蜂谷涼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦前に、こんなにも女が自由だった時代があったのだなぁ、と素直に感動した。
大正デモクラシーという言葉があるが、この物語の女主人公は本当に生き生きしている。
昭和の敗戦が見えてきた時代に比べて小樽をはじめとする日本の貿易港が活況を呈していた明るい時代。
物語中にもでてくるが、この頃の小樽は貿易と並んでニシン漁で栄えていた。
ただし当時のニシン漁は豊漁なら大儲け、不漁なら破産、といったギャンブル性の強い事業だった。
うちの祖母はニシン漁の網元で育ったお嬢様だったが、不漁により主人公と同じく家が破産、小樽のビリヤード場で働きながら莫大な借金を返済していた。
なので、つましいながらも逞しく生き -
Posted by ブクログ
「小説新潮」に掲載されたものの単行本化。
夫に死なれた沙穂は子供を連れて、夫の職場であり、
年の近い叔母千種の嫁ぎ先でもある、蘭方医玄齋の
診療所に寄寓して手伝いをしていたが、千草公認で
密かに思いを寄せていた玄齋に抱かれ、妻妾同居し
て玄齋の子を産む。
玄齋は種痘を広めることに熱心で、幕府から頼まれ、
蝦夷地を一周してアイヌに種痘を施したが、その途
中で種痘の畑(保菌者)として連れて行った二人の
息子を亡くす。
誠意を尽くしてアイヌのエカシの信頼を得、事業を
軌道に乗せる様は圧巻。
小樽在住の作者ならではと思わせる。
玄齋の留守中、千種と沙穂の妬み合いから、妊娠し
た沙穂に対抗するため -
Posted by ブクログ
大河を見た人は違和感かも。
どーーー見ても八重さんは綾瀬はるかじゃないです。
その風貌に加えて男勝りの体格とパワー、闘う女の称号を欲しいままにする姿は、どちらかというと南海キャンディーズ・しずちゃん(笑)
むしろ最大のライバルであり盟友である竹子さん(細身の楚々とした色白美人)が綾瀬はるかなら納得いきますが。
でもしずちゃん大河主演はサプライズにも程があるだろうし、仕方ないのか。
本日(1/7)時点で大河は第1回の放送が終わったばかりですが、幼少期の八重さんの描き方も男勝りというキャラクターの根幹は共通するものの、細部は大河とかなり違っています。
小説ではいかなる人生の転機を迎えようと会津人