児島青のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ本を読む時間は静かなものだ。けれど実際には、バーで本を開けば数ページで顔を上げ、店の人や常連と話し込んでしまう。本は閉じられ、時間だけが過ぎていく——それもまた悪くない。
児島青『本なら売るほど』第3巻は、そんな“本の周辺にある時間”を丁寧にすくい取る。十月堂の店主と、店舗オーナー「阿吽」の夫妻。店の裏に住むことで、遠慮していた酒の時間が日常に入り込み、本と人と時間の距離が少しずつほどけていく。
印象に残るのは南くんの再登場だ。本を素材として壊す行為と、売れない本を手放す行為。その境界はどこにあるのか。作品は答えを示さない。ただ、その沈黙の奥に、それぞれの葛藤や人生が滲んでいる。
このマ