あらすじ
米中に胃袋まで掴まれた国――。
自給率わずか39%の日本は、もはや米国と中国の「食料植民地」だ――。
肥満問題にさらされる沖縄を皮切りに、世界各地で「日本の食」が生み出される現場を取材。米・シアトル「BSE感染牛」、タイ・バンコク「冷凍タコ焼き」「鮨ネタ」「アジフライ」、チリ・チロエ島「サケの養殖場」、中国・青島郊外「ホウレンソウ、里芋、枝豆」「骨抜きタラ切り身」、中国・上海沖「アナゴ」――そして、東京「コンビニ各社のお弁当」。
このままで食の安全は守られるのか? 外国からの供給はずっと止まらない? 綿密なデータを加えて、食の「安全保障」をめぐる日本の危機的状況を抉り出した問題作。
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Posted by ブクログ
この本の元になったSAPIOに連載されていた記事のころから好きで読んでいたのですが、『食べる』という人間の行為が武器になったり国家戦略の一つとして扱われているという現実に慄然としたことを思い出します。
SAPIOで連載されていたときから面白いのでよく読んでいました。それにしても恐ろしい内容でした。
ここに特集されていた内容で
『怖いなぁ』
とおもった箇所は戦争が終わっても1970年代に返還されるまでずっとアメリカの領土だった沖縄の食事情に関するルポルタージュで、アメリカの油や肉を主体とする欧米型の食生活が入ってきたおかげで、沖縄県の肥満や平均寿命や疾病に関するデータが全国ワーストクラスになっているという記事には驚きを隠せませんでした。
とくに「Aランチ」と呼ばれるプレートで供されるメニューを見たときには
「こんなもの毎日のように食べてりゃあそら病気にもなるわな。」
と思わせるような量・カロリーともに
「アメリカン」
な代物で一度だけならいいけれどなぁ…。とは確かに思ったのですが…。
で、最終的には貧乏人はジャンクフードで肥満にさせられ、病気になったらなったで今度はアメリカの生命保険が待っている。 『食料』が武器として扱われていることがまざまざとわかりました。
日本の食料自給率がここまで低いのはアメリカの戦略だったのかと思い知らされます。