青沼陽一郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
戦後最悪と言われる事件のその後。どんな事件で誰がなにがなんてよく耳にしていても場所が法廷に移ってからはとんと耳にしなくなっていた。その教団教祖の裁判の全容。
読み進めるたびに頭を抱えていました。知らなかった現実というか真実が書かれてて、知るほどに空虚になっていく感じ。
この事件を知らない世代が出てきたということを聞いて、せめて知り覚えている世代が記憶し忘れないようにしなければと思い手に取った一冊だったけどこれは証言記録だけでなくその向こうに見える問題提起もあり、今後裁判員制度によって突然裁く側になった場合に「裁判とは一体だれのものなのか」という至極当たり前のことを考えさせられる機会ともなりまし -
Posted by ブクログ
この本の元になったSAPIOに連載されていた記事のころから好きで読んでいたのですが、『食べる』という人間の行為が武器になったり国家戦略の一つとして扱われているという現実に慄然としたことを思い出します。
SAPIOで連載されていたときから面白いのでよく読んでいました。それにしても恐ろしい内容でした。
ここに特集されていた内容で
『怖いなぁ』
とおもった箇所は戦争が終わっても1970年代に返還されるまでずっとアメリカの領土だった沖縄の食事情に関するルポルタージュで、アメリカの油や肉を主体とする欧米型の食生活が入ってきたおかげで、沖縄県の肥満や平均寿命や疾病に関するデータが全国ワーストクラ -
Posted by ブクログ
「司法統計年報(刑法編)」を読むと、毎年3〜4名ほどが死刑判決を受けていることがわかる。主な罪状は殺人の罪もしくは強盗致死傷がほとんどではあるが、そもそも殺人で裁かれた人数自体が200〜300名は居るのだから、人を殺しても死刑になる確率は2%未満という事になる。世界レベルで見ると、2022年の統計では死刑を執行した国は20カ国、件数は900件弱であった。なお死刑執行数が多いと言われる中国や北朝鮮、ベトナムは死刑執行に関して秘密主義を取っており、数値自体を公表していないため、前述の数字には含まれていない。下手をすれば倍どころではなく執行数の桁を上げる可能性もある。
それに比べ、人口としては世界の -
Posted by ブクログ
戦後の日本の食料自給率は、最高点の79%から年々低下し、今や37%に滑り落ちている。食料はほとんどアメリカなど外国からの輸入に頼り切っている日本。本作は、国のこうした状況に警鐘を鳴らしている。
主に「食肉」という観点から、日本がいかに海外の畜産農家に頼りきっているかを読者に示す。
食肉や関税などを巡る様々な現状ももちろん興味深かったが、後半に語られる習近平国家主席の半生エピソードに一番驚いた。冷血無慈悲なリーダーという、自分の勝手なイメージとはかけ離れた話ばかりだった。
様々な苦境を乗り越えて今の地位についたのだと知り、もっと中国や彼自身のことを知りたくなった。
新しい知識の詰まった一冊だっ -
Posted by ブクログ
筆者が実際に法廷で見た死刑判決の出た裁判の傍聴の内容。
声高に、死刑の是非を問うようなものではない。
裁判における死刑への攻防戦。法廷でのリアルな描写が迫真をもって迫ってくる。
オウム真理教の裁判が中心に展開される。
地下鉄サリン事件にかかわった被告達の量刑の違い、人を殺していないのに死刑、人を殺しているのに無期懲役(自首と見なされたため)など、人を裁くことの不安定さを端々で感じた。そもそも人を裁くとは、そもそもどのような行為なのか。
人から裁かれるということの不条理さ、自分がその立場に立ったとした場合、どのような態度で対応できるのだろう。登場する検察、裁判官、被告、被害者の発言から、色 -
Posted by ブクログ
米国産の肉が輸入されている
むろん、社会問題としてとらえる。
その発端を
「桜田門外の変」
から論じ始める。
おやっ と 思わせられて
その歴史的な事実、
その背景には水戸の老公斉彬の
「牛肉食嗜好」があった
へえーっ と 思わせられる
そして、
わずか70年前の
敗戦直後の日本を従属させるための米国の巧妙な食料政策にも関連付けられていく
圧巻は
米国に飛んでの現地の畜産・農業従事者への取材、
TPPに絡む米国の畜産、農業事情が詳細にリポートされる。
同時進行して、
中国に飛んで現在の習近平政府で行われている、世界を視野に置いた中国の飼料用の農業事情、役人事情のリポート
が続く。
米 -
Posted by ブクログ
戦場に置いて一番大切なことである補給線を無視し、日本陸軍に
壊滅的な打撃をもたらした悪名高き「インパール作戦」。
その作戦に参加した兵士の何人かは、敗走中に軍からはぐれ現地
の人に匿われる。軍で身につけた機械修理の腕を生かし、住み着
いた村で重宝される者もいれば、故郷の長崎に原爆が落とされた
ことを知り、日本に帰国する為に日雇い労働で費用を貯めて、
やっと帰国した故郷であるのに兄弟に冷たい仕打ちをされ、
再び日本を捨てる者もいる。
戦闘らしい戦闘もなく日本の敗戦を告げられたジャワの兵士たち
は、「何の為に南方に来たのか」との思いを抱え、インドネシア
独立戦争に身を投じる。そして、独立宣言を -
Posted by ブクログ
オウム関係の本は3冊目(1冊目アンダーグラウンド 2冊目約束された場所で)
3冊の本で共通して書かれていたのは、オウムの中に潜む人間が誰しもが持つ闇の存在について。
ふつう人間はそれを抑え込もうとして、ないしは社会によって抑え込まれることによって生活している。
しかし、それが抑制できなくなり表に現れた形がオウム真理教の蛮行であるという。
人間は自分に内在する暗い部分を見ることを嫌う、そのため我々にはオウムに対する嫌悪感が激しく残り続けているのだろうということだ。
オウムの行為はすべて人間が行ったことである。
考え方・精神状態などいろいろな条件が我々とは異なっていたからと言って、彼らは宇宙人で -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
裁判員制度がスタートしましたが、あなたは、裁判で死刑と判断できますか――。
麻原彰晃をはじめとするオウム信者、畠山鈴香、池袋の通り魔、光市母子殺害事件の元少年……。
重大犯罪をおかした死刑犯は、いったいどんな人物で何をしたのか?
そして、なぜ死刑を言い渡されたのか。
あるいは、それを免れたのか――。
長年にわたって精力的に幾多の裁判の取材を続けてきた著者が、それぞれの法廷で見てきた極刑裁判の様子と法廷で垣間見せた被告たちの素顔を綴りました。
いつ裁判員に選ばれるか分からない時代に必読の書です。
[ 目次 ]
第1章 死刑宣告の瞬間
第2章 死刑判決者の本音
第3章 死刑と無期 -
Posted by ブクログ
麻原はとにかく自分の保身のことしか考えず、最初から最期まで、ただただ自分勝手な人間だったのではと感じた。
家族、弟子、被害者など直接関わりのあった人々に対しても何も感じない性格で、究極に自分の事しか考えられなかったのかと思う。
死刑判決を受けてから麻原の行動が異常で、精神的な病気なのか詐病なのか意見が割れているという情報を何度も聞いたことがあるが、この書籍を読んでからは、詐病だったのではないかという思いが強くなった。
彼は長い裁判を通していかに自分勝手で常識が通じない人間であるという事が露見した。
凶悪犯には変わりないが彼の弟子たちは、最期には洗脳が溶け、懺悔をする者や反省を述べる者も多く -
Posted by ブクログ
悪評高い中国食品だが、少なくとも日本の資本が入ってたり日本向けの工場はここまでやるんかくらい綺麗でレベル高いよ。
そこまでやってるのは日本人のためにだよ。
日本がやらせてるんだよ。食の植民地だよ。
でも日本のみんなは知らないよね。
そんな内容。
日本のためにやってるわけではなく、金のためにやってるわけでで、消費者がいろんなことを知らないのは別のこれに限ったことではなく、消費者の様々な要望に答えることで金儲けをしようとした色んな思惑の結果で、別に、ほら、と言われるような話ではないような気がする。
他の色んな本を読んでると、ここで言ってることだけで、そうなんだ中国食品は安全なんだ、とはとても