坂崎かおるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私には難解な話だった。
介護施設の清掃員の久住さんと、新人のウガンダ人のマリアさん、それに入居者の佐藤さん、それからウガンダ人のコミニュティーの人々の普通のような普通でないような日々。
認知症の佐藤さんと交流する久住さんはちょっと普通ではないように思うが、では何が普通なの、常識って何なの、と久住さんの行動から考えてしまう。
久住さんは訳ありそうだし、マリアさんも日本人の夫がいて日本人に馴染もうとしているようで、ウガンダ人のコミニュティーも大切にしている。
久住さんの人物像が曖昧なのは敢えてなんだろうけど、私にはそこがまた難解で、話を捕まえきれなかった。
老人介護の問題や、人種差別の問題も垣間見 -
Posted by ブクログ
ネタバレ海岸通り
著者;坂崎かおる
発行:2024年7月10日
文藝春秋
初出:「文學界」2024年2月号
今年はじめての単著を出版した作家。この「海岸通り」は7月に出たばかりだけど、初出は文學界2月号で、芥川賞候補となったとのこと。表紙デザインやタイトル、文章のタッチなどから、今どきはやりの女性作家による軽快な日常ものがたりかと思っていると、終盤でえらくシビアな話になってくる。話の展開もあり、それにちょっとしたどんでん返しもあるが、あえて真相を明かすということをせず、そこに込められた人や社会の矛盾、問題点、性などをえぐっていく。急激に純文学へと傾く。なかなかに厳しい作品である。124ページの中編