シッダールタムカジーのレビュー一覧

  • 病の皇帝「がん」に挑む(下)人類4000年の苦闘

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    がんの分子標的薬は、がん遺伝子を直せく不活性化するものと、がん遺伝子によって活性化されるシグナル経路を標的とするものがある。

    現在は、がんゲノム解析プロジェクトが進んでいる。
    がんゲノムの変異には、ドライバー変異とパッセンジャー変異がある。ドライバー変異はがんの増殖を直接誘発しており、当該がんの標本上で繰り返し起きている。パッセンジャー変異はランダムで無害だ。
    また、これらの変異による繋がりを「がん細胞の活性化経路」として分類し直すと、11~15(平均13)種類の経路となる。

    今後がんのメカニズムが明らかになると、がん医療には三つの大きな方向性がもたらされる。
    一つめは治療の方向性で、13

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    2020年02月23日
  • 病の皇帝「がん」に挑む(下)人類4000年の苦闘

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    ・患者相手のトライアル&エラーがすさまじい。しかし著者は患者を埋もれさせず、臨床医として関わったがん患者の話を何度も織り交ぜていてすばらしかった。特に最終節。著者の温かい人柄が伝わった。
     
    ・個々の科学者も敗北し続けながらも、全体としては少しずつ謎が解明されていくのが壮大で感動した。ひとりの成果は小さくても、そのおかげで前進していると見なせる。まさに「何一つ、無駄な努力はなかった」。
     
    ・葉酸類似体や化学兵器マスタードガスやX線やラウス肉腫のように、別分野のことを端緒に新しい攻め方が開発されていくのもおもしろい。
     
    ・米国の科学政策も興味深かった。基礎研究が無いのにマンハッタン計

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    2018年10月21日
  • 病の皇帝「がん」に挑む(下)人類4000年の苦闘

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    癌の歴史がよくわかった。ハーセプチンやグリベックの話まで登場してナイス!
    癌が遺伝子の疾患だということがよくわかった。

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    2016年03月28日
  • 病の皇帝「がん」に挑む(下)人類4000年の苦闘

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    後半は喫煙やアスベストなど、公衆衛生学上の知見によるがん予防、バップテストなどによる早期発見など、本格化するがんとの戦いが描かれる。

    HBVなどのウイルスやピロリ菌などの細菌による、環境因など、様々な要因によってがんが起こる原因として、細胞の分裂をつかさどる遺伝子の変異(がん遺伝子)や、暴走を制御する遺伝子(がん抑制遺伝子)の変異が明らかになり、これらは数百も見つかる。がんを起こすのは通常、こうした遺伝子一つのみの異常ではなく、複数の遺伝子が障害されることによる。一つの遺伝子異常を抱えたまま静かに増殖する細胞群の中に、2つ目の異常が起き、3つ目がおき、、、がんになる。

    タモキシフェン、ハー

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    2014年05月27日
  • 病の皇帝「がん」に挑む(上)人類4000年の苦闘

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    現役の腫瘍内科医によるがんの解説書。副題の「人類4000年の苦闘」はちょっと盛りすぎで、ここ100年のがん研究の歩みが語られる。

    著者の背景を反映してか、化学療法の話がメインで手術はちょっぴり、放射線の話はほとんど出てこない。また、普通はあまり触れられないが、経済も重要なトピックとして出てくる。寄付金を集めたり、政府の資金を振り向けさせたり、研究資金を集めることも重要だ。

    ・ホジキンはリンパ腫について初めての発表を行ったが、その発見は全くといっていいほど相手にされず、研究からも身を引いて静かに亡くなった

    ・がんを一緒くたに扱う考え方こそが、がんは多様な疾患ではなく単一の疾患なのだというゆ

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    2014年05月27日
  • 病の皇帝「がん」に挑む(上)人類4000年の苦闘

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    面白い。
    これは良書だ。
    次は下巻を読む。

    2011 年 ピューリッツァー賞一般ノンフィクション部門受賞作品。

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    2013年12月30日
  • 病の皇帝「がん」に挑む(下)人類4000年の苦闘

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    癌と人間の壮大な歴史。上下700㌻と大部だが様々なエピソードを織り交ぜて退屈しないし,しっかりした通史として学べるので時間をつくっても読む価値がある。
    下巻では癌の予防の発見,癌のメカニズムの解明,そして分子生物学の進展による分子標的薬の獲得を扱う。
    医療といっても科学や技術一辺倒でないのは,人々の高い関心やどろどろした既得権益を反映していて,上巻同様政治運動の側面も見逃せない。強い発癌性が発覚した煙草をめぐる論争や,新薬を切望する末期患者たちによる「悠長な」臨床試験への批判,目覚ましい効果を挙げた化学療法が幻と消えた論文捏造事件などが読みどころ。
    高齢化が進みより癌への関心が深まる中で,これ

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    2013年12月29日
  • 病の皇帝「がん」に挑む(上)人類4000年の苦闘

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    癌の伝記。特に医療の近代化(19世紀)以降の癌と人間の闘争の歴史が詳しく明快に語られる。
    麻酔と消毒で外科手術が行えるようになり,染料研究から薬剤の合成が派生し,放射線が発見され,癌治療のお膳立てが揃って迎えた20世紀。しかし患者にとっても医者にとってもそこからが苦難の連続だった。
    転移を警戒して乳房を根こそぎ切除する乳癌の手術。強力な細胞毒を何種類も大量投与する化学療法。それらがどのように発展してきたのか,このような苛酷な治療に代わるものはないのか,アメリカを中心にその模索の様子が描かれていく。
    近代化を経て,癌治療は科学になったが,研究の進展には政治も欠かせない。小児癌患者を使ったお涙頂戴

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    2013年11月12日
  • 病の皇帝「がん」に挑む(下)人類4000年の苦闘

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    がんと人類の歴史。
    がん「闘う」とは何か。
    その言葉だけでは言い表せない。
    治療により失うもの、得たもの。

    あるいは、何か理由があって備わった機能なのか。

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    2025年08月03日
  • 遺伝子‐親密なる人類史‐ 上

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     プロローグから、著者に関わるかなりショッキングな事情が語られる。著者の伯父2人と従兄が精神疾患の病にかかっていて、祖母はその一生を通して彼らを守り続け、父は身近に彼らの姿を見て苦しんできた。そのため、遺伝、病気、正常、家族、アイデンティティといったテーマが、著者の家族の会話の中に繰り返されていたという。そのような個人的事情をも抱えた著者が、「遺伝子」の誕生と、成長、そして未来について、物語ったのが本書である。

     上巻の第一部から第二部では、メンデルのエンドウ実験による遺伝法則の発見とダーウィン進化論との交差、ゴールトンによる優生学の提唱、アメリカにおける断種手術、そしてナチスによる民族浄化

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    2024年09月06日
  • 遺伝子‐親密なる人類史‐ 下

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    遺伝子上では、人類が遺伝子と出会うまでの過程が面白かった。本著「下」では、遺伝子と病気を主なテーマとして書かれており、「上」に比べて個人的には読み劣りしてしまった。

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    2023年10月11日
  • 遺伝子‐親密なる人類史‐ 下

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     上・下、読みました。遺伝子の歴史の本です。
    過去、遺伝子とはこう考えられていて、だんだん色々分かってきて、現在はここまでできる。将来はこうなっていくだろう。まで、記されています。

     個人的には「ある遺伝子があると、ストレスに弱いが、同時に支援を受けた時に花開く。」のような、知識を求めていたので、冗長に感じました。ただ、それでも内容は面白いですし、読んで損はないでしょう。

     遺伝子について学べば学ぶほど、現在の社会で言われている「優秀」というのは、狭義な意味なのだと痛感しています。教育者の一人として、自閉症や多動症と言われる発達障害は、個性の一部として認められる社会になって欲しいなぁと。

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    2022年01月15日
  • 遺伝子‐親密なる人類史‐ 上

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    プロローグが読み物として非常に魅力的で、引き込まれる。
    その後もたまに本編の間に挿入される、著者の家族のエピソードに惹かれる。

    本編は、面白いけど、ところどころ難しい。
    遺伝子というものの発見・理解・活用の歴史だけど、後半の科学者の競争の部分はヒューマンドラマで、それを理解するために、何が争点になってどんな微妙な競争だったかは、科学的な説明がないと判らないので、その解説は不可欠だろうけど、そこが難しくて斜め読みになり、結局よく判らないという。

    下巻がどんな内容か気になるけど、この先はさらに難しい話になるのでは?と思うとやや腰が引ける。

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    2021年11月23日
  • 病の皇帝「がん」に挑む(下)人類4000年の苦闘

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    上巻同様の感想になりますが、患者さんや医師や研究者を交えたドラマとしても、科学医学の進化の歴史という話としてもとても興味深いものでした。やや難解さを伴うと感じることがあったので星3にしましたがほとんど星4の素晴らしい作品です。ゆっくりなようでやはりこの百年くらいの医学の進歩は凄いのだと気づかされます。一方でここに来て、他の科学もそうですが、本当の難題にぶち当たっていることは気がかりなことです。

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    2020年08月01日
  • 病の皇帝「がん」に挑む(上)人類4000年の苦闘

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    星4に近いですがちょっと読むの大変だったので3にしました。癌や医学の科学の面、研究者やスポンサーの熱意、医者と患者の関係など、興味をとてもひく内容が多かった。本当にいろいろな試行錯誤があってそれなりの療法が出てきつつも、なかなか解決には遠い、もどかしい感じがよく分かる。

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    2020年07月19日
  • 病の皇帝「がん」に挑む(下)人類4000年の苦闘

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    不死・永遠であり、原罪であり、まごうことなき自分自身であり、考えていくほどに深淵を覗いているような気にさせられる。深淵を覗く時、深淵もまたこちらを見ているのだろうか。
    遺伝子変異の3ストライクで発症というのは仏教であるかのようだし、巧妙な耐性獲得は進化した次世代の生物のようですらある。
    正直、冗長で読みづらい部分も多いが、がんリテラシーの基礎本として、現代人は飛ばし読みでも読むべきかもしれない。

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    2014年04月09日
  • 病の皇帝「がん」に挑む(上)人類4000年の苦闘

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    「がん」との戦いの歴史。読むほどに「死神」そのものであるようながんの絶対性。無限・不死が即ち死となる事から想起される生命の不可思議。死が避けられなければ、がんもまた避けられない、がんの治療は即ち延命治療ということか。おそらく生命倫理のかなり奥底に手を突っ込まないと、がんを根治する道筋は見えてこないのだろう。

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    2014年03月28日