【感想・ネタバレ】修羅ゆく舟のレビュー

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Posted by ブクログ 2012年11月29日

「小説新潮」に掲載されたものの単行本化。

夫に死なれた沙穂は子供を連れて、夫の職場であり、
年の近い叔母千種の嫁ぎ先でもある、蘭方医玄齋の
診療所に寄寓して手伝いをしていたが、千草公認で
密かに思いを寄せていた玄齋に抱かれ、妻妾同居し
て玄齋の子を産む。

玄齋は種痘を広めることに熱心で、幕府から...続きを読む頼まれ、
蝦夷地を一周してアイヌに種痘を施したが、その途
中で種痘の畑(保菌者)として連れて行った二人の
息子を亡くす。
誠意を尽くしてアイヌのエカシの信頼を得、事業を
軌道に乗せる様は圧巻。
小樽在住の作者ならではと思わせる。

玄齋の留守中、千種と沙穂の妬み合いから、妊娠し
た沙穂に対抗するため、残った弟子を使って千種も
妊娠し、出産するが、これが元で玄齋は誤って殺され、
弟子も家族もみんなばらばらになっていくなかで、沙
穂は玄齋の跡を継ぐ決心をする。


なんともすさまじい人間関係。
千種が「人は誰も自分一人の舟に乗っている」と語り、
沙穂が水たまりに浮かぶ葉の上に乗る蟻に自分も
々だと思う場面があるが、表題はそれを受けている。

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Posted by ブクログ 2012年11月16日

種痘を広めようと苦労している玄斉.夫を疱瘡で亡くした沙穂は玄斎の下で働いている.玄斎の妻 千草は沙穂の伯母だが、二人共が玄斎の子を産む.蝦夷地に種痘を広めるために玄斎は子どもたちを連れて赴くが、何人かは死んでしまう.玄斎の精力的な活躍と女達の妙な関係が面白い.

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