皮肉屋文庫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
6人の著者による恐怖短編集。お目当ての斜線堂有紀作品は「輪廻の果てまで愛してる 現代の短篇小説 ベストコレクション2025」で既読でした。読み心地はあまりよくない系です。中学校以上。
「カタリナの美しき車輪」斜線堂有紀
「かんのさん」尾八原ジュージ
越した先の隣家には"かんのさん"という何かがいて、近隣の人たちはそれを見たいがために捧げ物をするのだ。
「夢見鳥」木江恭
私の所属する営業五課に来た深山蝶(ひらり)は仕事のできる子で、私を慕ってくれる。でも彼女のいく部署では偶然とは思えない頻度で不幸があるらしく…。
「やどりこ」櫛木理宇
目が痛くて受診している私。何かよからぬ疑いがあり再受診することになる。眼帯をして出社すると、"フコウさん"が復活したのかと思ったと言われる。そう呼ばれる手付かずで残された彼女のロッカーを開けて見つけたものは…。
「嚙み砕くもの」芦花公園
大輔は頭が悪いと自覚している。一族はみんな有名私立医大を卒業している。自分のIQは境界知能らしい。家族は優しく中卒でぶらぶらしていても咎められない。そんな生活で出会った人に歯を求める怪異のような存在を使う仕事に巻き込まれていく。
「さなぎおに」皮肉屋文庫
人里離れた山岳地帯の僻地にある場違いなドーム状建造物。普段は人がいないのに、年一度の総会に使われていた。そこに忍び込んだことのある相田さんに話を聞くと…。 -
Posted by ブクログ
ホラーアンソロジー。どれも短めの話なので、サクサク読めた。
斜線堂有紀さんの「カタリナの美しき車輪」は、今の時代性や話の展開やタイトル、どれもが自分好みでとても良かった。
尾八原ジュージさんの「かんのさん」も、得体の知れないもの、得体の知れないルールに日常が染まっていく感じが読んでいてゾッとした。
皮肉屋文庫さんの「さなぎおに」は情報が断片で、原因となる怪異の正体や何が起こったのかなど、読者の推測に委ねられる割合が大きいと感じた。私は一読ではよく分からず消化不良に感じたが、その実話怪談っぽい読み味が好みの方には刺さる話だと思う。
全体的に満足度の高い本だった。 -
Posted by ブクログ
全ての話が不気味過ぎて、想像するのも憚られるほどのホラー作品だった。よくテレビでやっている某ホラー番組に出てきそうなお話が詰まっている。
特にお気に入りのお話は、「かんのさん」で、家族が新居に引っ越すという日常作品なのだが、私は生まれ育った地域から未だに離れて生活をしたことが無いため、新しい地域への引越しのイメージがこの作品によって型取られることで、自分に起きたらどうしようと不安になって、感情移入を他の作品と比べてすることができた。
しかし、不気味すぎるが故に想像したくないこともあってか、誰のセリフか分からない箇所があったので、再読する際は1文1文丁寧に想像しようと思う。。 -
Posted by ブクログ
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あぁ、読まなきゃ良かった
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ホラー小説が6作品。
私は斜線堂有紀さんが読みたくて買いました。
そして個人的にはホラーはあまり得意ではないので
他の人の分どうしようと思いましたが、
私的にはそこまで怖くなく作品を楽しめました。
怖いっていうより、気味が悪い感じというか。
「かんのさん」が一番印象に残ってます。
アニメで映像が浮かぶというか。
めっちゃ怖いのは嫌だけど、
でも怖いもの見たさで気になる、
夏だしホラーも読んでみたいかも、
という方におすすめです! -
Posted by ブクログ
ネタバレ結末、分かりそうで分からん。
元々考察しないと分からん話が苦手な上に、育児疲れと寝不足重なってて頭も回らん中で、自分なりに解釈したので残しとく。
読んでいて、最大の謎である「みゆき」って誰やねんってところだけど。考え方は2通りかなと。
まず、1通り目。
思うに、そもそも油絵研究会では誰も死んでいなかった。「みゆきちゃんの首が絞められるという、絞殺『未遂』事件」なわけだから。だから、そもそも「みゆき」の幽霊が出ること自体がおかしい。
そこでポイントが次の文なのではないか。
「名付けというのはすなわち、対象の霊的な実存を確定することだと考えられてきました」
「物事の因果が収まる円環の病棟に、空室があるとしよう。誰が使った部屋なのか、何に使われた部屋なのか、誰も知らない。(中略)
しかし病棟の外からは、カーテンのかかったその部屋の窓を、数千、数万の瞳が熱心に見つめている。(中略)
やがて、因果の余白にも等しいこの病室に、変化があった。(中略)
そうして、何もないはずのその部屋に、何かが生まれる。」
つまり、「油絵研究会の部室で、みゆきちゃんという子の首が絞められた」という事実があって、「そこでみゆきちゃんという子が締め殺された」と事件の詳細を知らない学生たちによって尾鰭がついて噂として流された。その結果、「油絵研究会にみゆきちゃんの幽霊が出る」という更なる尾鰭がついて、それが事実として認識されるようになった。そうして、何もないはずのその部屋に「みゆきちゃん」が生まれてしまったのではないか。
だから、この場合の「みゆきちゃん」は野口美雪でも森田美由紀でもない、嘘から出た真の「みゆき」。
2通り目は、物語の構造そのものに関わるから、かなりややこしい。
「このレコーダーと文書が、紛れもなくモキュメンタリーであった、という事実」とある通り、そもそもKQ大学、そのサークル棟、夜警をはじめとするボイスレコーダーの内容は、全て里見の創作物だった。
「油絵の好きだった」里見は精神病棟に入っており、その個室が「日当たりの悪い、奥から二番目の個室」。
油絵研究会に現れる「みゆき」は里見由貴(さと「みゆき」)なのではないか。
また、ボイスレコーダー内のプロットと題されたテキスト「私」も、「電話」の【皮肉屋文庫・注】で示唆しているとおり里見自身なのではないか。
整理すると、
幽霊「みゆき」 = 里見
プロットと題されたテキストの「私」= 里見
野口美雪 = 里見の創作物
先に挙げた「このレコーダーと文書が…」の「文書」が「森田弟」のメッセージも含まれているのなら、森田美由紀も森田弟も里見の創作物ということになる。
だから、ボイスレコーダーをフリマに出品したのが里見自身で、森田弟が最終的にフォローしていたアカウントがそのフリマのアカウントだけだったというのは、それを示唆しているのではないか。
ただ、そうとするならば説明がつかないというか、解釈のしようがない穴も出てくるのだが…。
ところで、「電話」の【皮肉屋文庫・注】の中盤から、モキュメンタリーについての講釈が述べられており、その末部に「再生終了」の文字がある。ラストの「一九九九年七月一六日」では、里見が考えたモキュメンタリーの脚本がボツにされているシーン。「まどろっこしいね。謎の資料だの音声だの、実は書き手が違っただの(以下略)」
この「書き手が違う」というのは、皮肉屋文庫氏が書いたものと思いきや、実は里見が書いていた…とも解釈出来ないか。
もしかして、最初から最後までの 皮肉屋文庫氏やY氏、Iさんの全てのやり取り自体もボイスレコーダーに収録されたもので、それらひっくるめて里見の創作だった…というのは考え過ぎだろうか。
長々考察してみたけど、「読者であるあなたは、ただ余白を見つめるだけでいい。(中略)だから、地に足の着いた考察はいらない。こうであったら面白いのに、そう願うだけでいい。」とある。
結局のところ、好きに解釈してなと丸投げされてるだけのような気もする。こっちとしては「何やねんそれ」と感じるし、無責任な話やけど。
あとさ、作中に唐突に出てきた「西園寺くん」って誰やねん。