宇野千代のレビュー一覧
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本書のあとがきに、綿矢りさによる書評があるが、全くもってその通りだ。今でいう、インフルエンサー、実業家、流行の最先端をゆくなれば、ユーチューバータレントなどマルチな才能を生かす。今でも通用する技量の持ち主。それが宇野千代だ。
本人もいろいろな茨の道を通ってきただろうが、嫌な事は決して前に出さず、自分のプライベートや隠しておいておいた方が良いことすらも面白ければ公表してしまう。オープンとクローズの取捨選択がユニークだからこそ、この人は非常に好かれるんでしょう。
本書は晩年の宇野千代の写真や過去を振り返るエッセイで成り立っている。
朝ドラ ブラッサムで宇野千代を知った人が、最初に導入として読むのにふさわしい本であるように思う -
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ずいぶん昔、宇野千代はテレビのコマーシャルに出ていた。どこかで「私死ぬのを忘れたみたい」と語っていた着物姿の宇野千代が、かなり珍妙なことをやらされていた。というよりも嬉々としてやっていた。
代表作の「おはん」とか「色ざんげ」は読んだことはあったが、伝記的な事実はほとんど知らなかった。朝ドラでは傍若無人な父親に振り回されている様子が描かれていたが、「生きていく私」にも継子イジメとは正反対の後妻に育てられたとあった。
宇野千代という人は才がある軽挙妄動の楽天家で、次々にことが起こるのだが、これを朝のドラマはどう描いていくのか興味津々である。
北海道にいた時に時事新報の懸賞小説に応募して一席に当選するのだが、二番目が尾崎士郎、四番目が横光利一だとあった。波瀾万丈の生涯をあまり脚色することもなく、淡々と描いている。 -
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朝ドラのモデル、宇野千代さんの著書。
書店でみつけ、つい購入。
「死ぬまで自由に生きる習慣」素敵なタイトルです。
今、朝ドラで老年の役を加賀まりこさんなので、本を読んでいると、加賀まりこさんが話しているように感じました。
98才まで、元気に生きられた宇野千代さん。
私も?手相で、97才までボケ無しで生きると言われたので、私も自由に生きようかなと。
ボケないと思えば、ボケない。
私の母が84才で、身体もよろよろしていて、頭もまだらボケのような感じです。昨年から施設に入っていますが、出たいと言って…困っていますか…
あ〜私、運動しているから、ボケないかもと、この本を読んで思いました。 -
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次回の読書会課題図書は、今年の後期朝の連続テレビドラマのヒロイン宇野千代さんの「おはん」。
宇野千代さん、お名前はもちろん知っていたけど、著作を読むのは初めて。
宇野千代さんへの勝手なイメージと、タイトルの女性の名前から、奔放な女性の一代記なのかと思っていたら、一人称で描かれる物語の語り手は、30代前半のうだつの上らないいわゆるダメンズ。
7年ほど前、女房(おはん)のある身で、はじめて馴染んだ芸妓にうつつを抜かし、それ以来、おはんは実家に戻されて、自分はその芸妓の家で半ばヒモのような生活をしている。長い間願っていた子どもは、タイミングの悪いことに実家へ引き戻された直後におはんのお腹にいることがわかった。それ以降の7年間、おはんとも生まれてきた我が子、悟とも会うことはなかったのが、ひょんなきっかけで再会し…という導入から物語が始まる。
100頁ちょっとの、それほど長いわけではない小説。物語中の時間の経過も、ある出来事が終わった後に振り返って語る2年弱といったもので、登場人物もそれほど多くないのだが、戦後すぐぐらいから綴られた文体が、今では馴染まない単語が頻発したり当たり前のように旧仮名使いの難読漢字がたくさん出てきてたいへん読みづらい。
この作品を作るのに、10年かかったらしいのだが、100頁強を読むのに昭和生まれではあっても令和読者のわたしは結構時間がかかった。
とは言え、退屈だったかといえばそうではない。
俗っぽいゴシップ的な話の筋ではあるものの、この優柔不断で浅ましい、女性の敵みたいな男の語り手の、フラフラと揺れる心の動きが、何故か憎めない。
いや、むしろなんとなく共感してしまうようなところもある。
思うにこの男性は、とても情が深い。
我が身可愛さの優柔不断であるとも言えるが、相対しているとどうしても目の前の相手に情が湧いて突き放せない。
7年間、けなげに貞操を守ってきたおはんにも、今の情婦であるおかよにも、稚い悟に対しても、その瞬間瞬間に哀れさ愛しさが溢れ出て動けなくなる。
うだつが上がらなくても、外部から眺めて最低な振舞いをするダメンズでも、
たぶんこういう男性はモテるのだ。
解説にもあったが、この物語を因果応報で語るこの男の倫理もとても興味深い。
確かにこの物語の「結」に至る伏線を「起」「承」のあたりから丁寧かつ、あからさまに貼っている箇所は読んでいて気になっていた。
最後の最後で、あの時ああしていた頃に…と振り返って懺悔する様は、残酷だが物語としてとても際立っている。
いやぁ…面白かったな。
昭和の恋愛観、めっちゃ見応えあるわー。
傑作であると言われる所以がわかる、
面白い恋愛古典小説でした。 -
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「幸せな思い込み」はその通りになる。帯に書いてある言葉がいい。
私はよく「幸せだ」「楽しいな」とよく言っているが、ますますその通りになっている気がして、帯の言葉に納得した。
・超ポジティブ思考
・迷った時は「行動する」ほうを選ぶ。
・過ぎたことは後悔せず、たちまち忘れる。
・一人でいるときも「陰気な顔つき」をしない
・陰気は罪悪
・何に対しても否定的に言わない。
・幸福は幸福を呼び、不幸は不幸を呼ぶ。
・「自分はできる」という確信が、能力を発揮させる。
・能力は情熱である。
・仕事は「やる気」に必ず応えてくれる。一生懸命にすると必ず面白くなる。
・体は「心の思う通り」になる。
・長生きの人は長息である。
励みになる言葉がたくさんだった。宇野千代さんはかなりパワフルな人だ。あまり考え込まずに行動して、陽気に前向きに暮らすことが大事と思った。
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これは、加納屋を語り手に設定したことによって成功した作品だと思う。
物語として読むなら、正直なところ、どの登場人物にも共感できない。
でもこれが、エロスとアガペーについて書かれた寓話なのだとしたら?
おはんは、一心に加納屋の幸せを願い、加納屋の幸せこそが自分の幸せであると考えている。
一方、おかよは、加納屋の肉体を求め、とにかく自分のもとにとどまってくれることを望む。
そして加納屋は、そんな二人の間で、どっちつかずの態度を取り続ける。
でも、おかよとの生活をこのまま続けたい気持ちも、おはんと悟と親子3人で暮らしたい気持ちも、その瞬間においては本物なのだ。
本物だからこそ後悔し、悩み苦しむ。
もちろんそれは自業自得なのだけれども、そこに人間の本質というか、弱さが現れている気がする。