白石あづさのレビュー一覧
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友達も少ないし、努力は続かないし、勝負ごとはだいたい負けてきた――そんな著者が、自分の体験をまっすぐに書いた一冊でした。「私はこうだったよ」「こんな気持ちで逃げたんだよ」と語りかけるような文章で、ネガティブに見える気持ちも不思議とスッと胸に入ってくるんです。読んでいるうちに、ああ、わかるなあ…と何度もうなずいてしまいました。
でもこの本が良いのは、ネガティブがただの弱さで終わらないところ。逃げた先で出会った人や国の違いが、考え方の幅を広げてくれる。体験談なのに独りよがりにならず、著者の“普通っぽさ”がむしろ共感を呼んで、泣きそうになったり、ふっと笑ったり、感情が揺さぶられっぱなしでした。
「逃げる準備を整えて、無理せず今を生きる」読後に残ったのは、そんな優しい指針のような言葉。ちょっと疲れた時に読み返したくなる本でした。 -
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⬛︎生命力を感じる
牧場で食べた水牛の血のテリーヌの味が忘れられずにいた時に目についたこちらの本。世界中を旅した著者が、現地で食べた変わりもの食材が「美味しい」も「まずい」も正直な感想でまとめられています。
食べるに至った現地の人たちとのエピソードも楽しく、過酷な旅ながらもコミカルに書かれていて面白いです。
羊の脳みそやアルマジロなど、馴染みのない食材が意外と美味しい…!という事実に驚きと共に、食べてみたいな〜という好奇心がフツフツ。
すごいものを食べるんだな〜と思いながらも、日本人が普通に食べるアンコウや白子なども、外国人が見たらギョッとするんでしょうね。
現地に生きる生物を最初に食べた人たちや、それらを食べることを文化として根付かせた人間の、生命力を感じました。
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尾畠春夫…1939年10月生まれ
宮沢賢治【世界全体が幸福にならない限り個人の幸福はありえない】
海岸で拾った丈夫なテグスと自作の針でバスタオルを補修
プラや服は壊れても何度でも補修(ガムテープやホチキス)
登山靴は40年使用、底が擦り切れたらヤマハバイクの古タイヤで補修
「モノの気持ちになったら簡単に捨てられない」
梅干しの種を割ったら中身も食べられる(備蓄パックご飯のお供。温めず水をかけて食べる。夜は別だが日中は食べられる時に食べておくといつ被災しても体力が保つ)
座って半畳寝て一畳で十分。家でも車でも寝るときはゴザを敷き寒いときのみ寝袋かける
慣れれば硬い床でも寝れる、ふわふわの布団に慣れてはダメ
誰に褒められなくても動く。恥はかけばいい
お年寄りこそキョウヨウ(教養・今日、用)キョウイク(教育・今日、行く)テレビ見てるより外に出て散歩やゴミ拾い
お母さんは大酒飲みの駄目夫に変わって子供7人を育てたが41歳(尾畠さん10歳)で栄養失調で死んだ。子供のために自分のぶんを削っていたのかも。母に甘えさせてもらった記憶はないが死んだとき泣かなかった、諦めみたいなのがあった。
5.5万の年金だけでも夢の生活。満足に食べられなかった子供の頃(奉公に出され沢山働かされ満腹などありえず、白いご飯も16歳まで食べれず馬の腐ったご飯を隠れて食べていた。働くばかりで小、中学校にもほぼ行けず5画以上の漢字は分からない、足し算引き算も必死なほど。勉強の仕方も知らない。貧乏すぎてパンツをはいたことがなかった)庭で育てた芋や食べられる草を取り自炊。鶏肉の安いのを入れてタマネギスープを作り1週間くらい食べる。美味しいものきれいな洋服素敵なホテル、すべて興味ない、ボラに行くためのガソリン代の捻出、寄付の食料などのために節約。ボラ先では一切、行政からの飯、風呂の負担をかけない(1年風呂入らなかった)、寄付された飯などは食べる
恨んだり悲しんだり憎んだりしても1日、人に優しくしたり笑顔で接しても1日。どっちかいいか考えたら笑顔でいたほうがいい。
世の中いつどうなるかなんて誰にも分からない。災害や戦争、気付いたらもう始まってたりする。極限になっても親からもらった頭と体は最大限利用して使える道具は使って食べられるものを食べてまずは生きる。世界一大事なものは命。
動物から見たら人間ほど悪くて最低なやつはいない。環境は破壊するし勝手気ままに命を取る。人間みたいに何でも食う動物はいない。人間は前から住んでいた動物を追い出して山や草原を破壊して稲や野菜を作る。それなのに動物が入ってきたら有害駆除だと罠をかけたり撃ったりする。今も昔も猟師が生きるため、食べるために獲ってるのはわかる。でも先にいた動物を有害って呼ぶのはおかしいでしょ?山で鹿が増えすぎたのは人間がいたから。自然のままだったら増えすぎず減りすぎずなんよ。
ジビエ料理とか言って調理して、食べたら硬くて不味いと捨てる。この世に人間がいなくなったら素晴らしい国になると思う。
88回手をかけて作られた米粒、残さず食べなきゃ農家も米も可哀想
苦労して稼いだ金は使ってもいいが、楽して儲けた金は取っておくな
お接待(取材?)で頂いたお金は全額寄付してる
仕事は段取り7割実働3割。災害ボラも同じ
魚屋になった尾畠さんはフグ調理師免許試験のとき、分からない言葉や漢字があるため32回手を挙げて試験官に聞いた。わからないことは恥ではない。高校や大学を出てる人は何人も落ちたが尾畠さんは受かった
赤字出すことは一度もなく65歳で退職、継ぐことも勉強することも強要しなかったが息子は大学まで行った。その学費だって魚の命を頂いて、またその魚を買ってくれたお客がいたから。仕事を辞めたら今までできなかったことをしたい、人や自然に恩返しできたらって
孫が「ノーベル賞がほしい」と言ったら、無理だとは言わない、「よほど頑張らないと難しいよ。でも本気で目指すなら、1本の線路の上をずーっともう永遠に歩きなさい」と言う。
「欲しいけど無理だよね」と言ったら「諦めるのはいつでもできる。夢に向かってやりたいことは死ぬ気でやりな」と返す。人生は夢を持たないと。そして夢は一度持ったら諦めたり捨てたりするんじゃない。
反対に「ノーベル賞なんか欲しくもない」と言ったら「それならひろーくあさーく、天よりも高ーく、海よりも低ーく、いつでもどこでも五感を働かせて生きていけ」と返す。見たり聞いたり出かけることでその経験が役立つときが必ず来るから。
人生をかけるほどの夢が見つかったら「自分の命なくなるな」くらい努力して諦めない。とことんやる。ただ楽して生きるよりその方が人生は断然楽しいと思うよ
自分の老後の生活費は年金で賄える。節約すればいい。子供の教育費は親の責任。産んだ以上それだけはきちっと出さんと。計画が必要。
「僕を産んでくれ」と頼まれて生まれてきた子は1人もいない、親は指を詰めても腹を切っても人目をはばからず泥にまみれて生き抜いて子供を養え。
働き先に不満を持っても自分が選んだ会社。辞めるのは自由だが何でも人や会社のせいにするのは少し身勝手
男が偉いと威張ってるやつはクソ喰らえ、みんなお母さんの股の間から生まれたんよ。命がけでお母さんが産んでくれたからこの世にいる。女性は男よりも偉いよ。
肌着やおしめを変えてくれたのも母。それでも「親父にも何か役目はあるんじゃないの」とああだこうだ言うやつが居る。そのときは「ああ、親父にも役目がある。母ちゃんの腹の上で5.6回腰を使って『はい、あとは頼むわ!』と言うだけ。あとは全部母ちゃんがしとる」と言うと大体の男は黙るよ。
昔は子を産めん女はうまずめと呼ばれ人間扱いされなかった。女性を人間扱いしない男は最低
人間が一番疲れるのは体でなく頭。死にたくなるほどつらい、角度45度の壁があったら…まあ登れる。90度…これも工夫で登れる。もっと大変なのは反り返った壁。山言葉で『オーバーハング』と言う。
今のあなたはオーバーハングの壁の前に居る。でもお母さんから貰った命を自分で断つのは人間としてしてはいけないこと。どんな壁だって沢山の石を毎日投げれば穴が空くかもしれないし、登れるように壁に傷をつけて足かけるところをつくってもいい。
一つだけ試して諦めちゃダメなんよ。もがいてやれることは全部やってみる。限界だと思っても少し休めば何かアイデアがうまれるかもしれん。
ただ壁にぶち当たったときはぶつかって血を流してからじゃ遅い、私には無理かもと思ったら誰かに相談してね。
普段から1、2年は何かあっても大丈夫なように備蓄して災害に備えよ
人に尋ねるからにはまず自分の名を名乗らないといけん
公務員は庶民から雇われて血税を頂いて家族を養ってる。頭を下げて秋の稲穂になりきらないけん。
災害ボラのリーダーは女性がよい、未経験でも関係ない、一番大切なことはその日和気藹々とした雰囲気を作ること。男は現場でも意地を張り合うし男が男に命令するとムッとする人も多い。現場がギスギスする。強い男がリーダーになってがむしゃらなペースで作業したら皆ヘトヘトになってまう。全員が同じ体力じゃないでしょ、初心者も居るしね。
女性がリーダーになって自分の体力に合わせて休憩にすれば皆は疲れないんよ。それが結局効率よく作業が進む。女性のほうが気配りできるしリーダーに向いてると思う。
個人攻撃は余程のことがないとしちゃいけん、男はすぐ腹を立てる。
褒める、褒められる、褒め返す
手をパチパチ叩いて体の動きもつけて褒めると尚◎
小さな細胞の塊が人間だからね、弱いの。これはやっちゃいけないと思っても誘惑に負けたり、それが人間。完璧な人なんていない
大きく分けて人間、プラスかマイナスしかない、だったら同じ一生、1年、1日だったら何でもプラスに考えたほうがいいと思って
着飾って歩いても足元のゴミは見ない
ワシは無信心無宗教、自分で自分を信じる
誰も見てなくてもいいことしたら「尾畠さん、あなたよく頑張った!」と自分を褒める
弘法大師は死ぬ時を自分で決め、水だけ持ち込んで洞窟に入り苦しまずスーッと逝ったらしい、時期が来たら延命措置とか首吊り自殺とかはせず、ワシもそうしようかな
精子の何億という競争を勝ち抜いて生まれたと思えば何かあっても乗り越えられる強さは元々備わっているかもしれん。
人の一生は地球の歴史から見ると『瞬き1回分』泣き喚いたり振り返ったりする時間はない
『お天道さま=太陽、とは神や仏でなくワシにとってはお母ちゃん。世のため人のためでなく、自分のためにボランティアをしてる。』
尾畠さんにとってボランティアとは生きる証そのものではないか。人は人を傷つけるが、赤の他人に手を差し伸べるのもまた人なのだ。 -
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佐々井みのるさんこと、佐々井秀嶺。
インド仏教1億5千万人の頂点、最高指導者は、日本人の僧侶であった。「ジャイ ビーム!」と口々に叫ぶ信者の真ん中で「私は小さな坊主です。命懸けで差別や貧困と闘っていく所存である!」と。
市井の人々の声に耳を傾け、時には悪魔祓い、インドの秘密警察と対決、陰謀渦巻くアーグラーや大荒れの記者会見に臨む。食事はお供物をいただき、儲けたお金は騙されながらも病院や学校を建てインドに貢献していく。
そんな元日本人、インド国籍を何とか有した佐々井さんに密着取材を重ねて一冊にまとめあげた。とても読みやすく面白く、混沌としたインドをありのまま表現された一冊。
とてもおすすめ!
アウトカースト不可触民
僧侶、王族や戦士、商人、最下位の奴隷と4層になるカーストにも入らない。きつい仕事しか選べず学もなく、触ると汚れると言われていた人々が全人口13億の2割もいる p.37
佐々井さんの生まれは岡山、菅生村すごう。真面目な両親の元、成績優秀、女性に興味ありすぎの子供時代を過ごす。
佐々井さんの祖父、土井家は近郊では有数の金持ち庄屋だが、女狂で家から追い出され父である秋夫さんは奴隷のような生活から一代で佐官業をなし母、澄子さんと結婚。p.48〜
卵重箱で高校入試を突破するも、酒に溺れ、大菩薩峠で自殺未遂。津軽海峡、大山に次いで3回目も失敗に終わり、拾われた?救われた真言宗の名刹、大善寺の井上和尚に弟子入り。
負の連鎖をプラスの連鎖に変えていく。それが本当の宗教家の力なのかもしれない。
ニッティコーティ、インドの世渡り術、敵にはあえて友達のようにして近づいて、本心とは逆のことを言う。
法名「秀嶺」高尾山薬王寺、山本秀順から賜る
無情とは、情けが無い、常なるものは無い の意味
3000年前から続くヒンドゥー教に関わるカーストは
僧侶=ブラーミン
王族、戦士=クシャトリヤ
商人=ヴァイシャ
奴隷=シュードラ
の4階層、さらにその下、奴隷にも入れないダリット=不可触民は、最底辺のアウトカースト、インド全体の約2割 p. 121
アンベードカルは法務大臣に就任し、ガンジー亡き後不可触民制度廃止の憲法をほぼ1人で作り上げるが、差別は減らない。最後の手段として、仏教への改宗。1956年50万人の不可触民とともに、ビルマから高僧を呼んでナグプールで大改宗式を行う
国旗にも、仏教の法輪、ダルマ、を意味するアショーカ チャクラの図が入っている p.130
ブッダガヤで座り込み抗議、300人の僧が核反対行進をデリーで行うと、佐々井さんも座込み連中とデリーへ乗り込み首相に抗議行動をとる p.155〜
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カーストの外側にいて”触るとけがれる”とされる不可触民を中心に、仏教に改宗する人々が増えているインド。今やその数、1億5千万人。そして、そのインド仏教最高指導者を勤めるのが日本人僧侶、佐々井秀嶺だ。
と言うと、非常にストイックな人格者の僧侶を連想するかもしれないが、然に非ず。佐々井上人、かなりぶっ飛んでいる。(仏教だけに「仏飛んでいる」か) 若かりし頃はかなりモテたらしく、色恋沙汰に巻き込まれて自殺未遂を3度。反省して仏教の道へ入り、インドでの仏教布教を心に誓うというあたりからして、ちょっと違う。
元々仏教遺跡であった所がヒンドゥー教徒に乗っ取られたと知ると座り込みを実行し、インド政府が核実験を行うと大勢の仏教徒を引き連れて首相官邸まで乗り込む。正義のスイッチが入るともう止まらない。宗教間の陰謀に巻き込まれても、暗殺の危機にさらされても、「これが武士道だ」と言い切って、弱者に救いの手を差し伸べる。パワフルで豪快でストレート。こんな日本人が海外で活躍していることを知ると、こちらも何だか元気が出る。あっぱれ、佐々井上人。
ところで、ガンジーは、実はカースト擁護の立場を取っていたため、インド国内では海外で言われるほどの支持を得ていないらしい。これは意外な事実。