宇野千代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこの本の存在を知ったのは学生時代だった。恩師の文学の講義でたまたま取り上げられていたのだ。
どんな苦労や不幸をも幸せに変える宇野千代の生き方を、先生は惜しみなく称賛していた。
先生の人生にも様々な障害や苦労あり、しかし、それを全く感じさせない人だった。いつも太陽のような天真爛漫な明るさと笑顔とユーモアで、講義の間中笑いが絶えることはなかった。そんな先生と「生きていく私」は何度も私の心の中でリンクしたものだった。
「生きていく私」は、宇野千代の自叙伝である。
何度もの結婚と離婚、戦争、経営していた会社の倒産。波乱の人生に翻弄されながらもこの本に悲壮感はない。
宇野千代は、ど -
Posted by ブクログ
”(元)妻のおはん”と”愛人のおかよ”との間で揺れる、優柔不断なバカ男の話。
昔言葉なので多少読みにくさはあるが、男の語り言葉の柔らかさと美しさは秀逸。
こういうダメな男って、捨てられないんだよなぁ~と思いながら読む。おはんの気持ちはわからなくもないが、哀れでちょっと怖い。
子供のためと思ったことが、結局は死なせることになり、自らも男の前から姿を消してしまうことに。うそつき男を信じたばっかりに。
男もおはんも、おかよも欲深い人間だったが、一番欲が深かったのは、おはんだったのでは。
手紙だけ残し、姿を消すところも『私を忘れないで』と
念を押しているような感じで恐ろしい。
主人公の男も、おはん -
Posted by ブクログ
毎日新聞に連載されていたという自伝的エッセイ。特に半生を語った前半部分はほとんど小説を読んでいるかのよう。時代は大正末期から昭和中期。複雑な家庭環境、地元での教員生活、上京後の文士たちとの交流、焼け野原からの雑誌発行、その成功と没落等々、どれも当時の風俗が垣間見えて興味深い。後半は時代も現代に近づき、エッセイ色が強くなる(それでも30年ほど前だけど)。
まず文章が読みやすい。新聞連載なので一話が短く、テンポよく読める。まとまった読書時間がなかなか取れない人(私です)に特におすすめ。恋愛遍歴が有名だけれど「恋愛」部分の描写は多くはない。恋愛好きというよりはただひたすら、自分に正直な人だったのだろ -
Posted by ブクログ
自信たっぷり、という感じの所も読み取れるのに嫌みがなく(むしろとっても微笑ましい)、全て70代から後に書かれた文章であるのにまるで少女みたいな可愛らしい文章。
彼女自身辛い事や悲しい事もたくさんあったとは思うのだけどそこを全くクローズアップしようとせずとにかく自分は幸せだったと言い切ってしまう人生観にとても好感を持った。
世の中の人生観を語ったりなんだりしている文章では自分がいかに苦労していかに悲しい思いをして生きてきたかという負の部分にばかり力を入れているものが多いがこの本はそれらのものとは違う。
悲しくても、言わない。悲しいと思わない。
自分も辛い事や悲しい事があってもそれをやたらめっ