吉森保のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
オートファジー(細胞が自らの一部を分解する作用(自食作用)と言う言葉をマス・メディアて目にするのは、大抵は、ダイエットやアンチエイジング、美容等キャッチーな効果と共に語られることが多いような気がする。もう少し詳しく語ってもノーベル賞を受賞した大隅博士の研究テーマぐらいか。そんなこんなで分かったような気がしていて実は全く本質を知らない生命科学の世界。
本書の著者は、その大隅博士のもとでオートファジーの研究に携わり今では世界的にも著名な研究者。当初はオートファジーについて書こうとした著者が、辣腕編集者と実力ノンフィクション作家の協力のもとで出来上がったのが本作。
構成は、科学者のロジカルシンキングとは何か、生命科学とかなにか、細胞の働き、病気とは何かを、誰もが読んで理解できるような極力平易な説明と言葉で解説し、それから、メインディッシュのオートファジーについて語っている。
生命科学についての入門書としても素晴らしいし、世にはびこるエセ科学者に対抗てきる科学的思考についも学べる内容だ。 -
Posted by ブクログ
書籍中でも触れられているが、『LIFESPAN老いなき世界』と狙ってる方向性は同じなのかなぁと思いつつ、こちらの本は、非常に親切な書き振りで、読みやすく、理解しやすい様に構成されているのが特長。びっくりしたのは目次の多さ。目次だけで9ページもある。なかなかみた事ないレベル。『ライフスパン』では、遺伝子レベルで老化の原因を分析して、解決策としてそれぞれどうするべきかを数値を提示して解説していたのが印象的であった。誤解を恐れずに踏み込んでいた印象。
こちらの本は、科学者とはどう言う思考なのか、近年の科学を巻き込んだミスリードされた事例などを解説したり、種>個体>組織・臓器>細胞>オルガネラ(ミトコンドリアなど)>超分子複合体(菌やウイルス)>高分子(タンパク質、遺伝子、DNA)など、思考を助けてくれる図解など、読みやすく理解しやすい。
本書では、筆者の吉森保氏の研究テーマであるオートファジーという細胞の再生が長生きにどう言う影響を及ぼすかが書かれている。オートファジーは、細胞を食べて分解して再利用するプロセスのこと。
ライフスパンでは、サーチュイン遺伝子を活性化させる事で老化に抗う事が出来るとして、サーチュイン遺伝子のスイッチを押すのが、カロリー制限、寒さ、運動だった。
こちらの本では、歳をとるとルビコンは増え、スペルミジンは作れなくなり、オートファジーはガタ落ちになるので、オートファジーを活性化させるためには、レスベラトロール(ライフスパンでも出てた)を接種して、スペルミジン(納豆、味噌、醤油、チーズ、椎茸)を取り、ルビコンを減らす為には、油物を避けると。
『ライフスパン』では、カロリーは75%にすると良いと書かれてたけど、こちらの本では空腹として4時間空けるくらいから効果ありそうとのこと。
参考文献の少なさがちと気になるのだが、トータルで悪くない。
対象読者としては、高校生くらいから内容には読めると思うが、やはり40代以降なのかな。
-
Posted by ブクログ
文章がとても平易でわかりやすいのでおすすめです。
相関と因果は、科学的な思考において重要。
世の中本当に、ただの相関関係でこじつけの様に断定している事が多すぎると常日頃感じていたので、吉森先生が文章にしている事で自信がもてた。
最後の方の、オートファジーの活性化にあたっての生活の上でのポイント。取り入れたいのは納豆だったりワインだったり、運動だったり。割と今まで体に良いと言われてきているものなので受け入れやすい。また、油はあまり良くない。
意外だったのが、3食きちんと食べるよりも1食抜く、あるいは1食はカロリーを抑えるということ。
飢餓状態がオートファジーの活性化に効果があるらしい。
ゆく川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず
方丈記の引用があったがまさにそうで、こんなふうに読んだ本の感想を書いている今でも、細胞レベルでは一瞬前の私とは僅かに違う自分に常に入れ替わっているんだなと。いやー奥深い。 -
Posted by ブクログ
続けたいならば壊し続けろ!
今週読んだ本の中から、日常生活に持ち帰りたい考えを一つ。
今週の一冊は、吉森保著『オートファジー』。
ノーベル賞をきっかけに広く知られるようになった「オートファジー」。今では、この言葉を日常生活の中でも耳にするようになった。
オートファジーとは、細胞の中にある不要になったものを分解し、その一部を再利用する仕組みだ。私たちの身体は、一見すると昨日と同じように存在している。しかし、その内部では絶えず「壊すこと」と「つくり直すこと」が行われている。
ここから、私は一つのことを考えた。
継続するとは、変わらないことではない。
むしろ逆ではないか。
長く存在し続けるためには、古くなり機能しなくなった部分を壊し、新しいものにつくり替えていかなければならない。
これは、社会や組織、そして私たち自身の生き方にも当てはまるように思う。
昔はうまくいった仕事のやり方。
長く持ち続けてきた考え方。
いつの間にか習慣になっている生活の仕方。
それらを「続けるため」に守るのではなく、ときには部分的に壊し、つくり直す。
たとえば仕事では、目的を失った定例会議をやめる、誰も読まない報告書をなくす、過去の成功例に頼りすぎた手順を見直す、といった行動が考えられる。一方で、顧客との信頼関係や、チーム内で率直に意見を言える文化、仕事の目的そのものまで壊す必要はない。形式は変えても、守るべき価値は残すことが大切だ。
生活でも同じだ。惰性で続けている夜更かしや、目的なくスマートフォンを見る時間を手放す。その代わりに、睡眠や運動、家族と話す時間を残し、よりよい形に組み替えていく。人間関係においても、すべてを抱え込むのではなく、自分を消耗させる付き合い方を見直しながら、大切な人とのつながりは丁寧に育てていく。
つまり、「壊す」とは、すべてを否定することではない。
何が今の目的に役立っているのか。
何が役割を終えているのか。
何を残せば、自分や組織の核を守れるのか。
それを見極めたうえで、不要なものだけを手放すことだ。
変わらないために、変わり続ける。
オートファジーから私が日常に持ち帰りたいのは、この一見矛盾した原理だ。
何もしないことが「継続」なのではない。
壊すべきものを壊し、残すべきものを残し、新しいものをつくる。その循環そのものが、継続なのだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
序章 炎症とは何か
第1章 老化をとめるオートファジー
第2章 体全体が老化することと細胞が老化することは別
第3章 「免疫」は、「自分」と「他人」を厳密に区別する
第4章 皮膚は環境による老化の影響がとくに大きい臓器
第5章 ハダカデバネズミは、人間にたとえると数百歳生きる
第6章 老化を遅らせ、寿命を伸ばすかもしれないNMN
第7章 100歳以上生きる人とそうでない人の違いを調べている機関がある
第8章 病気のゲームチェンジャーとなる可能性のある「構造生物学」
第9章 老化研究に最適なのは、「魚」?
第10章 睡眠が不足すると、老化は加速する
<内容>
老化の研究の最前線をわかりやすく説いたもの。老化はしょうがないことなので、それを防ぐのではなく、スピードを遅くしたり、日常生活でやってはいけないことを示してくれる。老化は炎症の一種で、紫外線や睡眠不足は如実に老化を促進する。長生きはしたくないけど、現状をもう少し保ちたいと思うので、頑張るか… -
購入済み
健康寿命に関心のある人に
細胞のリサイクルシステム「オートファジー」を解説する一冊。ノーベル賞受賞の研究を基に、栄養確保、代謝回転、有害物除去の3機能をわかりやすく紹介。がんや老化との関連、ルビコン蛋白質の役割も詳述。専門的だが例え話で親しみやすく、未来の医療応用に期待が高まる。
-
Posted by ブクログ
【自由研究】人はなぜ老いるのか?②
わかったこと
●死なない生き物がいる!
→それはベニクラゲ。
●老いない生き物がいる!
→それはアホウドリやハダカデバネズミ。
●死なない生き物がいるのに、なぜ人は老いそして死ぬのか?
→その方が有利だから!(?)
人間はむしろ「死や老いを非常に積極的に選んだ」可能性が高い。(絶滅を避けるため?)
●死を選んで生き延びたのに今老化を拒んでいる!
→科学が発達したから
●死なないことはいいことか?
→科学をどう使うかまでは、科学は答えを持ち合わせていません。
●老化は病気か?
→今の医学は病気とはみなしていません。
+++
健康でいるため最終的には「腹八分目で、運動に尽きる」!これには笑いました。
人類はなぜあえて〈老いと死〉を選んできたのでしょうか?選んだのにそれを拒むことは何を意味するのでしょうか?
つづく