成田サトコのレビュー一覧
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“「それじゃあ、あんたはどうやって杖から解放されたんだ?」
チトセの問いかけに、シイナはしばらくだまってから、
「べつの男があらわれて、泣きじゃくるあたいのかわりに、杖を手にとったんだ。もう、だいじょうぶだって」
「べつの男……?それってだれなのーー」
なにげなくききかえした言葉。でも信じられないこたえがかえってきた。
「……あんたの父親さ」
「え?」”[P.151]
17巻目。
最後にキースが出てきて、続きが気になる引き。
“「まあ、そういうときもありますよ。ついてないときもあるから、毎日おみくじみたいで楽しいんですよ。幸も不幸も、神さまからのプレゼントみたいなものですよ」
そういって駅 -
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“彼はすこしてれた顔でほほえんで、
「……リリカは、ボクのはじめての家族になってくれる?」
それは、はじめてあたしのためだけにむけられた笑顔。そして、
"リリカ"。
やっとよんでくれたあたしの名前。
その瞬間、なみだがあふれた。こんなにあたたかいなみだも生まれてはじめてだった。
あたしは思いきりその胸にとびこんで、
「リリカはずっとお兄さまのそばにいる。だから、お兄さまもずっとリリカのそばにいてね」
"お兄さま"なんて、ちょっとてれくさかった。でも、お兄さまはうれしそうに、小さく「うん」とつぶやいた。”[P.57]
16巻と17巻の間。
過去回大好き。 -
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“「案内するって、カイってば、ずいぶんこの国のことにくわしいんだねー?」
「そりゃそうさ。オイラはこの国の生まれだから」
「えっーー……?」
言葉もでないでいるあたしたちをそのままに、カイは「ついてこい」というように手をうごかして、そのままスタスタとあるいていってしまった。”[P.43]
15巻目。
カイくん……これは泣く……。
“『男らは石棺にきざまれたいつわりなき歴史を見せてほしいと申しでた。しかしそれはカンドラの巫女としてゆるしてはならぬこと。けれどわらわはかわりにひとつ条件をだしました。ーーわらわのいちばん大切な者をこの王国からつれだしてほしいと』
「えっ」
巫女のことばに、あたし -
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“そのよこで、セイラはしずかに壁画を見あげて、
「チトセさまは、この世界をすくう英雄となるおかた。わたしはあなたのために存在しているのですから」
「え?」
かすかにきこえたことばに、けげんな顔を向けると、セイラはるり色のひとみをほそめてニッコリとほほえんだ。
「自信をもってください。チトセさまは時の神に愛されたおかたなのですから」
「……時の神って、またその話か」
なぜか、セイラはオレのことを、そうかたく信じてうたがっていない。
それはオレを元気づけるためのことばなんだろうけど、この状況では、もはや神だのみしかない、といわれているような気もした。”[P.50]
14巻目。
チトセ回……!
こ -
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“「これって、あの飛行機ってやつ?」
「そ。でもあんなオモチャとはちがうんだ。これはオレたちが見よう見まねでつくった試作品だけど、とある世界ではこんなものが魔法もつかわずゆうゆうと空をとんでるんだとさ」
「とある世界って……」
そういいかけて「あっ」と声をあげる。そしてあたしたちは顔を見あわせて、
「それって、もしかして人間界ーー!?」
むかし、妖精の森には人間界とつながるトンネルがあったっていわれている。
でも、それもとうのむかしにすべてとじられてしまったってーー。”[P.116]
13巻目。
瓶底眼鏡は美少女と相場が決まっているのです。
“「……こんどはちゃんとむかえにいってやるよ。あ -
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“(すごい、なにここ……!これほんとうに学校の中なの?)
なんと天井からかべに木の根が這い、その根をたながわりにして器用に物がならべられている。
天井には、鳥カゴや色とりどりの液体のはいった試験管やフラスコがくさりでつながりぶらさがっている。
液体はほのかに光を放っていて、見あげた光景は夜の縁日かおまつりみたいだった。
「うへ〜」
へやのようすをものめずらしそうにながめていると、
「き、きみのことはきいていますよ。三日にいちどは校内のどこかがふっとぶというのですから。職員室でも有名ですよ」”[P.19]
12巻目。
セイラの謎が明らかにならないまま、青の城自体にも謎がつきまとう。
最後の悪魔 -
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“「これがあなたののぞんだ世界でしょ?それでもここからでたいっていうの?」
まだバクバクする心臓をおさえながら、
「あったりまえでしょ!ママもみんなもしんぱいするもん」
「あら、ほんとうにそうかしら?」
春の女神はふと口もとに意味深な笑みをうかべて、あたしを見つめた。
「……どういう意味よ?」
「だって、まさか、あの子のほうがあなたの鏡像だなんて信じられないもの。あなたよりずっとしっかりしていて、ずっとお上品だったわ。それにーー」
と、くぎると、さぐるようなひとみをむけて、
「それに、あの子は銀の城の子だっていっていたし。あなたはなぜ銀色の髪じゃないの?」”[P.70]
11巻目。
チョウチ -
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“「おまえっ、なにやってんだよっ」
チトセは顔をこわばらせて、声をあららげた。あたしは思わず耳をふさいで、
「うっ、わかってるよ!あたしだってすごく後悔してるし、なきたいんだよっ」
「オレがいってるのは、そのことだけじゃなくてなあっ。そうか……、あのあと、オレがちゃんと……」
チトセはうなだれてひたいに手をあてて、ひとりでぶつぶついうと、
「おまえ、ほんとひとりで街をふらふらあるくなよ」
「街をふらふらしてたことは問題じゃないのっ。変なおばあさんにつかまったことが問題なのよ」”[P.71]
10巻目。
カルガバールはまた以後にも出てきそうな雰囲気。
“「そのまえに、なにがあったかいえ」
「 -
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“ふとチトセの肩ごしに、その女の子と目があった。あたしが「あっ」と思うよりも早く、その子はチトセの頭に手をのばして、
「ねぐせ、ついてるよ」
という感じに、はねた髪をなでた。
(なっ)
あんぐり口をあけたと同時に、一気にみんなの目が炎のように燃えあがった!あたしのまわりをどす黒いオーラがゆらゆらととりまいている。”[P.33]
9巻目。
最後で泣かせにきてる。
カイくんは動物と話せるのかな。
突如出てきたセイラちゃんはまだ謎だらけ。
“「ボクたちもきみたちが幸せだったらいいなって、ずっと思ってる」
リンのやさしい声が消え入りそうに小さくなっていく。
「あたしも、ずっと思ってる!ふたりがどこ -
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“あたしは引きかえすと、心配になってチトセの顔をのぞきこんだ。すると、チトセは気まずそうに目をおよがせてから、チラッとあたしを見た。そして、かすれた声で、
「きみ、だれ?」
と、えんりょがちにつぶやいた。
「はっ。だから、つまんない冗談やめてって」
あたしは鼻でわらいとばそうとしたけど、チトセのよそよそしい態度に、どんどん顔が引きつっていく。
「あたしのこと、ほんとうに、わからないの?」
心臓がドックンドックン、脈打つ。チトセはこまったように、視線を落とすと、無言のままコクンとうなずいた。”[P.67]
8巻目。
覚えていないときのことを覚えていて、少し照れたりしても良いと思ったけれど。
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“チトセが「おい、まてっ」といったのに、まったく耳にも視界にも入らないみたい。夢中で、なぜかまっすぐ"あたし"にむかってやってくる。
シッポを引きちぎれんばかりにうれしそうにふって、あたしの胸にどびこんできたーー!と思ったら、
「ビアンカさま、おあいしとうございました!」
と犬がいきなり男の子に変わったのぉーーっ!
「え゛っ」
見知らぬ男の子にギュッとだきしめられたあたしは、そのままカッチンコッチンにかたまってしまった。
「お、おまえーっ。何者だっ」
チトセはおこったように、顔をまっ赤にしてわたをかきわけてくると、男の子をあたしから引きはなした。”[P.52]
7巻目。
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“「え?」
「ビアンカちゃんってさあ。ほんとうはけっこうわがままそうだよね。よかったー、完璧なお人形さんみたいな子なんているわけないよねっ」
あたしは両手をくんで「あたしの心はミクロじゃない、ふつうなんだ」と目をとじた。すると、
「ほんとう?わたしのこと、きらいにならない?」
ビアンカちゃんの大きなひとみがまっすぐにあたしを見つめていた。
「ん?なんで?あたりまえじゃん。せっかくともだちになれそうなのに」
「ほんとうに?わたしの話……なにをきいても、きらいになったりしない?」
「まあ、話にもよるけど、何か話したいことがあるの?」”[P.114]
6巻目。
新キャラが二人。一人は今巻で仲良くな -
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“?マークを頭のまわりいっぱいにうかべながら、その顔は見る見るうちに赤面していく。カリンはあわててキースの手からホウキをとると、はじめてホウキにのったみたいに、ガクンッと思いっきりさがったり、左右にゆれたりして、見てるこっちがヒヤヒヤ。
「だいじょうぶ?まだ自分でとぶのはあぶないよ。どこか安全なところに……」
「ゴメンなさいっ。ゴメンなさいっ。もうだいじょうぶですぅ〜」”[P.65]
5巻目。
チトセはフウカの知らない、フウカの秘密に関わることを知っているんじゃないかって気も。
“「ああ。それにこの島は魔界と同じ土地。オレたちには空気も土もあわないのさ」
チトセも「ふわぁ〜わ」と大きなアク -
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“黒いマントがコウモリの羽のようにひろがって、顔にかかった黒髪のあいだからのぞいたひとみが一瞬光ったようなーー。
「キース……」
「だいじょうぶ?ごめんね」
キースのひとみはいつもの憂いのある黒にもどっていた。そしてかなしそうな顔であたしに手をさしのべた。すると、その手をチトセが思いっきりはらい、あたしのうでをムンズッとつかむと、思いっきりひきあげた。”[P.65]
4巻目。
キースがフウカを気に掛ける理由は何巻頃で明かされるのだろう。
“あたしをとりかこんでいた子たちは。「おめでとぉ」「よかったね!」と口々においわいの言葉をかけてくる。
(なんでこんなことになってんのぉーっ)
思わず両手 -
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“「おまえしか、かんがえられない。こんな、こんなこと……そうじゃなきゃ、ありえない……」
「どうしたのさ?」
チトセはしばらくだまってから、右のてのひらを思いつめたような顔で見つめた。
「魔法が、魔法がつかえないんだ……」”[P.25]
3巻目。
兄弟にナイショって辺りが後で効いてくるかな……。
“「いいよ。ボクの魔力、ぜんぶあげる!だから、フウカちゃんをたすけてっ」
「よいのか。おまえは魔法使いではなくなるのだ。それがこの世界でどれだけきびしいものか、わかるか」
仮面はさとすように、やさしく光った。
「いいんだ。魔力がなくても生きていけるけど、フウカちゃんがいなくなったら、さびしくて生き -
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“「……だいじょうぶだよ」
うすれていく意識のなかで、やさしい声がきこえた。そして氷のようにひえきったからだに、右手だけが徐々にぬくもりをとりもどしていく。レイアがそっと目をあけると、
「アベル……」
アベルの金色のひとみがやさしくレイアを見おろしていた。そして、きずだらけの左手でレイアの手をつよくにぎりしめた。
「ぼくらは闇の力になんて負けない。ぼくらはあたらしい魔法の国をつくるのだから——」”[P.9]
2巻目。
“「チョウチョさん……」
いつもあたしをたすけてくれる、ふしぎな白いチョウ——。
『フウカちゃん、目に見えることが、すべて正しいとはかぎらないよ。ほんとうにあるものが見えなか