長谷川晶一のレビュー一覧
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中野ブロードウェイと言えば、漫画やフィギュアなどを売っている「まんだらけ」がある所で有名だ。
しかし、中野ブロードウェイの歴史をたどると、オタクの聖地とは全く違う姿があった。
1966年に誕生した。商業地でもあるが、住宅地の顔もあった。まさか人が住んでいるとは思いもしなかったので驚いた。
最高級マンションとして売りに出されて、当時のキャッチコピーは「東洋一のビルディング」だった。
地下2階と3階は機械室、地下1階から4階までが商業施設、5階から10階が居住スペースで、およそ200世帯以上の住民が生活している。
かつて東京都知事、参議院議員を務め、テレビ番組「意地悪ばあさん」でも有名だった青島幸男や、歌手の沢田研二が住んでいた。
しかし、1980年代になると、シャッター通りが並んでいたそうだ。
その原因は、77年3月3日に開業した西武新宿駅に隣接した商業施設「プリンスプロムナード・ペペと、73年9月15日にオープンした当時の国鉄新宿駅から西武新宿駅を地下で結ぶショッピングモール「新宿サブナード」の存在だ。
そこに1980年、中野ブロードウェイ2階にオープンした「まんだらけ」が後に中野ブロードウェイの救世主的な役割を果たす。
月日が流れ、2010年代になると、高級時計ショップが次々と中野ブロードウェイに店を構えるようになった。
そんな中野ブロードウエイも老いが忍び寄ってくる。2022年元旦に水漏れが発生した。天井裏にある配管は建設当時の年代物で、腐食と劣化が目立っていた。
中野ブロードウエイは、区分所有者だけで500世帯以上あり、耐震補強工事一つとっても、コンセンサスを取るのが難しかった。
中野ブロードウェイの未来はいったいどうなっていくのか、ふと気になった。 -
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私は赤べこに乗って31歳で東京に来たため、メディアなどで見聞きしているうちに東京に来たら必ず行ってみたいと思っていた場所が幾つかあった。その1つが本書の舞台、中野ブロードウェイである。
東京に来てすぐ、中野ブロードウェイを訪れ、それから中野自体の街並み(特に優れた飲食店の多さ)も気に入って、比較的頻繁に通っていた。が、唯一無二のユニークさを誇る中野ブロードウェイがどのような歴史を持つものなのかは全く知らなかったため、本書で語られる建設当時から今に至る歴史が面白すぎた。
商業施設と分譲マンションを融合させた建物のコンセプト(なにせ知らなかったが屋上にはプールまである!)は完全に森ビルなど現代のディベロッパーの先がけと言えるし、当時にしてよく思い切った建設投資が出来たものだと思う。そして、まんだらけを筆頭に中野ブロードウェイで商売を営む様々なテナントオーナーたちの物語や、自治会長が語る建物の維持管理の大変さなど、個々のエピソードも読みごたえ十分。
これを読んで久々に中野ブロードウェイにいって、テナントを見て回りつつ、幾つか入っているレトロな飲食店で楽しみたいという欲求を抑えられずにいる。 -
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昭和末期~平成初期にかけて自分もプロ野球関係者の書いた本を何冊も読んでたけど、この本で紹介されていなかったものも、概ね暴露と悪口と下ネタにまみれていました。
今なら訴えられたりネット炎上当たり前な内容のオンパレード。
あの時代のある種の杜撰さが露呈しまくりなのが、「プロ野球バカ本」なんだなーと思いました(同時代のゴルファー本なんかもそうですね)。
それをこうやってまとめてつまみ食いできるのが楽しく、著者の長谷川さんのちょいちょい入るツッコミも心地よかったです。
それにしてもこんなの平成前期で終わってるんだろうと思いきや、最近も細々と趣向を変えた『バカ本』が出続けていることにビックリ。
『#プロ野球イケメン図鑑』はマジでどうかしてる!!(褒め言葉) -
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ノンフィクションライターの著者がファンであるヤクルトスワローズが17年の96敗という歴史的大敗からリーグ2位という躍進と遂げる18年シーズンについて文春オンラインで掲載されたコラムや選手、コーチの関係者インタビューを書いた著者のヤクルト愛に溢れた一冊。
交流戦の勝率1位や二位通過でのCS出場など前年の成績を吹き飛ばす快進撃を起こしたスワローズの戦いの記録が詰まっており、チームの起爆剤となった青木選手や表紙に掲載されている上田剛史選手やリーグの終盤に活躍した原樹理投手など18年のヤクルトスワローズの戦いを通してキーマンとなった選手や試合に迫り、野球の魅力を余すところなく感じることができました。
真中前監督や伊藤智仁氏などその前年に深く関係していた方も執筆されており、チームの内情にも深く迫られていてスタジアムや試合だけでは伝わらないものも知ることができ、非常に興味深く面白いものでした。
選手や首脳陣の目線だけでなく、松嵜麗さんや著者のファン目線や今や日本を代表する人気マスコットのつば九郎の想いを知れたり、チームに伝承される27と1という背番号の歴史や重み、原樹理投手と伊藤智仁元コーチとの絆など球団の裏側もたくさん知ることが出来ました。
1つの球団の1年の戦いを通して野球の奥深さを感じることのできた一冊でした。 -
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北海道日本ハムファイターズの元エース、岩本勉さんの高校時代を描いた作品。
現役時代から明るいキャラで、現在は人気解説者の岩本氏だが、実は後輩が起こした不祥事により、甲子園出場の夢を絶たれていたのだった。
今回の書籍化にあたり岩本氏が出した要望は、当時のチームメイト全員を取材して欲しい、という事だったらしい。残念ながら数名とは連絡がつかなかったようだが、岩本氏のご両親や、日本ハムの元スカウトも含め、多くの人々が当時の様子を語っている。
強豪校だったが甲子園出場の実績がないために、結局チームからプロ入りしたのは岩本氏だた一人だけだったそうだ。著者の長谷川氏が取材を進めるうちに、元チームメイトの現在の境遇に共感し、取材される側も徐々に心を開いてゆく様子が興味深かった。
また自分が出した要望によって膨れ上がる取材費を心配したり、不祥事を起こした後輩の事を気遣う、岩本氏の人柄がとても印象的だった。 -
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インタビューで「まいど!」のキャッチフレーズで有名だった日本ハムファイターズの岩本投手。実は彼が高校3年時の夏の大阪大会を野球部の不祥事で出場辞退という経験をしていたことはあまり知られていません。その「事件」をめぐって当時のチームメイト、監督などへの詳細な取材を基にしたノンフィクション。「事件」そのものよりも、文字通り全てを賭けていた野球の集大成とも言える高校3年の夏の大会に出場すら叶わないという理不尽な経験を、現在40歳を少し越えたチームメイト達がそれぞれに消化し、自分の人生に位置づけて「今」を生きている様子が胸に響きました。当事者のメンバーがちょうど私とほぼ同じ年齢であったり、大阪を舞台にしていることなども、より中身に共感できた理由かもしれません。