市川拓司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どの話も登場人物が、「みんな同じ」が得意な日本人的社会からは逸脱していて枠に収まらずに、集団から浮いている。
若さって躊躇がない。その人の本質を見ようとしない浅はかさが痛い。でも確かにある習性を垣間見て、「あ”ーーーー」とうなだれてしまった。
そんな環境に置かれた拗れに拗れた、若い恋たち。みんなそれぞれに不器用で、でも自分たちを自分たちたらしめる為に一生懸命だった。どの話も、学生の頃の恋を回想して、大人になった今「これから何か始まる予感」を孕んだ希望で締めくくられていた。まだ終わってない、これからスタート、これから続いてく、そんな風に主人公達が前に前に進んで行く感じが良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ3作からなる短編集。
共通のテーマは、死。
その死のもとになるのは、すべて愛。
『琥珀の中に』・・・愛を見失った少女が犯した罪のお話。
『世界中が雨だったら』・・・両親からの愛情に飢えた少年のお話。
『循環不安』・・・愛情が欲しくてもがいた結果、殺人を犯してしまう青年。
3作とも読みやすくてすらすら読めてしまうけど、読後感は悲しすぎて、今の私には重かった。
この中でいちばんを選ぶとしたら、『世界中が雨だったら』。
少年が死んでしまう悲しいお話だけど、
ただひとり、少年の姉が少年のことを理解し守ってくれていたことが救いに感じたから。
この人の作品を初めて読んだ。
文章的にはとても上品で、優しい感