」、「秘密の場所」。

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    2012年06月19日
  • 日本人の美風

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    さあ、元気だそうって感じだな。二宮尊徳と野口英世の項に興味深い指摘あり。改めて伝記を読んでみようという気になった。

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    2011年10月09日
  • 面一本

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     早稲田で代々家業として営んできた古本屋一家に様々な困難がふりかかります。
     
     バブル期の地上げの波が襲うなど一昔前の話ですが、家族が一致団結して家業を守る様は、とても上質な人情ホームコメディです。

     古本屋を生業としながら直木賞を受賞した出久根達郎さんの作品だけあって古本屋という仕事の細かいところまでわかって楽しいです。
     
     いまでは古本屋も仕事内容は様変わりしていて、このような古本屋がどれだけ残っているかわかりませんが、残っていて欲しいと思います。、

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    2017年08月15日
  • 御書物同心日記 虫姫

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    お名前は存じ上げていたけれど、恥ずかしながら出久根さんの作品を読んだのは2007年最後辺り。「おんな飛脚人」(これもシリーズ、オススメ)とこのシリーズ1冊目「御書物同心日記」を古本屋で見つけて読んで、面白い!と2008年頭に一気に買ったのだった。

    将軍家の御文庫に勤める同心、丈太郎が主人公。何より本が大好きで、稀本珍本に目を輝かせる丈太郎は、本好きならきっと共感出来る筈。もともと出久根さんが古本屋をやっておられたからか、本に対しての細やかな愛情が感じられるのだ。この珍しい職業設定が丁寧に書かれているので、書物同心の仕事ぶりを読むだけでも面白い。

    一応事件簿ではあるのだろうけど、天下揺るがす

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    2010年08月20日
  • 作家の値段

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    恥ずかしながら、私は近代文学をほとんど読んでいません。この本に取り上げられている作家の中では、宮沢賢治が好きで全集を読んでいますが、それ以外はぽつぽつ程度。直木三十五や火野葦平に至っては一冊も読んでいません。
    なので、こうして出久根達郎さんが丁寧に解説してくださるのは大変ありがたいです。「どの作家にも、『玄関の扉』的な作品がある。作家の予備知識を教えてくれる作品である。それさえ読めば案内なしに、まごつくことなく奥座敷に行くことができる。」つまり、この本は取り上げられた作家たちの読書案内としても有用だということだと思うのです。
    私は樋口一葉著『通俗書簡文』の「猫の子をもらひにやる文」が気にいった

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    2010年06月20日
  • 本のお口よごしですが

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     ご存じ古本屋主人の名エッセイ集。少し軽いエッセイを読みたいと手にとったのですが、うーん、100以上ある単文がそれぞれ軽そうに見えて渋みのあるエピソードで読み飛ばすことができず、時間がかかってしまいました。

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    2010年06月01日