竹村牧男のレビュー一覧
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般若心経を読みとく 二六二文字の仏教入門
一般文庫版
著:竹村 牧男
角川ソフィア文庫 H124 1
内容はわりとわかりやすかった。ABCである。Aとは……、Bとは……、Cとは……と言った書き方をしていただいて、ロジックの教科書通りと感じました。
また、加えて、本書は、英語の長文読解の教科書のような印象でした
Line by line 1行ずつ理解する
般若心経を1文1文に分割して、分からない単語を調べて、1文を訳す
単語がわからなければ、その解説や背後にある意味を調べていく
ある段落を訳し終わったら、全体を見直して、その段落が何をいいたいかを見直す
複雑な概念を理解するために、たとえ話や -
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良いことも悪いことも縁
人間の理性への過信
竹村牧男
1948年東京都生まれ。東京大学文学部印度哲学・印度文学科卒業。同大学大学院人文科学研究科(印度哲学)博士課程中退。東京大学文学部助手、三重大学人文学部助教授、筑波大学教授(哲学・思想学系)を経て、東洋大学学長就任。2020年3月、退任後は同大学名誉教授。博士(文学)。名誉教授(筑波大学)。専門は仏教学、宗教哲学。著書に『唯識三性説の研究』(春秋社)、『西田幾多郎と鈴木大拙』(大東出版社)、『入門 哲学としての仏教』(講談社現代新書)、『日本仏教 思想のあゆみ』(講談社学術文庫)などがある。
入門 哲学としての仏教 (講談社 -
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自己とは関係的存在であり、全時空の他者そのものが自己であるという仏教の視点を哲学的に説く。部分は全体を含む(一即全、全即一)の思想について家の構造を用いた説明は初めて聞くものにも非常にわかりやすい。また、仏教は日本では思想として捉えられていないが、非常に哲学的であり、ユングやフロイトの「深層意識」やハイデガーの「存在と時間」に先駆けて深い洞察が古くから日本に存在していたことを指摘し、仏教思想と哲学への橋渡しを随所で試みていることに著者独自の視点がみられる。
哲学として読み進めるも非常におもしろく、また、心理学的な自分探しや自己他者関係の模索などの問題においても新たな見通しへの一石を投じることが -
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仏教は勿論宗教である。宗教ではあるが、その背後に膨大な「知の体系」があるというのが著者の主張。その知の体系を哲学的に見てみませんか?というのが本書の内容。
確かに、仏教の基本的なスタンスは、「この宇宙には真理がある。その真理を悟った者こそがブッダになるのだ」というもののはず。その真理を言語化することが困難であるがゆえに、最高の真理を悟ったゴータマ・シッダルダ(仏陀)は、その真理を伝達する困難さに直面したのだ。
この宇宙には真理があり、その法則をどこまで徹底的に認識できるのか、ここが修行の果たす役割になるのだろう。ヴィトゲンシュタインの言葉を借りるならば、「語りえないもの」の範 -
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仏教は宗教だけど、その哲学的な側面にスポットを当てた本。著者の感嘆とちょこちょこ挿入されるダジャレがなんとも微妙だけど、内容としてはとても面白かった。
・対象そのものではなく関係性を重視している(縁起)。
・集合的無意識を阿頼耶識と捉えれて解釈する事も可能。
・ウィトゲンシュタインの主張する言語哲学に近い事が、仏教では龍樹(ナーガールジュナ)の時点で主張されていた。
・認識として、この世界は我々の感覚ありきで、その感覚は阿頼耶識から来る。
・阿頼耶識の奥を突き詰めた先に世界がある。その世界像を表した曼荼羅を、ユングも研究していた。
・世界を作り出す心の動きは、五位七十五法に分類され、とりわけ煩 -
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年末年始の読書その1。
多動症としては一遍上人に身体的な親近感を(勝手に)抱くが、親鸞・一遍いずれの浄土の教えも興味深い。
親鸞といえば『最後の親鸞』吉本隆明が印象深かったが、一遍と比較されることで見えてくる「親鸞」も勉強になる。
著者は禅宗を自らの前提として踏まえつつ、日本宗教としての浄土教に深い関心を抱いている、という。
そこもまた興味深い。
親鸞は「信」を突き詰め、一遍は「称名」を突き詰めていったのだという。信じることの困難を「他力本願」において実現することにおいてはきょうつうしているのだろうが、その突き詰め方は生半可なことではない、のだ、ということが読んでいてひしひしと感じられる -
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「存在」「言語」「心」「自然」「絶対者」「関係」「時間」というトピックを、仏教の視点から、様々な宗派を横断して解説している。
以下では「存在について」を自分なりに記述してレビューとする。
–物質について–
グラスを粉々に割ってしまったとする。他の人が残骸を見て、それがグラスだったとは分からない。とすればグラスという物質は、その形を構成していた物質の配列によって成り立っていたということになる。では、グラスを構成する素粒子は「ある」だろうか。素粒子という物質は、どこまでがその本体だろうか。
–認識について–
グラスは我々の知覚によって認識される。グラスを右側からを見ているA氏と、左側から見てい -
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[ 内容 ]
仏教とはこんなにモダンな思想だったのか!
実体を否定する縁起と無我。
意識下の世界を究明する唯識思想──。
現代哲学を先取りした思想の本質を、第一人者が解き明かす入門書。
[ 目次 ]
序 仏教はとても斬新な哲学である
第1章 存在について-本体なき現像の生成
第2章 言語について-その解体と創造
第3章 心について-深層心理の奥にあるもの
第4章 自然について-自己と環境の哲学
第5章 絶対者について-絶対無の宗教哲学
第6章 関係について-その無限構造の論理
第7章 時間について-絶対現在の時間論
結 「哲学としての仏教」への一視点
[ POP ]
[ おすすめ度 -
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著者は印哲から仏教学者へ。この本は仏教の古臭さ、宗派性を感じさせず、むしろその背後にある考え方に焦点をあてる。
仏教本来の核心とは、鎌倉以降の民衆に広まるお手軽仏教の方法論ではなく、「自己がそもそも何であるか」を問う哲学体系であった。それはすべてのものの関係性を深く考察するものである。主体と客体という2元論の科学の行き着いた先の相対主義に通じる考え方を、ずっと昔から考えていたのが仏教だった。
・心と物の関係
・言葉と心・物の関係
・心の内部での主観と客観
・一部と全体の関係
・相対と全体の関係
・関係の無限性
・時間軸上の関係性
深すぎるのであんまり理解していない。哲学的に悩んだらま -
購入済み
仏教の入門書になればと思い購入しましたが、入門書としては難解な語句がひたすら続きます。
そのためある程度他の入門書を読んでからでないと理解が難しいと思います。 -
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空海の哲学という本の題名、そして、竹村牧男さんの本ということで読んでみましたが、後半部分は難解でちんぷんかんぷんでした(涙)。
竹村さんは、空海が目指したものはなにかということで、それを解く鍵として「即身成仏」にフォーカスされたました。
その内容が私にとってはちんぷんかんぷんでしたが、空海という人のすごさはしっかり伝わってきました。
内容
はじめに 今、なぜ空海の哲学なのか
第1章 空海の生涯と著作
第2章 密教に至る仏教史――顕教から密教へ
第3章 仏教における「即身成仏」の思想史
第4章 空海の密教思想
第5章 空海の即身成仏思想
第6章 「即身成仏」の教証――『即身成仏義』を読む 1
第 -
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鈴木大拙の39のことばを引用し、その意味をわかりやすく解説している本です。また巻末には大拙の生涯をコンパクトにまとめた文章も収録されています。
著者は、大拙の思想の継承者である秋月龍珉の弟子であり、いわば大拙の孫弟子にあたる仏教研究者です。大拙の禅理解に対しては、実証的な仏教学の立場から批判がなされており、近年では沖本克己の『禅―沈黙と饒舌の仏教史』(2017年、講談社選書メチエ)で厳しい評価がくだされていますが、大拙の思想が彼独自のものであるとしても、近代日本の思想史・宗教史において重要な位置を占めることはたしかだといってよいでしょう。本書は、大拙の思想を示す章句を紹介し、大拙の禅思想の世