坂崎かおるのレビュー一覧

  • 箱庭クロニクル

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    六つの短篇は百合ではないけど女性二人を軸に置いた物語。爆発的に面白いというものでは無いものの、各話の雰囲気がまったく違っていて坂崎さんの器用さがとてもよく出てると思った。

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    2024年12月12日
  • 海岸通り

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    老人施設の庭にある海岸通りという偽のバス停。来ることのないバスを待つサトウさん。掃除婦である主人公の掃除だけが生き甲斐のようなどん詰まりのような人生。新しく入ってきたウガンダ人のマリアの誠実で優しい人柄。短篇の中にたくさんの思いや不条理がぎゅっと詰まっている。

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    2024年12月08日
  • 海岸通り

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    介護施設内にある偽物のバス停。久住が時刻表をどれだけ磨き上げても偽物なのでバスは停まらない。丁寧に掃除をする久住であるが、ちょっとはずるいこともする。ウガンダ出身のマリアは久住をウガンダのコミュニティに誘う。そこで国籍を超えてファミリーを形成する。これも偽物の家族。施設の入居者であるサトウさんは偽物のバス停でバスを待ち続ける。そして対処するときにはバスに乗って娘に引き取られていく。海岸通りから海の見えない場所へと。偽物から本物への変化だろうか。素数の時刻表は割り切れない世の中の比喩だろうか。

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    2024年11月18日
  • 海岸通り

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    芥川賞候補なんだ…読み終えるまで知らなかった。なんだか淡々とした不思議な話だったな。ウガンダのことを知れたのは良かったけど、主人公がとても生きにくそうでラストもいまいちよく分からなかった。

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    2024年10月19日
  • 海岸通り

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    海辺の老人ホームで派遣の清掃員として働く、クズミ。
    クズミと一緒に働くサボりぐせのある神崎さんや神崎さんが辞めた後にウガンダから来たマリアさんとのこと。
    マリアさんとの距離感や何が正しくて間違っているのかなどを自然体であらわしている。
    マリアさんと親しくなりたいのか…どうなのか…
    あらぬ疑いで辞めさせられることに対しても納得していたのか…。
    あらゆるもやっとしたものはありながらも確かに生きるってことはこうした何かが積み重なっているのだなと感じた。
    海岸通りと優しいタイトルながらストレートな現実をそのままに。


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    2024年09月29日
  • 海岸通り

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    主人公の素性が今ひとつ明かされないまま物語が進んでいく様やマリアさんへの執着は『むらさきのスカートの女』を彷彿とさせると思った。

    もっとほのぼのした話を想像していたが、思った以上にいろんな要素が絡んでいて少しとっ散らかった印象だったが…

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    2024年09月22日
  • 海岸通り

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    あまり幸せそうでない女性の日常が淡々と描かれている。芥川賞候補作だそうだが、ボリュームも内容も薄く感じた

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    2024年09月17日
  • 海岸通り

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    ネタバレ

    海岸通り

    著者;坂崎かおる
    発行:2024年7月10日
    文藝春秋
    初出:「文學界」2024年2月号

    今年はじめての単著を出版した作家。この「海岸通り」は7月に出たばかりだけど、初出は文學界2月号で、芥川賞候補となったとのこと。表紙デザインやタイトル、文章のタッチなどから、今どきはやりの女性作家による軽快な日常ものがたりかと思っていると、終盤でえらくシビアな話になってくる。話の展開もあり、それにちょっとしたどんでん返しもあるが、あえて真相を明かすということをせず、そこに込められた人や社会の矛盾、問題点、性などをえぐっていく。急激に純文学へと傾く。なかなかに厳しい作品である。124ページの中編

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    2024年09月16日
  • 海岸通り

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    ちょっとだめな感じの主人公のお話?で、間違ってない?
    家賃を払わなくて出ていかなくてはいけなくなったり、それをウガンダから来られている方に手続きしてもらってお金も立て替えてもらったり(しかも、本人がお願いしたわけでもないらしく)、真面目なわたしからすると、絶対に関わりたくない主人公のお話だけど、なんとなく好きな小説だった。
    いやー、我ながら、まったくもって、変な感想文だわ‼️

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    2024年08月29日
  • 海岸通り

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    老人ホームで清掃員として働く「久住」と、仕事を教えているウガンダ人の「マリア」、ホームの人々等のお話。
    ウソとホントがあちこちに散りばめられているが、爽やかな読後感でした。
    途中、備品がフリマに売られていた所は、『むらさきのスカートの女』がココにもと思ってしまった(笑)
    量も少なく読みやすかった。

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    2024年08月16日
  • 海岸通り

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    ネタバレ

    老人ホームで働く久住とウガンダから来たマリアの仲がだんだん温まっていくのを感じた。
    最初はマリアに対して一歩引いた付き合いをしていた久住が変化したのは一体どこからだったんだろう。
    久住は清掃のスタッフで真面目だが、入居者に娘の振りをして話しかけたりする謎の一面も持っている。最後までその謎ははっきりしなかったが、もしかしたら自分の母親と重ねていたのではないだろうか。(母親の存在については書かれていない。)なんとなくそう思った。

    マリアが施設の物品を横流しする等して解雇されそうになったとき、なぜ久住はマリアを庇ったのだろう。それ以前に、マリアのやったことを自分のせいにされたのに何も言わなかったの

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    2024年08月08日
  • 海岸通り

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    小さな高齢者施設に掃除婦として派遣されている主人公久住さんはウガンダ出身のマリアさんと一緒に働くことになります。貧困、コロナ禍、差別偏見の中で何が正しいのか、ということを考えるそんな物語だと思います。
    淡々とした感情のこもらない主人公の語り口と、一方で、いくつかの転機になる出来事に立ち向かわないようで立ち向かうような姿が好印象でした。
    星3つです。

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    2024年10月12日
  • 嘘つき姫

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    読売新聞の「エンターテインメント小説月報」および「本よみうり堂」に取り上げられていた1冊。両方で紹介された本は記憶になく、どちらも絶賛に近い評価で期待は高まる。
    著者の坂崎さんは2020年に「リモート」で第1回かぐやSFコンテスト審査員特別賞を受賞したのを皮切りに、数々の文学賞を受賞している。本書は初の単著で9篇が収録されている。
    が……。うーん、つまらなくはない。さすがに。ただ、そこまで優れた作品だろうかという疑問はある。単に好みじゃないだけかもしれない。読んだ端から忘れていき、曖昧な印象しか残らなかった。残念。

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    2024年06月04日