【感想・ネタバレ】サンクトペテルブルクの鍋のレビュー

あらすじ

日本文学の冒険はじまる。

男たちの眼前で、トウシューズが煮えていく。靴の主は、マリー・タリオーニ。
十九世紀を代表する、ヨーロッパの名ダンサーである。

その伝説の靴を、愛好家たちは競り落とし――食べようとしていた。
えっ、本当に食べるの? 鍋をのぞき込みながら、牽制し合う男たち。

ぐつぐつ、ぐつぐつ。

気づくと中には、ピョートル一世、井上保三郎、高崎の観音像、そして令和の大学生まで。洋の東西、過去現在を超えた食材が投げ込まれていた――。
異能の作家が、世界文学の門をくぐり、供した一皿。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

3人の男が鍋を囲んでいる場面から物語は始まる。場所はロシア。グツグツ煮詰まる鍋の中にはトウシューズが煮えている。なんで?
こんな訳のわからない場面から始まる小説が面白くないわけがない。

サンクトペテルブルクと日本の高崎が交錯する物語です。
サンクトペテルブルクと高崎を組み合わせた坂崎さんのセンスの良さに唸ります。
サンクトペテルブルクのピョートル1世から高崎で高崎観音を建てた井上保三郎の話に移ったかと思えば、更にその話を聞いていた大学生の「わたし」が出てきて…と、話は入れ子構造的に込み入っています。
サンクトペテルブルクと高崎と現代の東京のとある大学を目まぐるしく往復する話なのですが、とにかく面白くて夢中で読みました。

0
2026年03月01日

Posted by ブクログ

バレエダンサーがクルクル回るごとく、小説もクルクル回る。予測不能の展開に振り回されるのが楽しい読書時間だった。

0
2026年01月17日

Posted by ブクログ

ロシアの話かと思えば日本の大学生の話、それから高崎の名士の話へとまさに闇鍋のように次に何が出てくるか分からない小説
何がなんだかよく分からない
なのにめちゃおもしろい!
時代も国もごちゃまぜになってぐつぐつと煮える闇鍋小説
クセになります

0
2026年01月13日

Posted by ブクログ

内容さっぱりわかんないけど、めちゃめちゃ読みやすくて、途中途中で急に惹き込まれて、そしてまたわからなくなって、いやいや何の話だこれは!ってなるんだけど、最終的な感想が「面白かった」になるのすごいな。
好き嫌いは分かれそうだけどわたしは好き。

0
2026年08月15日

Posted by ブクログ

今GOAT 特集悪を読んでいる。
そうしたら中にしっかりした量の小説が収載されていたのがこちら。
普通に本として売り出されていてビックリ。
考えたら当たり前だけど文芸誌を読みなれていないもので、雑誌から抜け出してハートカバーの本になってる!!という驚き、、、はさておき。

読者をディスったりして煽りタイプのオラオラから始まるし、ロシアのピョートル大帝とかサンクトペテルブルグとか出てくるのにムサイ日本の大学生の闇鍋??何が起こっている??
みたいなつかみから始まるので最初は結構戸惑うし、何の話なのかわからなくて3行位で寝るが数日続く。でも人って恐いね、そのお作法に慣れてくる。

お話は21世紀の日本と20世紀の高崎と19世紀のロシアの話が言ったり来たりのタイムリープ(と言っていいのか)。なんならひとつの文の中でも時空間が滑らかに変わったりする。がそこらへんまで読めてきてる私にはすぅっと入ってくるから不思議。何の違和感もなく読み進められる。

ロシアの話は、そんなダンサーいたのね、トゥシューズの産みの親みたいな?サンクトペテルブルクってそんな感じでできた都市なのね、へぇふうん、、、てな感じなんだけど21世紀舞台の話にうまく絡まって必然だったのだなと。まあ、変な闇鍋から始まるし、やっぱ必然。

高崎と大学生の話は小説の素敵要素が後半多くていい。それにハッとするエピソードが結構盛り込まれてる(丑の話とか、石を磨くとか、アラセゴンとか)急にそのシーンに自分が引きずり込まれる感覚があって何度かハッとした。ほの薄暗い舞台で光の指すところに舞う塵が見えるような感じか。私たった今そこに居る!!みたいな。

、、、って一通り読んでみて、この方芥川賞ノミネートされてる作家さんやったわ。そいや小説の中に自分も混じってたわ。本当に本って自由でいい。


0
2026年08月02日

Posted by ブクログ

面白かった。
鍋をかこむ3人の男たち。煮込まれるバレーのトゥシューズ。場面がどんどん変わっていくので頭がぐるぐるする。サンクトペテルブルクか高崎か。何が何だかわからない。そのわからなさがいいのかもしれない。

0
2026年03月15日

Posted by ブクログ

好きと嫌いが真っ二つに分かれるだろうなと思った。なんともシュールな展開が嫌いではないし
新しい分野みたいな気がして、もし機会あればまた読んでみようかなと思わせる作家さんだった。

0
2026年02月27日

Posted by ブクログ

確かにこの作品そのものが闇鍋みたいな読後感だった。そもそも今読んでる舞台は日本なのか?ロシアなのか?とても不思議な気持ちになる。
序盤は作者にかなり煽られるが、不思議と嫌な気分にはならずむしろ心地良いまであった。

0
2026年02月21日

Posted by ブクログ

およそ食材にするものではない物もひとつところに突っ込んだ鍋の沁み出た灰汁もそのままに濁った出汁へと箸を差し入れて具を摘み上げ、それを安い電球の白々しいひかりの中で首を傾げながら矯めつ眇めつし、結局何なのか何故ここにあるのか分からないまま口に運んで食べ合う闇鍋のような渾沌が渦巻いていました。語弊を恐れずに言えば分かりやすく面白い小説ではないと思います。けれど、美味しいんだか不味いんだかよく分からないものを食べる時間が時として最高に楽しい時間になるように、この小説の魅力は、混ぜ合わされた時代と場所と語りの饒舌硬質の答えが明確に見えてこないからこそぼんやりと、それこそ湯気のように掴みどころなく立ち上ってくるものなのだと思います。

0
2026年02月06日

「小説」ランキング