【感想・ネタバレ】日本仏教 思想のあゆみのレビュー

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Posted by ブクログ

「はじめに」では、「日本仏教の主要な思想史のほぼ全体を見るに便利な一緒かと思います」とありますが、本書であつかっているのは聖徳太子から鎌倉新仏教までとなっており、江戸時代や近世以降の仏教思想の展開はとりあげられていません。また「特に教理の要点を詳しく平易に解説したつもりです」と書かれていますが、じっさいのテクストをなるべく紹介しようという方針が採用されているようで、末木文美士の『日本仏教史』(新潮文庫)などの入門書にくらべると、若干敷居が高いのではないかと思います。

けっして悪い本ではないと思うのですが、日本仏教の全体像を一通り知りたいという読者のニーズからはすこしずれている内容だと感じました。著者自身、日本の仏教が日本文化の背景をなしており、さらに現代の諸問題について「他からの借り物でない、自らの伝統に根ざした立場から考察していく基盤を形成することができる」と主張していることをかんがみると、個々の思想の紹介についてはもうすこし簡略にして、日本思想史のなかに日本の仏教全体を位置づけるような議論を展開してほしかったという気がします。

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2017年12月03日

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