出久根達郎のレビュー一覧
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面白かったです。出久根さんは初めて読みました。
より江という少女の視点で、夏目漱石や妻の鏡子を描く…というより、メインはより江の成長でした。
より江と猪之吉とのあれこれがほとんどだったのですが、優しい目線でおおらかに読めます。
描かれる出来事は、どの登場人物にとっても結構おおごとなのですが、穏やかに素直に描かれているので良かったです。
鏡子夫人は悪妻でもなんでもなかったです。むしろ、漱石と付き合うにはこれくらいさばけていた方が良いと思いました。
漱石の著作のモデルとか、エピソードの元になったものも色々と挙げられていて、また読みたくなりました。
エピローグで、実際の久保夫妻が福岡にいたのを知って -
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ネタバレ内容(「BOOK」データベースより)
佃の渡しが消えた東京五輪の年、男は佃島の古書店「ふたり書房」を立ち去った―大逆事件の明治末から高度成長で大変貌をとげる昭和39年まで移ろいゆく東京の下町を背景に庶民の哀歓を描く感動長篇。生年月日がまったく同じ二人の少年が奉公先で知り合い、男の友情を育んでいく。第108回直木賞受賞作品。
書店のほんわか話かと思いきや、古書が熱かった時代の闇をはらんでいます。昔は本がとても大きな力を持っていたんだと読んでいてある意味うらやましい気持ちになりました。本を語り合ったり議論したりは楽しかっただろうな。
色々盛り込み過ぎて商店がぼやけているのが残念。 -
Posted by ブクログ
出久根さんの現代物は初挑戦。先日からどうも時代物で良い作品に出会えず、現代物に走ったわけですが・・・・。
面白い本です。でもね、やっぱり少し肌触りの悪さを感じてしまいます。
最後の地上げ屋の黒幕との対決シーンは頂けませんが、その前の部分は古本屋(著者の実際の家業でもあります)という面白い世界を舞台に、トントンと小気味よいほど進んでいきます。大きなストーリー立ては面白いのです。セドリのシンゴさんなども魅力的ですし。しかし、細かな流れがどうも私の感覚と会わないようです。
ちょっとしたエピソード、それが後ろに繋がるものだと思っていたら、そのまま立ち消える。そんな感じが随所に見られるのです。そこ -
Posted by ブクログ
古書店営む傍ら、作家活動をしている人と聞いて、以前から一度読んでみたかった。
まさしく古書に絡む作品。
江戸時代の、徳川家の文庫(紅葉山文庫)を守る同心たちの物語。
公方様の本、神君家康公の御手沢本に万一のことがあっては、と、挟まっているごみのようなもの、汚れまで一々記録を残すお役所的な発想に、思わず苦笑。
と当時に、学生時代、大学の古典籍調査のバイトをしていた頃のことを思い出した。
たしかに、ネズミの糞とか、挟まっていたりしたよなあ(我々の仲間内では、「ロス・フンチョス」と、ふざけて呼んでいたっけ)。
持ち上げた瞬間、綴じ糸が切れて崩壊するとか。
私たち学生バイトが扱っていたのは、割と出回