坂崎かおるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
表紙の女の子の可愛さとは裏腹に中身は結構ドス黒かった。百合っぽくてほわわーんって感じかと思ったら、全ッ然違った。百合ってゆうか、レズビアン。なんか、恋愛上の関係を同じなんだけど、百合はなんか「私たちの世界よ…キラキラキラーン」みたいな感じなんだけど、レズビアンは「私、子供欲しいの。だから、今度、精子を買うね…。ズーン」。いや、本当にこうなのかは知らないよ⁉︎私の勝手な思い込みだけど、百合だと思ってたから、かなりショックだった。で、あとグロいシーンもあったから、かなり、うん、すごくがーんってきた。あ、でも、めっちゃ面白かったけどね。
(自分で読み直してみると、読みにくいね。私の文) -
Posted by ブクログ
主人公は、人生に躓いたという感覚と、おそらく世間に対する絶望を抱きつつ、派遣の清掃員として老人ホームで働いている。清掃の仕事は得意だが誇りややりがいを感じているわけではない。生きるために働くだけで、必要以上には働かず、そこにはルーティンとしての帰属感はあっても意味や価値はない。
老人ホームで主人公が個人的に気持ちを寄せているのは、ホーム内の偽のバス停でいつもバスを待っているサトウさんだけである。誰も面会に来ないサトウさんに、主人公は嫁として認識されている。非番の日には娘のふりをしてサトウさんを訪ね、娘のふりをする嫁だと思われながら、娘のふりを続ける。
同僚として新たにウガンダ人のマリアが入ってきたことで、無関心の輪の中で一人の世界を守ってきた(あるいは耐えてきた)主人公の世界に、外界の波が寄せてくるようになる。マリアの素直な感情、素直な言葉、素直な行動に、反発しながらも主人公がゆるやかに孤独の殻を溶かしていく様が、けして綺麗な“物語”ではない生々しさで描かれていて、抗いたい思いも絆される気持ちも共感できる絶妙なトーン。
バスが来ないと言いながらうつらうつらと午後を過ごすサトウさん、誰かを待ち、どこかに帰りたいというぼんやりとした願いと生きる彼女に、娘と思われたい、待っていた人だと思われたい主人公。マリアに「自分を大事に」と欲しかった言葉をもらい、寛容に見える無関心な社会の中で同胞のために働くウガンダ人のアケロを横目で見ながら、それでも今さら前向きにも生きられず自己評価を高めることもできない。
一方で、主人公がサトウさんに寄せる期待も、マリアたちに対する無関心も、主人公が自分自身の行き詰まりと絶望にのみフォーカスしていることの証左であり、そうした狭い視野に主人公が世間からドロップアウトしていった経緯も思わされて、エゴイズムや本人にはどうにもならない特性など、美しくまとまらない生きづらさの問題も考えさせられる。
海を見たいというサトウさんの願いをかなえることで自分が望むカタルシスを得ようとした主人公の企図は実現しない。主人公はこれからも、世間の無関心の輪の中で生きていくしかないのだろう。それでも、組織の身勝手さをマリアの立場で怒ることができた主人公は、望んだカタルシスは得られずとも、他者と繋がり、真の意味で他者に気持ちを向けることへと一歩を踏み出せている。そこには、自分一人の破滅的な願いに突き進む視野の狭さとは異なる、見える世界の輪郭が変わったことで知る諦めと可能性の広がりが確かにある。
生きづらさは何一つ変わらないまま、自分が連れ出したのではないサトウさんと共に、海に向かわない海岸通りのバスに乗る主人公。状況は変わらずとも、あちらに海がある、水平線が見える場所があるのだと心に思えば海に向かわないバスでも行き先に夢を見ることができるように、思うようにならない人生であっても淡く遠い夢、憧れのようなものを持つことだけはできるようになったのだろうか。自分だけの絶望の中で立ち止まり続けるのではなく、遠くとも、道が違っていようとも、憧れを持ってバスに乗り込むことから何かが変われば、と、フルネームすら明かされない、顔の見えない主人公の未来の幸を願いたくなった。 -
Posted by ブクログ
今GOAT 特集悪を読んでいる。
そうしたら中にしっかりした量の小説が収載されていたのがこちら。
普通に本として売り出されていてビックリ。
考えたら当たり前だけど文芸誌を読みなれていないもので、雑誌から抜け出してハートカバーの本になってる!!という驚き、、、はさておき。
読者をディスったりして煽りタイプのオラオラから始まるし、ロシアのピョートル大帝とかサンクトペテルブルグとか出てくるのにムサイ日本の大学生の闇鍋??何が起こっている??
みたいなつかみから始まるので最初は結構戸惑うし、何の話なのかわからなくて3行位で寝るが数日続く。でも人って恐いね、そのお作法に慣れてくる。
お話は21世紀の日本と20世紀の高崎と19世紀のロシアの話が言ったり来たりのタイムリープ(と言っていいのか)。なんならひとつの文の中でも時空間が滑らかに変わったりする。がそこらへんまで読めてきてる私にはすぅっと入ってくるから不思議。何の違和感もなく読み進められる。
ロシアの話は、そんなダンサーいたのね、トゥシューズの産みの親みたいな?サンクトペテルブルクってそんな感じでできた都市なのね、へぇふうん、、、てな感じなんだけど21世紀舞台の話にうまく絡まって必然だったのだなと。まあ、変な闇鍋から始まるし、やっぱ必然。
高崎と大学生の話は小説の素敵要素が後半多くていい。それにハッとするエピソードが結構盛り込まれてる(丑の話とか、石を磨くとか、アラセゴンとか)急にそのシーンに自分が引きずり込まれる感覚があって何度かハッとした。ほの薄暗い舞台で光の指すところに舞う塵が見えるような感じか。私たった今そこに居る!!みたいな。
、、、って一通り読んでみて、この方芥川賞ノミネートされてる作家さんやったわ。そいや小説の中に自分も混じってたわ。本当に本って自由でいい。